生産性向上のためのスキルは、人生やキャリアにおいて必要不可欠ですが、達成感を得たり、幸福感を高めたりする上でも重要です。
すべての仕事をやり遂げられないと、焦燥感にかられたり、自分に失望したりしがちです。
しかしそれでは、仕事をやり遂げるために自分の背中を押すどころか、自分が成長していると感じることもできません。
人間は幸福感を感じると同時に生産的でなければなりません。
禅の境地に達することで、その両方を達成することができるのです。「Zen to Done」メソッドの背景にある理論は、より多くのことを成し遂げ、そのおかげで気分も良くなることを目指しています。
「Zen to Done」とは?
「Zen to Done」は、「Zen Habits」のLeo Babautaさんが考案した生産性向上システムです。
シンプルな習慣を身につけることで、仕事がはかどり、同時に気分も良くなるように構成されています。
いっとき大流行した「Getting Things Done」システムのような生産性向上メソッドとは異なり、一度にすべての新しい習慣を身につけて、まったく新しいライフスタイルをすぐに実践することを期待していません。
むしろ、少しずつ、そして穏やかに新しい習慣を身につけることに重点を置いています。
習慣の変更は連続的に行なわれますが、1度に1つずつ行なわれるので、実際にやるべき仕事に集中することができます。
ZTDのオリジナル版では10の習慣がありますが、一度に取り入れるのは2~3個にしておき、うまくいったらほかの習慣に移るようにしましょう。
1. 収集:やるべきこと、頭の中にあるアイデア、タスクやプロジェクトの変更点などを常にメモして収集する。
2. 処理:すぐに溜まってしまいそうなメールなど、今目の前にあるタスクをすばやく決断して処理する。
3. 計画:毎週月曜日に1週間の目標を立て、週のはじめに大きな仕事に取り組む。
4. 実行:タスクを選び集中する。ほかのことを考えたりしたりしないこと。
5.シンプルで信頼できるシステムの作成:たとえば、毎日同じ時間に特定の仕事をしたり、4DsのようなEメールシステムを一貫して利用する。
6.整理:すべてのものの場所を決めて、毎回そこに置くことで整理整頓する。メールや机の上の道具など、自分の心や空間を散らかしているものすべてに適用すること。
7.見直し:週次目標を週明けに見直すだけでなく、長期的な四半期目標や年間目標も常にチェックする。
8.単純化:見直しの時間を使って、目標やタスクをその時点でもっとも必要なものだけに絞り込み、単純化する。
9.ルーティン化:朝の静かなルーティンや、夜の体系的なルーティンなど、自分に合ったルーティンを作り、それを必ず守る。
10.情熱(好きなこと)の探求:情熱を注げられるような好きなことを見つけ、それが仕事の指針になるようにする(これが、ZTDがほかの生産性向上メソッドと異なる点です。自分がなぜここまでがんばっているのか思い出したり、プロジェクトが本当にそれだけの価値があるものなのかチェックしたりするために、自分が大切にしていることを常に中心に置いておくように努める必要があります)。
まずは「ミニマリストZTD」からはじめる
1度に1つの習慣からはじめることになっているにも関わらず、何もかも大変なことのように聞こえますし、実際に大変です。
ですから、一歩下がって考えてみましょう。
Babautaさんは、最初の4つ(収集、処理、計画、実行)を「ミニマリストZTD」プログラムの中核と考え、どれか1つを選び、30日間それに集中することを推奨しています。
1カ月後には、そのアプローチを仕事に使う習慣が身につき、残りの3つのうちの1つに移ることができます。そして、この4つの大きな習慣がしっかりと根付いたら、残りの6つの項目に1つずつ取り組んでいきましょう。
Source:zenhabits