夫婦の家事育児シェアは「原則半々」であるべき?

共働き夫婦の家事育児シェアは、おおむね女性のほうが高くなっています。

昨年7月に公表されたクレハの調査(「共働き夫婦の家事シェア事情」に関する実態調査)によれば、共働き夫婦の家事育児シェアが「妻7割以上」に該当するのは、全体の73%。これに「妻6:夫4」の割合を加えると86%という高比率になっています。

残りの数字は、というと「妻5:夫5」という回答が11%、男性のほうが家事育児シェアの高いという割合はなんと3%しかありませんでした。

「妻6:夫4」では、女性が男性の5割多い負担になっていて、「妻7:夫3」だと女性が男性の2倍以上の家事育児をこなしているということ。

男性はよく「働く時間が短いから女性が家事育児シェアが多くなる」のだ、と言い訳をしますが、「家事育児分担を多く課せられているから長時間働けず、結果として年収シェアは低くなる」ということもできます。

共働き夫婦の家事育児シェアは、基本的には「原則半々」であるべきだと思います。しかし、現実には女性にその多くが分担されている現状があるのです。

時代は大きく変化、テレワーク率が一気に向上

テレワーク
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ウィズコロナがもたらした社会の大きな変化のひとつは、テレワークの推進でしょう。

これを機に、ワークフローのデジタル化も進んでいます。請求書や見積書、経費申請などの「紙業務」の多くが、できるところからデジタル化されています。

私も紙で郵送していた請求書の類いが、昨年ほとんど「PDF可」ペーパーレスになりました。経理の社員がテレワークしているので、会社に紙で送られるほうが困るというわけです。

技術的にはもっと早くできたはずなのに「慣例」や「変えるのが大変」という理由で変わらなかったものが、一気に動きました。もしかすると、コロナのもたらした数少ない「良い変化」だといえるかもしれません。

しかし、誰でもテレワークできるわけではありません。

どんなに省力化が進んだとしても、配送業や建築業の現場には人がいなければいけません。セルフレジが拡大しても、スーパーやコンビニを完全に無人化することは不可能なはず。

つまり共働き家庭でも、夫婦ともにテレワークではなく、どちらかだけがテレワークだったりすることもあるでしょう。

テレワーク時に「ご飯まだ?」はあり得ない!

最近、ネットで「テレワーク夫と出勤妻の共働き」が話題となっています。例えばこんな感じ。

男性は、自宅勤務ができるようになりテレワークをしています。朝早い出社も必要なければ、夕方はちょっと残業しても18時過ぎには業務終了し、家でくつろいでいます。

女性のほうは、仕事の内容がテレワーク移行が難しいため、出社が続いています。出勤も変わらず、退勤も同じです。

ところが疲れて家に帰ってくると、のんびりソファでくつろいでいる夫が「おかえり、今日のご飯は何?」と言ってくる、自分は何もしていない…!

せっかく男性がテレワーク勤務に変わったことにより「通勤時間」を短縮できたのに、家事や育児の分担にはまったく反映していないという、とんでもない話です。

労働時間が長い、通勤時間が長いからこそ、男性は妻に家事育児の多くをシェアしてきたわけです。それなら、その制約がひとつ解放されたのですから、家事育児シェアの見直しにつなげなくてはいけません。

私は夕食を作る頻度が5割かそれ以上になることもあるので、こういう男性のエピソードを聞くと本気で腹が立ちます。

せめて、買い物は代わりに担当する、あるいはシンプルな料理でもいいから代わりに調理してみる下ごしらえや炊飯器セットくらいはできるはずです。

男性の家事育児シェア率、じわり上昇中! もっともっと!

家事シェア
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ここまで読んで、男性に怒りを覚えた人はご安心ください。こんなひどい対応が全部のテレワーク夫の傾向というわけではないからです。

冒頭紹介した調査では、テレワークの影響も紹介しており、68%の家庭では、夫の家事・育児が増えたとしています。男性も必ずテレワークしているわけではありませんから、これは相当大きな変化です。

増えた内容としては、料理や食事のしたくをしたり(44.5%)、食料品や日用品の買い物に出かけるようになった(41.9%)という具体的なアクションが紹介されています。もちろん子どもとの時間を増やしたという回答も上位にあります。

つまりテレワーク夫の多くは、買い物だったり、不慣れな料理だったり、家事育児を増やそうとがんばっているわけです。

家事や育児については、「スキル」ではなくほとんどが「経験の蓄積」で対応できること。

例えば一度、かぶをくし切りにした人は2回目から同じことはできますが、最初だけはスマホで検索をしなければなりません。また最初の形は不格好でしょう。煮たり焼いたりということも失敗して焦げ付かせることがあります。

そこはぜひ、妻側も見守ってあげてほしいと思います。簡単なルーチンであれば家事マニュアルを作っておくのもいいでしょう。

ミールキットの宅配(一食分のレシピと材料がセットになった料理キット)などを利用するのも便利です。

調理方法も示されているので、男性でも(20分でできるところ40分かかったとしても)、なんとか完成させることができ、経験値を積むことができます。

私もこれでずいぶんレパートリーを増やしました。買い物作業とメニュー検討プロセス(これが「見えない家事」として大きな負担です!)を省略できるのもメリットです。

男性が家事や育児のシェアを5%増やせば、その分妻の負担は5%下がり、10%分の変化が生まれます。ぜひ、テレワーク時の「男性の家事育児アップ」を考えてみてはどうでしょうか。

山崎俊輔

フィナンシャルウィズダム代表。ファイナンシャルプランナー。夫婦で共働き、共家事、共育児しながら子どもふたりを育てている。著書に『共働き夫婦 お金の教科書』『マネーハック大全』などがある。

Source: クレライフ