私は今年のGoogle I/O(開発者向け年次カンファレンス)は、プライバシーのことを意識しながら視聴しました。

これは、Facebookの元幹部で、Appleに入社した直後に退社したAntonio Garcia Martinez 氏に関する一連の出来事のせいです。2018年の同氏の発言は有名です。

実際のところ、ほとんどの人はプライバシーを気にしません。メディアエリートは気にするし、EU加盟各国から派遣されているユーロクラートも気にするでしょう。

そして、プライバシー産業の複合体――これを中心に大きな声で主張している、メディアの集団があります。

彼の言う通りですが、私ならここまで非難がましい言い方はしません。確かに、ほとんどの人はプライバシーについてあまり考えたことはないかもしれませんが、それは積極的に考える機会がなかったからです。

同じパスワードを使い回しているのは、新しいパスワードを作成して保存する良い方法を知らなかったからでしょう。アカウントが不正アクセスされた際の通知を受け取るように登録しないのは、それができることを知らなかったからです。

ウェブを閲覧したり、メールを読んだり、ゲームをすることができさえすれば、誰が自分のデータを使って何をしているのか、気にしてきませんでした。しかし、このような状況は変化しています

私は、プライバシーを重視するメガプラットフォームが増えてきていることを喜ばしく思いますが、データのセキュリティやプライバシーについてあまり考えずにデバイスを使用している人たちを啓蒙するために、できることはまだたくさんあります。

今回の年次カンファレンスのキーノートは、そういう観点を持ってじっくり見ました。

そして、論じる価値のある興味深い情報をいくつか見つけました。

Googleフォトに「ロックされたフォルダー」を導入

Googleが、ロックされたフォルダーというコンセプトをGoogleフォトに直接取り入れようとしているのは、素晴らしいことです。

つまり、「プライベートフォルダー」のようなものを作れるようになり、そこに他のアプリにはアクセスしてほしくない写真を保存できるようになります。保存された写真はアプリ内の写真フィードにも表示されません。

ですから、たとえば友人たちに愛猫のベストショットを見せているときに、違う写真を誤って見せてしまうことがなくなります。

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パスワードマネージャーを使用して安全でないパスワードを変更する

Googleは、Chromeベースのパスワードマネージャーに新しいインポートツールを追加しています。このツールを使用して、CSVファイルのログインをこのツールに落とし込むことができます。

そのため、パスワードマネージャーを使用しない理由はないことがわかり、パスワードマネージャーを気軽に使い始められるようになります(または別のものから切り替えやすくなります)。

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さらに、Googleのパスワードマネージャーを使用すると、不正アクセスされたパスワードの変更もしやすくなります

ただし、注意点が1つあります。上記のパスワードマネージャーが許可すると(すべてのウェブサイトとサービスがサポートされているわけではありません)、安全性の低いアカウントの場合はパスワードリセットのページに直接ジャンプします

有料のDashlaneアプリにある便利なパスワードチェンジャーツールと違って、Googleがパスワードを変更することはありません。それでも、最小限の手間で、人々(あなた)に重要なことをさせる(破壊されたパスワードを変更させる)方法が1つ増えました。

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Screenshot: David Murphy

Google検索アプリ内で、すぐに右上の隅にある小さなプロフィールアイコンをタップすると、間もなく新規に登場するオプションを使用して、過去15分間の履歴を消去できるようになります。

ただし、消去したい履歴が広範な場合は、昔ながらの方法で行う必要があります(あるいは、シークレットモードが存在することを思い出してください)。

このオプションはAndroidとiOSの両方で使用できますが、Googleは詳細を共有していません。

アプリのプライバシー設定を調整する

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Screenshot: David Murphy

Googleがアプリに追加するもう1つの優れた機能は、プライバシーセンサーが警告を発する機能をアプリが使用していることをわかりやすく教えてくれる機能です。

たとえば、Googleマップがロケーション履歴を使用して、照合する場所の提案などを行う場合を考えてみます。マップに小さなアイコンが表示され、このアイコンを使用して、上記のロケーション履歴のオンとオフを切り替えることができます。

これをするために、あらゆる種類の設定メニューを掘り下げる必要はありません。

Googleは年次カンファレンスでこの1例のみを共有しましたが、他のプライバシーオプションが他のアプリにも投下されるのか(そしてそれを使うには、いくらぐらいかかるのか)、私は興味津々です。

Android 12の「クイック設定」からマイクとカメラをコントロールする

私は、GoogleがAndroid 12にデバイスのカメラとマイクの強制停止スイッチを直接ビルトインしていることを大変気に入っています。Androidの「クイック設定」を下にスワイプすると、次の2つの新しいオプションが表示されます。

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Screenshot: David Murphy

どちらかをタップすると、以前付与した権限に関係なく、すべてのアプリがカメラかマイクを使用できなくなります。この設定を無効にすると、権限は通常通り再開されます。

さらに、Android 12は以下のような新しいプライバシーダッシュボードも用意しており、いつ、どのアプリが、さまざまなデータ(Googleのビルトインアプリを含む)にアクセスしたかがここに正確に表示されます。

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Screenshot: David Murphy

Googleフォトで思い出したくない写真を消去できる

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Screenshot: Google

思い出と言えば、ソーシャルウェブで避けていたかつての交際相手の写真が「この日を覚えていますか?」でポップアップするのを見たくない人はいるでしょうか。

Googleフォト内では、嫌な思い出をすっかり消去したり、思い出内の個々の写真を削除したりできるようになるので、一緒に行った人以外はすべてが素敵な思い出になっている旅行の写真を残したいときは、便利です。

Source: cnn, Vox, Dashlane Support