おひとりさま時間、楽しんでますか? 私は結婚して家族がいますが、1人で過ごす時間が大好きです。
「おひとりさま」という言葉が世に出てからしばらく経ちますが、生き方が多様化している現代では、様々な形で1人ならではの楽しみ方が増えてきているように感じます。
世界でも1人の時間を楽しみ始めている傾向
イギリスのBBCが発表した、様々な年齢55000人を対象にした孤独に関する大規模な調査結果によると、調査対象の約8割の人が「1人の時間が好き」と回答したそう。
また、The Guardianによれば、レストラン予約サイトから1人で予約が入った件数は、ここ5年間で160%の伸びをみせているとのこと。
「1人の時間」というと孤独・さみしい・かわいそう、などといったマイナスイメージがつきまといがちですが、意外とみんな1人の時間を楽しんで過ごしているようです。
メッセージアプリやSNSでいつでもどこでも誰とでも繋がれる今だからこそ、自分だけのとっておきな「おひとりさま時間」の過ごし方について考えてみましょう。
1人ぼっちとは違う、「あえて」のおひとりさま
「QUARTZ」によれば、このおひとりさまブームを1つの市場として捉えたときに、おひとりさまを対象としたサービスを展開する企業やコミュニティにはいくつか押さえておくべきポイントがあるのだそう。
まず大切な視点は、1人でいる時間をラグジュアリーなものと捉えるということ。
「1人ぼっち=寂しい・孤独」という考え方ではなく、「あえて1人の時間を贅沢に過ごす」と捉えることで、本当の意味での心の充実や満足感を得られる、価値あるおひとりさま時間になるというのです。
これ、わかる気がします。たとえば食事に出かけたとき。
1人で店に入ってただ食事をするのと、ちょっとだけ豪華な席やメニューが用意してあるおひとりさまプランを利用して食事をするのとでは、大きな違いを感じるかも。
これは1人での食事をみじめと感じるのではなく、自分へのご褒美として捉えているところに差があるのかもしれませんね。
自分で1人の時間を過ごすときにもこの感覚を持っていられると、心穏やかに、そしてリラックスした良いおひとりさま時間を過ごせそうです。
ひとり旅で得られるメリットはたくさんある

食事でおひとりさま体験を積んだ方に、個人的に強くおすすめしたいのは「ひとり旅」です。
私は元々海外旅行が大好きで、数年前までは基本的に夫や友人と一緒に旅に出ることがほとんどでした。
ところが、数年前に初めて1人で海外を訪れてからはすっかりこのソロ旅に魅了されています。
相手に気を使うことなく、自分のそのときの気分で計画を立てられる気楽さ(※)はもちろん、地元の人たちや他の国からの旅行者もこちらが1人だと話しかけやすいようで、どこにいても気さくに誰かが話しかけてきてくれました。
旅先で偶然出会い、半日ほど行動を共にした友人とは今でも連絡を取り合う仲です。
また、ひとり旅を通じて自分の新たな一面を発見できて自信がついたうえに、自分をより深く知ることで、自分自身との付き合い方が上手くなったように思います。
海外に限らず、国内旅行でも日帰り旅行でも良いんです。
誰のことも気にせず自由に気ままに。スマホもタブレットも電源はオフにして自分と向き合う時間は、なにより心地よい、至福のひとときですよ。
※ 現地で小耳にはさんだイベントに急遽足を運んでみたり、お気に入りのカフェを見つけて通りを眺めながら何時間もゆっくり過ごしたときもありました。
おひとりさま同士が繋がる心地良さ
とはいえ、いくらおひとりさま時間が好きでも、初めての参加する場に1人というのは少し心細く感じることはありませんか?
一緒に行く人が見つからず、かと言って1人で参加しても連れがいる人たちにはどう思われるだろう…なんてことをモヤモヤ考えたことがある人は少なくないはず。
でも、参加者全員がおひとりさまだったらどうでしょう。
みんな1人なので周りの視線を気にすることなく、お互い適度な距離感で、気負わずにその場を楽しめそうです。
「QUARTZ」では、おひとりさま同士をゆるく繋ぐ機会や場所を提供することも重要な視点だと述べています。
普段の繋がりからは少し距離を置きたい。でも1人だと少しさみしい。こんなふうに感じることってありますよね。
確かにそんなとき、おひとりさま同士の集いにはこんな絶妙な心の隙間を埋めてくれる安心感や気楽さがあるような気がします。
アプリを上手に活用しよう
最近では気軽にアプリを利用しておひとりさま同士が繋がることのできる場所やコミュニティが増えてきています。
「meet up(ミートアップ)」というアプリは様々なイベントやワークショップ、勉強会など、自分の興味や関心事に応じて仲間を見つけることができるプラットフォーム。
住んでいるエリアで簡単に検索できるので、自分の都合に合わせてふらっと参加することが可能です。
1人で参加するのは気が引ける…なんて心配は無用。参加者は基本全ておひとりさま!
おひとりさま活動を上手に楽しんでいる私の友人は、このアプリで土日にハイキングに参加したり、新しく習い始めた中国語で会話を楽しむ会に顔出しているそう。
とってもすてきなおひとりさま時間の過ごし方…!
また、食を通じてごはん仲間と出会えるアプリ「kitchi hike(キッチハイク)」もおすすめ(2019年10月執筆時点で東京近郊のみのサービス。2023年7月中旬の再編集時点では、地方の珍しい食材やグルメをお取り寄せできるサービスとなっています)。
気になるお店に食べ歩きに行きたい。でも友人と予定がなかなか合わない。料理をつくるのが好きで誰かに食べてもらいたい。
こうした食を通じた幅広い機会を提供しており、職場や友人以外の食仲間に出会うきっかけづくりの場として活用できそうです。
誰のためでもない、自分のための時間を
SNSによって昔よりも他人の情報が目につきやすくなった分、つい自分と人とを比べてしまうことが多くなりました。
SNSへの投稿のため、そして周りの誰かからの見え方を気にして時間を過ごすことに疲れてしまっていませんか?
誰のためでもない自分のためだけのとっておきな時間を過ごすことができれば、心も体もすっかり軽くなるはず。
ぜひ自分にぴったりなおひとりさまの過ごし方を見つけてみてくださいね。
――2019年10月11日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
執筆:saori
Source: BBC, The guardian, QUARTZ, meet up, kitchi hike