Googleスプレッドシートは、入力済みのデータが変更されないように保護しておくことができます。また編集権限を設定すれば、変更を加えられるユーザーや範囲を細かくカスタマイズすることも可能です。
この記事では、Googleシートを保護し、安全性を高める方法についてご紹介します。
Googleシートをなぜ保護しなければならないのか
あなたのGoogleシートには、変更されたくない重要な入力内容が含まれているかもしれません。とはいえ、シートを共有せざるを得ない場合もあります。
共有する相手には、閲覧のみから編集まで、段階的に許可することができますが、場合によっては、デフォルトで設定されているアクセス制限を解除し、誰でもアクセスできるようにしなければならないこともあるでしょう。
そのような場合は、重要なセルが誤って変更される事態を防ぐ必要があります。たとえば、計算結果が表示されたセルや、計算結果の元データを含むセルなどです。
どのような状況であれ、自分のシートを保護しておけば、他のユーザーに内容を変更される事態を防げます。その場合、編集権限を持たない人は、シートにアクセスして閲覧することはできても、中身を変更することはできません。
Googleシート全体を保護する方法
Googleシートを保護する際には、自分以外のユーザーがいっさい編集できないようにするか、一部のユーザーに編集権限を与えるか、いずれかを選ぶことができます。それぞれの設定方法を以下にご説明しましょう。
自分以外は編集できないようにする
自分以外のユーザーがシートを編集できないよう保護する方法は次のとおりです。
1. Googleシートのメニューバーにある「ツール」をクリックします。
2. 「シートを保護」を選択します。

3. オプションとして、「説明を入力」フィールドに説明を書き入れます。
4. 「説明を入力」フィールドの下にシート選択のドロップダウンがあるので、そこから保護したいシートを選びます。
5. 「権限を設定」をクリックします。

6. 自分だけが編集できるようにするには、「この範囲を編集できるユーザーを制限する」にチェックを入れます。
7. その下のドロップダウンから「自分のみ」を選択します。

8. 「完了」をクリックして変更を保存します。それから最後にもう一度「完了」をクリックします。
他のユーザーに編集権限を与える
前述したように、自分のGoogleシートを編集できるユーザーを設定することができます。
その場合は、自分のGoogleシートの編集権限を変更し、メールアドレスでユーザーを指定してアクセスを許可します。

- メニューバーの「ツール」をクリックし、「シートを保護」を選んで説明を入力します。
- ドロップダウンから、保護したいシートを選びます。
- 「権限を設定」をクリックしたら、「この範囲を編集できるユーザーを制限する」を選びます。
- ドロップダウンから「カスタム」を選びます。
- これまで自分のGoogleシートを共有したことがある場合には、編集権限を与えたいユーザーのメールアドレスにチェックを入れます。
- 編集権限を与えたいメールアドレスがリストにない場合には、「編集者を追加」フィールドに、アドレスを入力するかコピペします。一度に複数のメールアドレスを追加することができます。ただし、アドレスの間をカンマで区切らなくてはなりません。
- 入力が終わったら、「完了」をクリックします。
注:「編集者を追加」の欄に複数のメールアドレスを記入したら、それらのユーザーにアクセスを許可するよう促すウィンドウが開くので、「共有」をクリックして、許可を与えてください。そうすれば、これまで共有していなかった相手とも、シートを共有できるようになります。Googleシート全体を保護する方法は以上です。
シートを編集するときに警告を表示する
シートに慎重な扱いを要するデータが含まれており、自分でも変更を加えたくないことがあります。たとえば、GoogleフォームからGoogleシートに移したデータなどがそうかもしれません。
自分で自分のシートに編集を加えるのを制限することはできませんが、特定のシートを編集しようとするたびに警告が表示されるよう設定することは可能です。そうしておけば、変更したくないシートを誤って編集してしまう事態が防げるか、少なくとも事前に警告が表示されます。
一度にたくさんのシートを扱っていて、変更したくないシートを把握しておきたい場合には、特にこの警告表示が役に立ちます。これは、Googleシートを他のユーザーと共有しない場合にも優れた機能です。
Googleシートを編集するときに警告を表示するための設定方法は以下のとおりです。

- 「ツール」をクリックします。
- 「シートを保護」を選びます。
- 「権限を設定」をクリックします。
- 「この範囲を編集するときに警告を表示する」を選びます。
- 「完了」をクリックして、変更を保存します。
とはいえ、この機能にはデメリットがあります。警告が表示されても、編集権限が与えられていないユーザーも含めて、誰でもシートを編集することができるのです。
編集しようとする前に警告するだけなので、警告が表示されたとしても、そのまま続行することができます。
あなたや他のユーザーがGoogleシートに変更を加えようとするたびに、下の画像のような警告が表示されます。

シートのうち、一部のセルのみを保護する
他のユーザーにシートの編集権限を与えた場合でも、シート内の一部のセルや列のみ、変更されないよう保護しておきたい時があります。設定方法は以下のとおりです。
1. メニューバーの「データ」をクリックします。
2. 「保護されたシートと範囲」を選びます。

3. 「シート/範囲を追加」をクリックします。

4. 「説明を入力」フィールドに説明を書き入れます。
5. その下に、デフォルトのデータ範囲がすでに入力されています。その横にある、データ範囲を選択するための小さな「田」マークをクリックします。

6. 保護したいセルを入力します。たとえば、G3のセルを保護したいときは「!」のあとに「G3」と入力します。
7. ある範囲のセルを保護したいときは、「!B3:」のように、最初のセルのあとにコロンを入れます。
8. 続けて、「!B3:F14」というように、保護したいセル範囲を指定します。列全体を保護したい場合には、「!G1:G40」と入れます。行全体を保護したいときも同様です。

9. または、保護したいセルを範囲指定することで、保護する範囲を設定することも可能です。「田」をクリックしてから範囲指定すると、それが範囲の選択フィールドにそのまま反映されます。ただし、たくさんの行や列を保護したい場合には、この方法はあまり実用的とはいえません。
10. 保護したいセルの範囲を選択し終えたら、「OK」をクリックします。
11. 「権限を設定」をクリックすると、「範囲の編集権限」というウィンドウが開くので、前述した方法に従って、編集できるユーザーを設定しましょう。
12. 最後に「完了」をクリックします。
保護されているシートのうち、一部のセルを保護対象から外す
セルの大部分を変更から保護しつつ、編集可能なセルを少しだけ残しておきたい場合があります。そのときは、一部のセルの保護を解除し、残りを保護したままにすることが可能です。

- 「ツール」をクリックします。
- 「シートを保護」を選びます。
- シート選択ドロップダウンの下にある「特定のセルを除く」にチェックを入れます。
- デフォルトのセルが入力されているボックスが開きます。その右にある「田」マークをクリックします。
- 保護を解除したいセルの範囲を入力します。たとえば、「C3」と入力すると、第3列の3つ目のセルのみ保護が解除されます。または、「A3:C3」と入力すると、第1列の3つ目のセルから第3列の3つ目のセルまで、保護が解除されます。
- 保護を解除したいセルの範囲を入力したら、「権限を設定」をクリックしてください。「範囲の編集権限」というウィンドウが開くので、前述した方法に従って、編集できるユーザーを設定しましょう。
- 最後に「完了」をクリックします。
シートの保護を解除する
Googleシートを保護しておく必要がなくなったら、保護を解除することができます。その方法はとても簡単です。
1. メニューバーの「データ」をクリックします。
2. 「保護されたシートと範囲」を選びます。
3. 保護を設定した際、識別のためにつけた説明が表示されるので、これをクリックします。
4. 「説明を入力」フィールドの横に、シートと範囲の保護を削除できるゴミ箱のアイコンがあるので、クリックします。

5. 確認のウィンドウが表示されるので、「削除」をクリックします。

Googleシートを使いこなそう
Googleシートの保護や編集権限を細かく設定する方法は以上です。
これで、他のユーザーとシートを共有しても、編集権限を与えない限り、内容を変更される心配はありません。
ここでご紹介した方法は、自分がひとりで管理しているグループのシートで実践できるほか、チーム全体で管理しているシートでも可能なものです。
Original Article: How to Password Protect and Lock Your Google Sheets by MakeUseOf