ChatGPTに代表される生成AIが、一般向けにリリースされて1年が経とうとしている現在。いまだに多くの企業が開発に乗り出し、AIのニュースや活用法の話題は尽きません。
この1年、筆者はChatGPTの活用の可能性を少しずつ探ってきました。今回は、そんな私の試みの中からうまくいった使い方や課題を紹介しつつ、ChatGPTでビジネスがこれからどのように変わっていくのかも考察していきます。
ChatGPTに頼んで良かった4つの仕事
現時点では、気軽に話せるアシスタントになってもらうのが、一番ハードルが低い使い方です。いくつか例をあげてみましょう。
1. タスクの確認・アドバイス
今日の予定や仕事の内容をChatGPTに相談して助言をもらう使い方です。
音声入力で伝えるとより手軽に使えます。当たり前のように感じる回答が多いのは事実ですが、準備の漏れや作業を効率的に行なうヒントを得られます。
2. アイデア出し
ChatGPTの良いところは、平均的な答えを瞬時に提案してくれることです。
一般的に予想されるアイデアはあらかじめChatGPTから出してもらって、そこからChatGPTと対話しながら深掘り。このフローが、自分ならではのアイデアを生み出すきっかけになります。
何度もやりとりを重ねることで、一人で考えるよりも深く思考できたと感じることも。
3. 誤字・脱字チェック
修正箇所を提示しながら、資料や原稿などのまとまった文章の誤字・脱字を修正してくれます。
そればかりか、よりわかりやすい表現に直してくれたこともありました。
ただ、Microsoft WordやGoogleドキュメントにも校正機能がありますし、やはり表記の統一などについては本人で確認すべきかな、と思います。
4. 要約
音声入力を活用し、あるテーマについてひたすら話します。するとチャットGPTが要約してくれるので、1から文章を自分で書き残すよりも格段に楽です。
スピーチの原稿や、会議で話す内容のメモとして活用できるでしょう。
「AIに任せれば全部OK!」ということはない
使い勝手のいいChatGPTですが、一番気をつけないといけないことは、ハルシネーション(事実に基づいていない情報を提示してくること)が起きることです。
たとえば、ウェブで検索する感覚でわからないことを聞くと、瞬時に「それらしい答え」の文章を生成してくれますが、中にはあからさまな誤情報が並んでいることも。
また、文書作成で活用する場合、意図や目的にそった文章が完璧に生成されることは、期待しない方がいいでしょう。
筆者が試した中で一番頭を悩ませたのは、文字数の指定です。「2000字程度でまとめてください」とお願いしても1200字くらいにしかならなかったり、「もう少しボリュームを持たせてください」と指示しても大して変わらなかったりします。
このようなやりとりを何度も行なうくらいなら、自分で書いた方が早いこともあるので、叩き台として活用するくらいがちょうどいいでしょう。
また、ChatGPTを英語学習に活用するのはとても効果的だと感じましたが、習慣にはできませんでした。たとえChatGPTが便利であっても、最終的には自力で学習を継続していかなければなりません。ChatGPTからユーザーに働きかけることはありませんから(それでもいまだに、オンライン英会話の前後にはChatGPTを活用しています)。