9月21日(現地時間)にMicrosoftのイベントが行なわれ、以前から導入が予告されていたMicrosoftの生成AIサービス「Microsoft 365」と「Windows Copilot」の正式リリースが発表されました。

これらの新しいAIツールによって日々の仕事や働き方、私たちのAIとのつきあい方がどう変わるのかを考えてみました。

有能な秘書「Microsoft 365 Chat」が登場

今回正式リリースが発表された「Microsoft 365 Copilot」は、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、TeamsといったおなじみのMicrosoft Officeアプリケーションで生成AIによる作業支援機能が利用できるようになるもの。

たとえば、Outlookで一連のメールのやりとりを要約したり、Wordでテキストから簡単に表組を作成したり、Excelで「値が1000未満のセルをすべて赤にする」といった指示で情報を抽出したりすることが可能になるとされています。

Screenshot: 酒井麻里子 via Microsoft
Screenshot: 酒井麻里子 via Microsoft

これらの機能単体でもかなりの効率化が見込めそうですが、さらに期待したいのが、今回詳細が明らかになった「Microsoft 365 Chat」です。

これは、メールや会議予定、ドキュメントといった、自分や所属するチームの仕事のデータおよびWebの情報を横断的に調べ、チャットで質問するだけでさまざまなタスクをこなせるというもの。

公開されたデモでは、プロジェクトの進捗を尋ねることで、メールやチャットの履歴、会議の記録、文書ファイルなど複数のデータから必要な情報を抽出して回答される様子が公開されました。

Screenshot: 酒井麻里子 via Microsoft
Screenshot: 酒井麻里子 via Microsoft

これまでのBing ChatやChatGPTなどの場合、自分が持っている情報に対して何かしらの処理をしたければ、自分でAIにその情報を渡したうえで指示を行なう必要がありました。

自分の情報をひととおり把握しているコパイロットに質問できるようになるのは、まさに「自分専用の秘書」という印象。「困ったときはコパイロットに聞く」ことが当たり前になっていくかもしれません。

「どのデータをAIに渡せば適切な回答が得られるのか」を考えることなく指示を出せるので、これまで生成AIをうまく使いこなせずにいた人にとっても恩恵が大きいものとなるのではないでしょうか。

Microsoft 365 Chatは、11月1日から企業ユーザーを対象に提供が開始されるとのこと。すぐにすべてのOfficeユーザーが使えるようになるわけではなさそうですが、今後利用対象が広がればかなりの恩恵を受けられそうです。

次のページ>>
Windowsのデスクトップに「 Copilot」がいよいよ登場
12