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『緊張しても「うまく話せる人」と「話せない人」の習慣』(丸山久美子 著、明日香出版社)の著者は、18歳でイベント業界に入り、MCやプレゼンター、司会業などさまざまな場所で「話す」仕事を経験し、現在は話し方講師としても活動しているという人物。
いかにも話すことが得意そうに思えますが、意外や現在も昔と同様に“緊張しい”なのだとか。そのため緊張を克服しようと努力を重ねてきたそうですが、過去にはストレスを抱えて体調を崩してしまったこともあったようです。
それどころか心を病んだ時期すらあったといいますが、それでも諦めきれず、その結果として行き着いたのが「私は私なりに緊張と向き合ってみよう」という思い。緊張を克服できないのなら、緊張と戦うのではなく、ゆっくり時間をかけて受け入れればいいと考えたわけです。
緊張した状態で話すには、何をどうすればいいのか?
体に負担がかからないよう気をつけながら、少しずつ人前に出て、話して、コツコツと模索していきました。
何年もの月日がかかってしまいましたが、今では信じられないくらい話せるようになりました。(「はじめに」より)
そして、そんななかから身につけた「緊張してもうまく話せる方法」を、かつての自分と同じような悩みを抱える方々に伝えようと講演活動を始め、話し方を教える会社も設立。多くの反響があったそうですが、重要なポイントは「緊張を受け入れて、緊張してもうまく話せる方法」を試してみることであるようです。
そうした著者なりのメソッドが詰め込まれた本書のなかから、きょうはビジネスにも活用できそうな第5章「話す技術編」に注目してみたいと思います。
緊張してうまく話せる人が使うことば、うまく話せない人がよく使うことば
著者によれば、緊張しやすい人がよく使う2つのことばがあるのだそうです。
まず1つ目は、理由と結論をセットで伝える際に使う「ので」。
「AなのでB」「緊張しいなので人前で話すのが苦手」など、「ので」を使った場合は、結論をいうのがルールになってくるわけです。
2つ目は、異なる意味を伝えるときに使う「けど」。
「AだけどB」「焼肉が好きだけどお寿司も好き」など、「けど」を使うと異なる内容を口に出すことがルールになるということ。
ただし、だからといって「ので」「けど」さえ使えばいいというわけではありません。
「私は、もともと緊張しいな性格なので人前で話すのが苦手なんですけど、うまく話せるようになりたいので話し方の勉強をしたいんですけど……えっと……よろしくお願いします」(193ページより)
というように、「ので」「けど」を乱用してしまうと、話がややこしくなってしまうからです。そこで大切なのは「ので」「けど」の他に「です」「ます」をも使うこと。たとえば上記のわかりにくい自己紹介も、
「私は、もともと緊張しいな性格なので、人前で話すのが苦手です。でも、うまく話せるようになりたいので話し方の勉強をしたいと思っています。よろしくお願いします」(194ページより)
とすれば、すっきりまとまります。
とはいえ緊張するシーンでいきなりことばの使い方を変えるのは難しいので、まずは緊張を感じない日常のシーンで訓練していくといいようです。
上司や部下と仕事で会話するときや、同僚とランチへ行ったとき、仕事だけでなくプライベートでも家族や恋人、友人と話すときにやってみてください。
「ので」「けど」だけではなく、「です」「ます」も使って話すようにするのです。(195ページより)
日常で訓練をして「です」「ます」で話せるようになれば、緊張したシーンでもうまく使える確率が上がるそうです。(192ページより)
緊張してもうまく話せる人は意図的に間を使い、話せない人は間に怯える
よくいわれることですが、自信がない人ほど“無言の時間”を嫌うもの。自分からの説明が終わったあと、お客様がことばを発してくれなかったとしたら、「自分の説明がわかりにくかったのかな?」と不安を感じてしまったりするのでしょう。自信がないとつい焦り、挽回しようと話し続けてしまうのです。
あるいは、沈黙が続くと自分から話を切り出すのが怖くなり、なにも話せなくなるという方もいるかもしれません。いずれにしても、“無言の間”を恐れてしまうからそうなるということ。
一方、売れる営業は、あえて間をつくるもの。たとえば「以上がプランの内容です。いかがですか?」と問いかけたら黙り、お客様が話し始めるまで無言で待つのです。これは、お客様が考えるためには間が必要だとわかっているから。考えてもらうために、意図的に間をつくっているということです。
間の必要性を重々感じているという著者も、間をよく使っているのだといいます。ただし緊張しながら話すと、不安で間が取れなくなることもあるため、絶対に間がつくれるように、あらかじめ準備をしておくことが多いようです。
例えば、司会をするときは、台本にあえて真っ白な空欄を作っておきます。
息を吸うほどの間であれば、3行空白を作ります。
もう少し長い時間の間がほしい場合は、あえてページの残り部分を空欄にして、その先のセリフは次のページから書き始めます。ページをめくるという動作が必要になるので、その間に自然と無言の時間が作れるのです。(中略)
深呼吸も効果的です。
プレゼンなどで、話が一区切りついたところで間がほしいときは、あえて深呼吸をします。
息を吸って吐く間は話せないので、無言の時間が作れます。(206、207ページより)
間を活用できる人は、必要性を理解したうえで意図的に使っているのだと著者はいいます。したがって、聞き手が考えたいであろうタイミングや、ひと息ついて休憩したいタイミングなどでは、意図的に黙っておくことも大切であるようです。(204ページより)
考え方や話し方などについてのノウハウが、50の習慣としてまとめられた一冊。目次を見て気になる項目から読むこともできるので、緊張してしまいがちな方は参考にしてみてはいかがでしょうか?
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