筆者が「BeReal」というアプリを取り上げたのは、2022年春のこと。
選別された不自然なInstagramコンテンツのへのカウンターとして、ユーザーの日常をフィルターなしでリアルタイム共有できるという触れ込みでした。これが2022年春のトレンドだったのです。
ところが、カルチャーの振り子がその動きを止めることはなく、BeRealの時代はあえなく終わりを迎えました。
その代わりに登場したのが、「BeFake」。
これは、BeRealの真面目さをあざ笑うどころか、Instagramコンテンツさえ「自然」に見せるほど奇抜なアプリです。
リアルである必要はない。「BeFake」の思想
私は、デジタルトレンドの最前線にいると思いたいタイプです。なので、AppleのApp Store(日本では2023年9月6日現在、未配信)で「BeFake AI」を見つけたときには(Google Playはこちら)、まだダウンロードしていないアプリがあったことに落胆しながら説明書きを読みました。
説明書きには、こう書かれていました。
BeFakeでフェイクを楽しめるのに、なぜ本物になる必要があるのでしょうか?
正直に言うと、私たちは常に創造性を最大限に発揮できるわけではありませんし、すべての瞬間を共有する準備ができているとは限りません。
ですから、あなたの現実にAIを活用してください。
私はさっそくユーザーネームを作成し、連絡先へのアクセス許可もアプリに与えて、友だちが入ってこれるようにしました(私のデータプライバシーはとっくの昔になくなっているので、もはやどうでもいいのです)。
けれども、ワクワクしながら結果を待ったものの、私の連絡先の誰かがBeFakeに現れることはありませんでした。
そんなわけで、私はいま、デジタルトレンドの最前線にひとりで立っているわけです。
さっそく「BeFake」を使ってみた
BeFakeの使い方は、BeRealとほぼ同じです。
アプリから毎日ランダムな時刻に、写真撮影の時間が来たのでフロントカメラとバックカメラを同時に起動するよう言われます。
ただしBeRealと違って、いま自分がしていることを写真に収めるのではありません。
どんなことでもかまわないので、何らかのアイデアをひねり出しましょう。あとは、アプリに組み込まれているAIジェネレーターを使って、そのアイデアの主役になればいいのです。
とにかく、思う存分ハチャメチャに、クリエイティブな力を発揮してください。それがBeFakeなのです。