ブラウザ上で仲間と同時にデザイン制作できるツール「Figma」と、チームで自在に使えるオンラインホワイトボード「FigJam」。
これまで主にデザインの分野で使われてきたため「Figma=デザイン」というイメージがあるかもしれません。ですがFigma/FigJamはデザインの枠にとらわれない、幅広い活用が可能なツールなのです。
そこで今回の特集では、Figma/FigJamをビジネスで使いこなすコツについて、Figma Japan株式会社 デザイナーアドボケートの谷 拓樹(たに ひろき)さん、コーリー・リー(Corey Lee)さんにお聞きしました。
谷 拓樹さん
Figma Japan株式会社 デザイナーアドボケート。事業会社、フリーランス、起業やスタートアップでのデザイン・開発を経験し、現在はFigmaのマーケティングやリソースの設計・開発に取り組んでいる。
コーリー・リーさん
アメリカ、カリフォルニア州出身。2010年に来日後プロダクトデザイナーとして活動開始。 大手からスタートアップ企業まで幅広く在籍し、プロダクトデザイン、サービス設計、DesignOpsに従事。 2017年度グッドデザイン賞を受賞。2018年に独立し新規事業の立ち上げやリブランディングを成功に導く。2022年にFigmaのDesigner Advocateに就任。
【今日のワークハックはこんな人におすすめ!】
- Figma/FigJamに興味があるけど、まだ使ったことがない人
- デザイナーではないけれど、Figma/FigJamを使ってみたい人
デザイナー以外にも広く使われるツール
Figmaでは、デザインプラットフォームの「Figma」と、オンラインホワイトボードの「FigJam」の2種類のツールを提供しており、どちらも無料で使いはじめることができます。
Figma

Figmaは、UIデザインのデザイナーなどに広く使われるツール。キャンバス上でデザインをつくれるだけでなく、ほかの人と同時に作業したり、アイデアやフィードバックを書き込んだりと、コラボレーションしながら形にしていくことができます。
そのほかにも、スライド形式のプレゼンテーションなども作成可能。
FigJam

一方のFigJamは、ほぼ無限のキャンバス上に図形やふせん、テキストなどを配置することで、アイデアを練ったり、チームでブレインストーミングを行なったりする時に役立つツール。
Figmaは具体的な形をつくり込んでいくのに向いていますが、FigJamはその前段階、アイデアを整理し、まとめていくのに向いています。
Figma/FigJamというと、UIデザイン向けの印象を持っている方が多いかもしれませんが、デザイナー以外にもプロダクトマネージャーやエンジニアなどにも広く使われています。(谷さん)
FigmaとFigJamを合わせれば、幅広い業務領域がカバー可能。「まずFigJamでアイデアを整理し、Figmaで形にする」というのが大まかな使い分けになります。
特にFigJamは、多様な業種で活用できる汎用性の高いツールなので、ひとまずこちらから触ってみるのがおすすめ。
まずはそんなFigJamから特徴を見ていきましょう。
FigJamはアイデア出しに最適
FigJamは、いわば1つの巨大なホワイトボード。
そのインターフェースには、ふせんやマーカー、図形描画、テキスト入力などに加えて、ステッカーやスタンプを追加できるツールなどが並んでいます。

アイデア出しなどをするときに、FigJamなら自由にふせんを並べたり、そこにテキストを書き込んだりなど、アナログツールに近い感覚で作業できます。
そのうえ、気軽に何度でも貼り直して並べ替えたり、文字を消して書き直したりできるので、実際に紙とペンを使ってまとめていくよりも簡単かつ効率的に、頭の中を整理できます。(谷さん)
そのほかに、ふせんを使ってタスク管理をしたり、図形と矢印を組み合わせてフローチャートを作成したりと、幅広い用途で使うことが可能です。
Figmaは構造的なレイアウトが得意
一方のFigmaは、構造的なデザインやレイアウトをつくる場合に適したツール。
サイズを指定した「フレーム」を引き、そこにデザインなどを作成していくことができます。

ビジネスパーソンであれば、一般的なプレゼンテーションスライドのサイズである16:9サイズのフレームを複数つくり、そこにスライドの各ページのコンテンツを作成するといった使い方が可能です。

FigJamがざっくりとしたアイデア出しに向いたツールであるのに対して、Figmaは細かい部分まで詰めてデザインをつくりたい場合に強みを発揮します。
その違いを生かし、両者を連携して使うこともできるとのこと。
たとえばプレゼンテーションをつくる場合なら、最初にFigjamでアイデアを練って、その情報を元にFigmaを使ってプレゼンテーションをつくるのがおすすめです。
いきなりスライドをつくりはじめるよりスムーズに作成できるでしょう。(谷さん)
このように、デザイン以外にもアイデア出しやプレゼンテーション作成にも役立つのが、Figma/FigJam。
では具体的にビジネスパーソンはどのようにFigma/FigJamを使っていけばいいのでしょうか? 次回から具体的な活用方法についてお聞きしていきます。お楽しみに!
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