「いつかはカフェをオープンし、悠々自適に生活することが将来の夢」というように、コーヒー専門店やカフェを開業・経営することを理想とする人は少なくありません

しかし、実際にカフェを開業するためにはどれくらいの知識や資金が必要なのでしょうか。

都内で複数のコーヒー専門店の立ち上げに携わった経験から、カフェの開業・経営についてのノウハウをブログなどで発信する、焙煎士の市川ヒロトモさんに話を伺いました。

カフェを開くにはマーケティング力が必要

――はじめに、市川さんの現在の活動について教えてください。

最初は人材派遣会社のコンシェルジュとして、ごく一般的なサラリーマン生活を送っていました。

ただ、ある時「コーヒーに関わる仕事をしたい」と思うようになり、脱サラしてコーヒー専門店のチェーンで5年ほど修行をしたんです。

その後、知り合いのベンチャー企業に転職し、新規事業であるコーヒーショップの立ち上げに携わります。お店のテナント探しからスタッフ採用、商品開発まですべての工程を経験し、自家焙煎コーヒーのお店を4店舗立ち上げました。

現在はその企業は辞め、「プチFIRE生活」として、1年間のうちに日本全国と海外のコーヒー専門店を巡る旅に出ているところ。そして旅を通じて得た情報をブログやSNSで発信しながら、コーヒー専門店を新たに開業したい人へノウハウを提供し、サポートする活動を行なっています。

市川ヒロトモさん。大手コーヒー専門店チェーンで勤務した後、都内で自家焙煎コーヒー店を4店舗立ち上げる。現在はプチFIRE生活を送りつつ、カフェの開業や経営についてのノウハウを、ブログやYouTubeなどで発信。著書「ダブルワークからはじめるカフェ・コーヒーショップのつくり方」(ぱる出版)
市川ヒロトモさん。大手コーヒー専門店チェーンで勤務した後、都内で自家焙煎コーヒー店を4店舗立ち上げる。現在はプチFIRE生活を送りつつ、カフェの開業や経営についてのノウハウを、ブログやYouTubeなどで発信。著書「ダブルワークからはじめるカフェ・コーヒーショップのつくり方」(ぱる出版)

――新規でコーヒー専門店を開業する人は、やはり実店舗での修行が必要なのでしょうか。開業にあたって必要な技術や能力について教えてください。

必須ではないと思います。最近ではコーヒーメーカーの大手であるUCCが開催する「UCCコーヒーアカデミー」のようなスクールに通う人も多いですし、全国各地の自家焙煎店を支援する焙煎の講習なども増えました。

また、ネット上でもプロのバリスタがコーヒーの淹れ方をレクチャーする動画などはたくさん上がっています。独学でコーヒーにまつわる検定や資格の勉強をしながら、別の仕事をして開業資金を調達する人も少なくはありません。

ただ、技術と資金だけではコーヒー専門店やカフェを開業するのに不十分。見落とされがちな「マーケティング」の知識が重要だということは、声を大にして言いたい…

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Source/Image: はたわらワイド