職場でもっとも重要な人間関係は上司との関係です。
特に上司がほかの人の仕事の責任を負うような上下関係のある組織では、上司との関係こそが仕事の満足度を左右し得ます。
個人の仕事の質は確かに重要ですが、上司との関係の雰囲気を決めるのは「上司」の行動、そして振る舞い方なのです。
とはいえ、各メンバーの仕事への向き合い方や上司との接し方(または反応の仕方)も仕事に影響します。
様々なリーダーシップのスタイルに対応できる機敏さを含む、プロフェッショナルとしてのスキルセットを身につけることが、キャリアにおける成功への道筋をつけることになるのです。
上司がマイクロマネジメントを行なう人物である場合、柔軟性と適応性が特に重要です。
自律性や創造性を許し、サポートしてくれる上司の下で働くよりも、はるかに高いスキルとプロ意識が必要になります。
マイクロマネジメントをする上司はどこにでもいます。
まだその経験がない人は、今後のキャリアでそのような上司の下で働くことが、きっとあるでしょう。
そのような上司と効果的に仕事をするための戦略やテクニックを身につけると、今後の役に立ちます。
マイクロマネジメントは、人間としての欠点ではない
責任者がチームを率いる方法は「スタイル」と呼ばれ、本や記事によっては、15種類ものリーダーシップ・スタイルが記されていることがあります。
そのうちの1つとして常に挙げられているスタイルは「指示的で権威的」というもの。
このような責任者は、社員が自分で決断する余地をほとんど与えず、至近距離で仕事を監視し、詳細な進捗報告を求め、「責任者にはすべて答えがわかっている」という信念を抱いています。
これがマイクロマネジメントです。
良し悪しは別として、これはれっきとしたリーダーシップ・スタイルであり、この方法で昇進を果たすリーダーが多いため、正当化され今なお広く使われ続けています。
しかし本当にこれが、成果を出し職場の幸せを育むのに最適なスタイルでしょうか? そうではありません。
しかし、本質的に間違っているわけでもないのです。
このスタイルは、経験、価値観、知識、スキル、そして(ストレスのレベルを含む)仕事環境が凝縮したものです。
ですから、上司が締め切りの前に毎週メールでリマインダーを送ってきたり、メールのやり取りに口を挟んで些細なことを尋ねてきたりするのは、スタイルを合わせているのです。
それは人格上の欠点でも、必ずしもその上司が悪い責任者や悪い人間だというわけでもありません。
「上司はその環境の中で自らの経験、価値観、スキル、知識でベストを尽くしているのだ」と認識することで、感じる腹立たしさや苛立ちを抑えることができます。
一歩引いて「これが上司のスタイルなんだ。悪い人じゃないんだ」と自分に言い聞かせましょう。
それを受け入れることで、冷静さを保ち、一日を効果的かつ生産的に過ごすことができます。