日本でも医療従事者向けに新型コロナウイルスのワクチン接種が始まりました。でも、ワクチン接種の副作用で強度のアレルギー反応であるアナフィラキシーが起こったというニュースを耳にして、ワクチン接種に不安を感じている人も多いのではないでしょうか。

医師が運営する、最新情報をまとめた「こびナビ」

cov-naviこびナビ
Screenshot: ライフハッカー[日本版]via こびナビ

このような状況で、どこで情報を得たらいいのでしょうか。厚生労働省には「新型コロナワクチン」のページがありますが、同じように信頼できる最新情報がもっとわかりやすく読めたらいいなと感じる人もいるかもしれません。

あるんです、そんなサイトが。それは「こびナビ」です。

「こびナビ」は、千葉大学病院の吉村健佑先生が代表である医師のグループによるプロジェクトで、新型コロナウイルス感染症や新型コロナウイルスワクチンに関する正確な情報を届けたいと始めたもの。

サイトはわかりやすいデザインで、SNSでも積極的に情報を発信しています。サイトで疑問に対する答えが見つからなかった場合のために問い合わせフォームもあるのが嬉しいです。

同サイトの副代表で、全米屈指の医療都市であるヒューストンで感染症を専門とする小児科医、池田早希先生からのメッセージを紹介します。

「情報が届かずに不安な思いをされている方、接種に不安を感じられている方に正確な情報をお届けしたいと思い、『こびナビ』プロジェクトを開始しました。

新型コロナウイルスの患者の診療に当たってきましたが、新型コロナウイルス感染症は重症化すると、とても怖い病気です。

特効薬はございませんので、日米で承認されているような安全性と効果の高いワクチンで予防することが一番です。

(中略)こびナビでは、SNSやClubhouse、ウェビナーなど、さまざまな方面から情報をお届けしておりますのでぜひご利用ください。

パンデミックを終わらせるため、命を守るため、子どもたちの健全な成長のため、皆さんの生活を取り戻すため、ご支援をよろしくお願いします」(感染症を専門とする小児科医 池田早希さん)

医療従事者によるワクチン接種の体験談

わかりやすくまとめられている「こびナビ」の最新情報の中でも、特筆はワクチン接種の体験談です。

ワクチン接種の体験談は執筆時点(3月12日)で28件。アメリカが多いのですが、中国やドイツからの体験談も寄せられています。

大部分は医療従事者で、ワクチンの種類、副作用や日常生活への影響などが簡潔に読みやすくまとめられているので、読んでおくと自分がワクチン接種をする時に参考になりそうです。

ワクチン接種動画も参考に

Video:「こびナビ」YouTubeチャンネル

また、「こびナビ」YouTubeチャンネルでは、よくある質問に答えた動画もあります。その1本目「mRNAワクチンの基本」では、11分53秒からアナフィラキシーについて取り上げられています。

動画の公開は1カ月ほど前の2021年2月12日なのですが、アナフィラキシーの症状と対応策、ワクチン接種に気をつけた方がいいかもしれない人などについて説明されているのは参考になります。

Video:「こびナビ」YouTubeチャンネル

また、妊娠中にボストンで接種を受けたハーバード大学医学部の内田舞先生の体験談動画もあります。医師であり妊婦である内田先生が、ワクチン接種をすることのリスクやメリット、接種を決めた経緯について語っています。

情報弱者のためのクラウドファンディングも進行中

こびナビでは、デジタルでの情報発信だけではなく、ウェブサイトへのアクセスがない高齢者などのいわゆる情報弱者の人たちにも正しい情報を届ける活動も行なっています。

「#こびナビ:コロナワクチンの正確な情報で元の世界を取り戻したい」というプロジェクト名で、情報弱者向けの紙媒体の資料、クリニックで使用できる教材などを提供するためにREADYFORにてクラウドファンディングが進行中です(支援締め切りは3月31日午後11時)。

このような形式での情報提供も社会としてパンデミックに対処するには欠かせません。

医師による一般向けのオンライン勉強会も

さて、前述の池田先生ですが、アメリカでも精力的に情報発信を行なっています。その1つが、昨年4月から始まったヒューストンの「新型コロナウイルス感染症オンライン勉強会」です。

ワクチン接種に焦点をあてた第3回目の勉強会が、3月28日(日)アメリカ中部時間午後2〜3時(日本時間3月29日午前4〜5時)に行なわれます。この勉強会も、ワクチン接種についての最新情報が現場の医師から得られるチャンス。

日本語で行なわれ、YouTubeで参加できます。また後日に録画動画へのアクセスの提供も予定されています。詳細はヒューストン日本商工会のサイトで確認してください。

すべての活動は、この1年間医療現場で新型コロナウイルス感染症の脅威を目の当たりにしてきた医療従事者の方たちの尽力と熱意、そしてパンデミックを1日も早く収束させたいという切実な願いから。

わたしの住むアメリカでコロナ対策として自宅待機が指示されてから、ちょうど1年になります。1年前にはウイルスについての詳しい情報も少なく予防対策もまだ確立されておらず、恐怖心が先立っていましたが、今ではワクチンも完成し接種も始まりました。

日々少しずつ収束に向かっていて、それほど遠くない将来に世界中で終息宣言が出される日への希望を胸に、2年目も感染予防対策と信頼できる情報で自分にできることは引き続き実践していこうと思っています。

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Source: こびナビ, 厚生労働省, ReadyFor, ヒューストン日本商工会, YouTube