メモやドキュメントをストックしておけるツールはたくさんありますが、ストックしただけで満足していませんか。
考察し、知識を深めるためには、ドキュメントを関連付けて何度も読み返す仕組みが必要。
これには、「スリップボックス(または、Zettelkasten:ツェッテルカステン)法」が利用できるナレッジベースアプリが適しています。
代表的なものを3つご紹介します。
スリップボックス法について
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ドキュメントのストックでは、フォルダ分けやタグ付けが一般的かと思いますが、スリップボックス法ではリンクがより重要な意味を持ちます。
関連したドキュメントをネットワーク化してナレッジベースを構築するわけですが、リンクを辿りやすくするためのルールがいくつか設けられています。
The Writing Cooperativeのスリップボックス法解説記事によれば、ノートは1ページにつき1つの知識・アイデアを記述し(知識単位でノートの移動や並べ替えができるためです)、すでにあるものに関連付けます。
これにより、学びや考察が深まり、アイデアは発展します。

また、複数のリンクのインデックスを記述したノートを作成したり、リンクの意味を記述したりといった工夫で、まとまりごと知識を更新していきます。
スリップボックス法が利用できるアプリは、『Roam Resarch』『Obsidian』『ZETTLR』が有名です。
順番に特徴を見ていきましょう。
『Roam Resarch』で見やすいノートが簡単に作成できる
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研究者や学生にもファンが多い『Roam Resarch』は、シンプルなインターフェイスで操作がしやすく、見やすいノートが簡単に作成できます。
ノートを作成すると、まずはその日の日付が入ったデイリーノートが作成されますので、タスク管理および活動記録として利用する人も多いのでしょう(時間単位のインデックスノートともいえます)。
リンクを作成するには[[]]と入力。
これはどのアプリでも共通です。
グラフが表示できるのが秀逸で、知識のネットワークが一目で把握できて便利。

リンク付けしたノート側にも自動でバックリンクが表示されるのも、何気に使いやすいポイントです。
『Roam Resarch』は、公式ページからダウンロードできて、月額15ドル(約1600円)からのサブスクプランが用意されています。
『Obsidian』はカスタマイズオプションが豊富
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無料で利用できて多機能なのが『Obsidian』です。
メニューの日本語表示にも対応していて、レイアウトが細かく設定できるのも特徴的です。
いずれのアプリも、マークダウン記法やショートカットなどが利用できますが、参照したいときのマニュアルも日本語なので親しみやすいのではないでしょうか。
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『Roam Resarch』と同じくグラフビューも備えていて、タグやノードの大きさなどでビューを調整することもできます。
『Obsidian』は、公式ページからダウンロードして無料で利用可能です。
『ZETTLR』はノートをほかのアプリでも扱える

シームレスな設計がうれしいのが『ZETTLR』です。
この手のナレッジベースアプリは、MD(マークダウン)形式が基本。
でも『ZETTLR』に関しては、テキストファイルが取り込めて、逆にDOCX、ODT、PDFなどの形式でノートのシェアもできます(初期設定が必要です)。
メニューの日本語化にも対応。
日本語のユーザーマニュアルもあるので、備わった機能を隅々まで活用できそうです。
『ZETTLR』は、公式ページからダウンロードして無料で利用できます。

スリップボックス法が利用できるアプリをご紹介してきましたが、実はNotionのページにリンクを貼ってナレッジベースを構築する手もあります(バックリンクも表示されます)。
操作感がそれぞれ違いますが、重要なのは、新たな情報を追加する際に、関連付けたりまとめ直したりしながら考察を深める過程です。
最もしっくりくるものを選んで、フロー型の情報をストック型の知識に変えていく仕組みを構築してみてください。
Source: The Writing Cooperative, Roam Resarch, Obsidian, ZETTLR