2018年1月22日掲載記事を再編集の上、再掲載しています。
米Lifehackerが人生の役に立つ言葉を紹介するシリーズ「Mid-Week Meditations」へようこそ。ストイックな知恵を探求し、それを使って自らを省みて、人生を好転させましょう。
今回は、第16代ローマ皇帝マルクス・アウレリウスの『自省録』の1節をご紹介します。彼は、人間が意見を持つことに関して重要な真実に光を当てています。
人間には、意見を持たないという選択肢が常にある。自分でコントロールできない事柄でイライラしたり魂を煩わせたりする必要は一切無い。そういう事柄はあなたの意見を求めていないのだから、放っておけば良いのだ。
ー 自省録 6.52
その意味するところは
人間は、必ずしもすべてのことに関して意見を持つ必要はありません。
自分でコントロールできない困難な問題は、あなたが肯定しようが否定しようが、議論しようが目を背けようが、好むと好まらずとに関わらず存在し続けます。
そんなことでわざわざ自分を苦しめたり惨めになる必要はありません。
得られる教訓
意見を持たずにいることは容易ではありません。現代はさまざまな意見が簡単にシェアされ、意見の持ち主の「人となり」がそれで決まる時代だからです。
結局のところ、私たちの会話の大部分は、オンラインであれオフラインであれ、個人的な意見なのです。
政治や社会問題は、世の中でしっかりした意見が交換されると状況が変化することもあるので、注意を払うに値する事柄です。
一方で、際立った味付けの料理、科学的に実証された事実、確固たる人格、幅広い世代のファンの高い期待に応えるべく莫大な予算を投じた映画など、簡単には揺るがない事柄もあります。
誰がどんな意見を持とうと存在し続け、影響を受けることもない事柄なので、わざわざ意見を持つ必要はありません。こちらのコントロールがまるで及ばないことに関して意見を持ったところで、何の意味もないからです。
それでも意見を言うのは単なる自己顕示でしかなく「あなたの言う通り」と他人に承認されることをどこかで期待しているのです。
「何にでも意見を持つ必要がある」という思い込みを捨てて自分が幸福になることを優先させましょう。まずは、役に立たないことにまで意見を持つことから解放されて、心の重荷を下ろすことです。そうすれば、どんな芸術的嗜好も、どんな事実も、どんな異なる見解も、こちらの存在を脅かすほどの意味を持たなくなります。
そして、自分がまったく知らないことに遭遇したらもっと理解を深めるまで意見を持たないことが得策です。「意見を持てるほどまで、まだそれについてはよくわからないんです」と言ってもかまわないのです。
大事なことだと思ったら、後で議論に参加すればいいでしょう。そうすることで、さまざまな思惑でざわついていたこれまでの虚しさが、行動、知識、感謝、平穏で満たされるでしょう。
まとめ
意見を持つことは選択の自由があり、義務ではありません。
気に入らないことや自分でコントロールできないことに遭遇したら、そのことは考えないようにして、自分の時間や幸福感を大事にしましょう。
逆に、大いに支持したいことに遭遇して、それを擁護する必要性を感じる場合は、ぜひそのために奮闘しましょう。戦車がなくても戦える戦いです。
『自省録』の全文(英文)はこちらから無料で読むことができます。
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Source: The Internet Classics Archive
Patrick Allan - Lifehacker US[原文]