GAFA(Google・Amazon・Facebook・Apple)と呼ばれるアメリカの巨大企業のひとつ、Google。「Googleで検索する」ことが「ググる」という動詞になるほど、私たちの生活に深く浸透している企業です。
Googleは1998年、小さなガレージから始まりました。創業者は、ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンというスタンフォード大学の博士課程に在籍していた学生2人組です。
Googleは、わずか3年足らずで従業員を200人ほどに増やすほどに急成長し、今や世界のインフラとなりました。
それにしても、なぜラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンのふたりは、Googleをここまで大きな会社に成長させ、純資産600億ドル以上の成功者となったのでしょうか?
今回は、ラリー・ペイジにフォーカスします。彼の成功の秘訣と、なぜGoogleがトップ検索エンジンになったのかについて探っていきます。
事業を起こすのに必ずしも学校に行く必要はない
■リスクを恐れず行動を起こす
名門スタンフォード大学を休学してGoogleを創設したラリー・ペイジですが、その決断を下したときは、学位が取れないという事実に恐怖を感じたそうです。
しかし、彼はリスクをとることを決めました。
アイデアを持ちながらも、起業をちゅうちょしてしまう人は少なくないでしょう。それは2人も同じでした。しかし、ラリー・ペイジはいくら素晴らしいアイデアでも、実行に移さなければ価値はないと考えたのです。
Googleは結果として大成功しましたが、試行錯誤する中でうまく行かなかったことも数多くあったそうです。しかし、彼はめげることなく挑戦し続ければ、いつかは報われると考えてきたのです。
ちなみに学位を捨てて、リスクを取ったラリー・ペイジは、「事業を起こすのに、必ずしも学校に行かなければいけないというわけではない。私は、本棚にあったビジネス書を読み漁ったが、ビジネスに必要だったのはそれだけだった」と話しています。
ただし、この言葉を鵜呑みにして安易に退学するのは危険です。
というのも、Googleを始めようとした時、彼はスタンフォード大学の博士課程に行っていました。つまり、学力と知識量と本を読みこなすほどの集中力と読解力が、それまでの勉強で培われてきていたのです。
ビジネス書を読めば…とはいっても、理解できる頭があったからこそ。そこを無視してリスクをとっては危険かもしれません。リスクをとるタイミングについては熟考する必要がありそうです。
■先見の明がある
ラリー・ペイジがGoogleをスタートさせるために調査を開始したとき、多くの人から「どうせ失敗するだろう。検索エンジンはすでに5つもあるのだから」と言われたのだとか。
そんな時、彼は「検索エンジンの会社を作るけれど、自分たちがやろうとしていることは他とは違うことなんだ」と話したそうです。
彼には先見の明があり、他の人が気づいていないニーズが見えていたのでしょう。
■お金のためではなく、楽しみと目的のために働く
スティーブ・ジョブズにせよ、マーク・ザッカーバーグにせよ、成功者はお金が欲しくて事業を起こしたのではありません。アイデアを形にしたいという思いが発端です。
それはラリー・ペイジも同じ。彼は、ウェブサイト全体をダウンロードすることを思いつき、検索エンジンをつくりました。
一生かかっても使いきれないほどの富を手にした同氏は、「お金を稼ぐことが目的なら、遥か昔に会社を売却してビーチにでも行っていた」と話しています。
クライアントと同じように社員に敬意を持つ
■人を大切にする
会社にとって、人材は最も価値のある資産です。ラリー・ペイジは敬意を持って人と向き合えば、社員は会社に恩返しをしてくれると考えています。従業員と話す時は、クライアントや潜在的クライアントと同様に敬意を持って接するようにしているそうです。
■完璧を目指す
「究極の検索エンジンとは、世界中にある全てを理解し、常に正しい答えを導いてくれるもの。そこまで到達するには、まだまだです」という発言からわかる通り、完璧でないことを認め、完璧を目指す努力をしています。
実際、Googleのアルゴリズムは日々改善され続けています。
■管理者は少なく
ラリー・ペイジは、イノベーションは大きなグループからは生まれないと考え、マネージャーが管理する部下は、本来あるべき人数よりも意図的に少なくしているそうです。
■善行をする
Googleのモットーは「悪になるな」ですが、最近加わった新たなモットーは「正しい行いをしろ」。
ビッグデータを扱うGoogleを警戒する人たちも少なくありませんが、少なくとも善行をしようとする姿勢が評価されているからこそ、Googleは成功と成長を続けているのでしょう。
ラリー・ペイジは、2019年にGoogleの持株会社Alphabet社の最高経営責任者を退任し、今ではほとんど表舞台に立ちません。
しかし、空飛ぶ車を開発する会社に投資するなど、楽しみと目的のために働き続けているようです。
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