リーダーシップは、職場の雰囲気や協調性に大きな影響を及ぼします。

上司やマネージャーは、従業員の仕事に対するモチベーション、同僚との関係、総合的な幸福感に影響を与えます。ですから、ダメな上司は生産性を低下させ、特にこの「大退職時代」には、従業員を退職させてしまいます

ここでは、有害な職場環境をつくり出す上司の行動をいくつかご紹介します。

知っていると、部下の立場で自分が上司の行動から害を受けていたら、それを認識できますし、上司の立場で部下を監督する際にこのような良くない行動をしないようにできます。

1. 手柄を独り占めして責任を転嫁する

キャリアの早い段階で注目されるためには、自分自身に注目を集め、自分がしてきた良いことを他人に知ってもらう必要があります。

しかし、昇進して部下を監督するようになると、計算の仕方が変わってきます。リーダーは、チームの中で最も目立つ存在なので、チームが成功するとリーダーは過分な評価を受けることになります。

そのため、プロジェクトの成功に貢献したすべての人と手柄を分かち合うことが重要です。役割を果たしたすべての人に感謝の気持ちを伝えるようにしましょう

逆に、物事がうまくいかないときは、リーダーが責任を負うことも重要です。たとえチームメンバーが失敗しても、全員の準備を確実に整え、プロジェクトの状況を確認し、不手際に対処するのがリーダーの役目です。

ですから、リーダーは、グループ内でうまくいかないことがあっても、部下が責めを負わないように盾になることも必要です。

残念ながら、このアドバイスに従わないリーダーのタイプが2つ存在します。経験が浅いリーダーは、成功の手柄を分かち合ったり失敗の責任を取ったりするのを嫌がります

さらに悪いことに、自己愛の強い上司は、手柄を分かち合うことも責任を取ることもほとんどありません。このような上司がいると、チームは不満を抱き、モチベーションを失ってしまいます

あるプロジェクトで一生懸命働いても、自分以外の人間が手柄を独り占めしているのを見たら、次のプロジェクトを完成させるために必死に働く意欲はなくなるでしょう。

また、グループの取り組みが失敗した際に責任を負わされると、頑張ろうとする意欲がますますなくなります。

2. 何が起こるか予測しにくい環境にしてチームを不安にする

脳は予測エンジンのようなものです。学んだことの多くは、次に何が起こるか察知する助けになるので役立ちます。

最も不安を生み出す環境は、不確実性の高い環境です。次に何が起こるかわからないと、何か悪いことが起こるかもしれないので、警戒しなければなりません。

優れた上司は、チームが状況を予測しやすい環境をつくります。期待値を明確に伝え、その期待値を満たした人や超えた人に報酬を与えます

気まぐれにミッションの変更をしたりしません。人事の変更については、できるだけ早く伝えます。

パンデミックのような不安定な時期には、できる限り多くの情報を提供します。上司自身が次に何が起こるか正確にわからないときは、それを正直に認めます。

上司はこのような安定した環境をなかなか提供できません。多くの上司は知識は力と考え、必要な情報だけを与えます

気まぐれにゴールポストを動かしたり、新しいプロジェクトに心が引かれたりして、相談もなく部下たちの焦点を変えてしまいます。解雇されそうな人の情報を隠しているので、部下たちは職の安定性に関して不安を感じます

この種の不確実性は、チームに大きな不安をもたらすでしょう。

不安とは、避けたい災難が起こる可能性があることを反映した感情です。不安を抱えたチームは、仕事を完全に避けたり、取るに足りない小さな作業に集中することで、その不安に対処します。

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