2018年12月26日公開記事を再編集の上、再掲載したものです。

こんにちは。習慣化コンサルタントの古川武士です。

ストレスを上手に処理できる人とできない人の違いの1つに、気持ちの切り替えの早さにあります。

そこで今回は、気持ちの切り替えが遅い人の悪習慣とその対策について4つの切り口から解説します。

1. 自分を0点か100点で判断しない

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私が13年間コーチングをしていて感じる、一番ストレスを抱えやすい思考傾向は、白黒思考です。

物事がうまくできた、ダメだったを白か黒かで考える人は、落ち込みから立ち直りが遅い傾向にあります。なぜなら、どんなにがんばっても100点はないからです。そして100点でなければ、自分にダメ出しをするからです。

自然に自分の思考パターンで行なっているわけですが、もし人とのコミュニケーションに置き換えたら、いかに辛いかわかります。

たとえば、親子の会話。子どもが「今日は1人でおしっこができるようになったよ!」と報告したときに、親が「でもパンツが濡れているじゃないか!」とダメ出しするようなものです。

親なら、まずできたことを褒めるべきではないでしょうか。その上で、次はさらにこうすればいいと伝えると、子どもは改善しようとします。上司と部下の関係も同じで、毎日ダメ出しされ続けたら部下はやる気をなくします。

しかし、自分に対しては平気で同じことをやってしまうのです。厳しくすればするほど成長する、厳しくしなければ甘えてしまうという思考パターンでは自分自身が疲弊してしまいます。

最先端の心理学NLP(神経言語プログラミング)では「失敗はない、ただ経験があるだけ」という言い方をします。まさにその通りで、よかったことを続けて、ダメだったことを改善する。

そうやって経験を仕分けして上手に振り返ることができる人が、気持ちを立て直しやすいのです。

特に挑戦し続ける、試行錯誤を続けなければいけないフェーズにおいて100点を求める思考は無用なストレスと挑戦・試行錯誤の妨げとなるので注意が必要です。

2. 過去の失敗、後悔から抜け出す

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私たちはいつも、頭で何かしら考えています。しかし、それを計画やアイデアなど今後のために使うのか、ダメだったことへの後悔にエネルギーを使うのかで未来は変わります。

他人と過去は変えられない、自分と未来は変えられる」という、カナダ出身の精神科医であるエリック・バーン氏の名言があります。まさに「終わったことは仕方がない」と受け入れることができる人は、気持ちが切り替えやすいのです。

終わった過去に執着しても新しい未来はつくられません。これから起こる未来にどう繋げるかという未来志向、改善に思考が向かうとポジティブになります。

対策としては、1つの経験から良かったこと、ダメだったことを踏まえて、次にどうするかを整理してみてください。未来に向けて行動する切り口が見つかると私たちは失敗した後悔から抜け出すことができます。

3. 人に相談してみる

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1人で考えていると考えは堂々巡りすることがあります。

そんなとき、他人の視点や発想をもらうと落ち込んだ感情から抜け出しやすいものです。

気持ちを切り替えられないときは、誰かに話を聞いてもらったり、共感したその人の失敗体験を聞くだけで気が楽になったりするものです。

一方向の物の捉え方、考え方から脱却するためには、人に相談するというアプローチは有効です。また、ただ話すだけでも頭が整理され、気持ちが晴れていきます。

4. 自分と相手の違いを理解する

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ストレスの8割は人間関係とも言われます。人間関係のすれ違いは、自分と相手とのズレが生じた時です。

「なんであの人の言い方には思いやりがないんだろう」「あの人は細かいことばかりにこだわるんだろう」と批判しがちです。

しかし、問題の本質は、自分とは違うものの考え方、価値観、性格タイプがあるということに思いがいかないからです。

男女のすれ違いも同じで、男性と女性は考え方、感じ方が違います。違いを尊重する、違いを認識して多様性を理解するだけで楽になります。

コミュニケーションの方法の違いから、話は極力手短に聞けたほうが快適な人もいれば、長くても論理的に正確に聞きたい人もいます。

温かい感情のやりとりを楽しむ人もいれば、楽しさを重視する人もいます。自分と他人は違う。多様性を理解するだけでストレスはぐっと減少するはずです。

気持ちの切り替えがうまくできていないと思う人は、4つの悪習慣を新習慣に変えて、余計なストレスを解消してみましょう。

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古川武士(ふるかわ たけし)/習慣化コンサルタント

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約3万人のビジネスパーソンの育成と約500人の個人コンサルティングの現場から「続ける習慣」が最も重要なテーマと考え、オリジナルの習慣化理論・技術をもとに個人向けコンサルティング、習慣化講座、企業への行動定着支援を行っている。

「続ける習慣」「やめる習慣」など著書は全17冊、計70万部を超え、中国・韓国・台湾など海外でも広く翻訳され読まれている。

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