社内であれ社外であれ、ビジネスにおいて「頼みごと」はつきもの。
では、どうすれば相手に断られずに快く承諾してもらうことができるのでしょうか?
本記事では、相手に不快な思いをさせることなく、イエスと言わせるためのコミュニケーション術のヒントを紹介します。
「受援力」を身につける
頼みごとがあまり得意でないという人は、「受援力」(助けを求めて、助けを受ける心構えやスキル)を鍛えましょう。
はじめの一歩は、「受援力」を発揮するための土壌をつくること。そのために、まわりの人をふだんから観察することからはじめてみましょう。
ふだんから相手のことを観察していれば、頼みやすい事柄やタイミングがわかってくるはずです。
「あの人はこんなことが得意なんだな」、「あの人は朝早くから仕事をして夕方は早めに帰りたいんだな。なにか頼むとしたら夕方4時までに声をかけよう」といった具合に、頼みたい相手と頼みやすいタイミングを身につけておくべきだということです。
▼記事を読む
言い回しを工夫する
もし頼みごとをした相手に「NO」や「そんなことには興味がない」などと言われた場合は、その次は「しかし~を考えて頂けませんか?」「~してみては頂けませんか?」と言ってお願いしてみましょう。
この種の言い回しを駆使すると相手の答えはポジティブなものになる可能性が高くなります。
このように相手の「何かをしようという意志」に訴えかけると、相手の好みでなく1人の人間としての人柄に焦点を合わせることになるのだそうです。
▼記事を読む
相手の「名前」を呼ぶ
頼みごとの種類や大小はそれぞれ。ケースによっては、初対面の人に依頼する機会もあり得ます。
そんな時に、人を説得するために、自分の印象を良くする方法の1つが、 相手の名前を呼ぶことです。
さっき名刺交換をしたばかりなのに名前を呼んで質問してくれるなど、「名前を呼ぶ」ということが人をうれしい気持ちにさせることは、多くの人が経験済みのはず。
質問や依頼をするときには相手の名前を入れてみましょう。
▼記事を読む
肯定的な雰囲気を作る
自分に有利な場の空気をつくる手段としておすすめなのが「イエスセット話法」というテクニック。
ポイントは、相手が絶対に「イエス」といってしまいそうな気軽な質問を数回行なうこと。すると、本命の提案に入る前の段階で、その場に「イエス」といいやすい肯定的な空気が生まれるというのです。
たとえば、社内でのデータの取り扱いにおいて非効率なルールがあり、そのルールにかかわる簡単な質問を出す際の質問を会議で出すとしましょう。
「データを探す時間って本当に無駄じゃないですか?」
→(相手の心の中:うん、確かにそうだよな)
「ちなみに、顧客データってすごく重要ですよね?」
→(相手の心の中:そりゃそうだ)
「それじゃあ、顧客データは一元化しませんか?」(本命の提案)
(『頭のいい人の対人関係』78ページより)
イエスセット話法はこのように、相手が確実に「イエス」といってしまう、納得や共感を得られるような質問を数回投げかけることがポイントなのです。
▼記事を読む
社内政治を理解し活用する
社内政治をポジティブな面で活用したい際に必要なスキルは以下の4つです。
- 社会的洞察力:他人が自分をどう見ているか、自分の行動が他人にどう影響するかを知っているということ。
- 対人関係における影響力:他人を理解することで、その人が何をどう考えるかに影響を与える説得力。
- ネットワーキング能力:幅広い多様な人たちと、双方にとって有益な関係を築くことのできる能力。
- 目に見える誠実さ:サポートしよう、信頼しようと思ってもらえるような、正直でオープンに見えるということ。重要なのは、正直で「いる」だけでは不十分で、正直な人だと他人に「信じてもらえる」ことが必要。
必要なスキルを把握したら、次はそれを実践することです。
一番簡単な出発点は、幅広い人たちと関係を築くこと。自分の部署内からはじめ、徐々に部署の壁を越えて広げていくといいでしょう。
▼記事を読む
こちらから頼みごとをする一方で、相手から頼まれごとをされる機会も多いはず。
そんな時、どういったアプローチであれば快く承諾することができるかを考えてみてください。
相手の立場になって考えてみると自ずと答えが見つかるかもしれません。