新しいiPhone 15が、販売開始されています。
すでにiPhone15もしくはiPhone15 Proを購入した人はもちろん、今回は見送る人含めて、iPhoneを取り巻く動向に注目してみると、時代の変化に気付けるかもしれません。
そこで、USB-Cの導入の背景やアメリカでは使えなくなった物理SIMなど、iPhoneを通してAppleが置かれている状況を見ていきましょう。
USB-C導入の背景には環境負荷が影響している?
iPhoneがついにUSB-Cを採用したと聞いたとき、「やっと変わった」と思ったiPhoneユーザーの方は多かったのではないでしょうか。それにしてもなぜこのタイミングなのでしょう。
USB-C導入の背景には、環境に配慮したEUでの「モバイル機器へのUSB-C対応を義務化する」法案の可決があるようです(猶予期間を経て、2024年末までにEU内で発売される製品へのUSB-C対応が義務化される。2026年春以降はノートパソコンも対象になる)。一方で「すでにユーザーが所有しているLightningケーブルを破棄するほうが、環境負荷につながるのではないか」という意見もあるようです。
また、Appleの公式サイトによれば、バッテリーには100%再生コバルトが、USB-Cコネクタには100%再生金が使用されています。
新しいiPhoneの登場は、技術的進化や機能の追加だけではなく、環境負荷への対策という新しい側面もあることがわかります。
USB-Cは撮影機能の向上も後押し
USB-Cへ切り替わったことで、iPhoneの撮影機能にも変化が見られました。
iPhone15 Pro では、USB-Cの採用により、外部へのデータが最大20倍早く転送できるようになりました。
しかも、ProResビデオを、USB-Cで繋いでいる外部ストレージに直接録画することも可能になりました。大容量のデータを頻繁に取り扱うユーザーにとって非常に便利な機能となるでしょう。
また、0.5倍の超広角マクロから、120mmレンズを使った5倍光学ズームまで撮影できるようになりました。屋外の撮影で大活躍しそうです。
カメラの性能については、iPhone15、iPhone15 Pro ともに4800万画素のカメラが搭載されました。ちなみにiPhone14では1200万画素の仕様なので、撮影した画像の鮮やかさは格段にアップしています。
iPhone15 Proの値段は159,800円(税込)からですが、ユーザーの使用範囲によっては、撮影機材を揃えずにiPhone15 ProのみでVlogの投稿に活用できるかもしれません。
気になるSIMの動向、アメリカでは物理SIMは使えない
米国では、iPhone 14からeSIM専用モデルとして発売されており、物理SIMカードを挿入することはできません。今後、他の国々でも、将来的にeSIMのみを採用する動きが見られます。
ちなみに、日本で発売されたiPhone15、iPhone15 Proはまだ物理SIMの差し込みに対応しています。
気になるのは中国の動向です。中国でも、iPhone15、iPhone15 Proは、物理SIMカードを使用するiPhoneが販売されていますが、Appleの公式サイトによれば、eSIMの提供予定はないとのことです。
今後、仮に多くのスマートフォンがeSIMのみのモデルへ移行した場合、中国に限らず渡航先の通信状況のリサーチや、eSIMでのプリベイド通信プランの事前設定が必須になるかもしれません。今はその過渡期かもしれませんね。
世界情勢の影響で価格は上がっている
また、気になる価格ですが、iPhone 15シリーズの米国での価格は従来と変わっていません。最も安い「iPhone 15」の128GBモデルは799ドル(税抜き)です。しかし、日本での販売価格は12万4800円となり、iPhone14発売時よりも5000円の値上がりとなりました。
これは、日本円に換算する際のレートの変動が大きな原因です。円安が続いて久しいですが、この変動が、直接的なコストアップをもたらしています。
世界初のスマートフォンとして登場したiPhoneのアップグレードは、時代の流れや世界情勢を反映してきたと言えるでしょう。私たちの生活と切っても切り離せなくなったスマートフォン市場の動向を、これからもApple製品のニュースから垣間見ることができるはずです。