ほとんどの組織には、嫌な人がいます。他人の手柄を自分のものにしてしまう同僚や、部下を困らせて楽しんでいる上司、会議で出しゃばる知ったかぶり屋が含まれます。
嫌な人を雇うことについて、ビジネスリーダーにははっきりした選択肢があります。面接の一次選考で嫌な人を完全に排除して入れなくする文化をつくることもできますし、会社に意味のある貢献ができるなら嫌な人を大目に見てあげてもいいのです。
CEO達とのインタビューに基づいて、私は最初の選択肢を支持します。というのも、もっとも成功している会社というのは、協力して素晴らしい製品や優れたサービスを顧客に提供するよう社員に促しているからです。
仕事ができるからと嫌な人を会社が容認すると、周りの人たちは嫌な人がほかの社員に与える苦痛を最小限にとどめる方法を考えるのに、多くの時間を費やさなければなりません。
会社に嫌な人が入るのを許容するのは、私には悪い方針のように思われます。しかし、それは確かに起こることです。というのも、ビジネスリーダーは、採用した人が結果を出してくれることに関心があるのであって、同僚や顧客とどのように仕事をするかにはあまり関心がないことが多いからです。
嫌な人を雇うことの一番の問題点
嫌な人を雇ってしまうことの基本的な問題とは、意外な理由で指導がとても難しいことです。
ウォールストリートジャーナルによると、人は否定的フィードバックをすることを好みません。嫌な人に変えるべき行動を直接伝えるよりも(これを嫌な人は迷惑に思うことでしょう)、管理職や同僚は対立を避けるのです。
ウォールストリートジャーナルが書いているように、否定的フィードバックをすることは、極めてストレスに満ちたことと思われています。なのでその代わりに、引きつった表情に笑顔を浮かべ、心臓がドキドキさせながら前向きなフィードバックするのです。
嫌な人がひとたび社内に入り込んでしまったら、解決策は、誰かがフィードバックをくれるのを待つのではなく自分からフィードバックを求めるように嫌な人を促すこと。
これは素晴らしい解決策ではないかもしれません。というのも、嫌な人というのは他人が自分のことをどう思っているかについて真摯に考えないことが多いからです。
進んでフィードバックを求める人のために、以下にみんながもっとも迷惑に思う、3つの嫌な人の行動を書いてみます。
1. 公の場で同僚に恥をかかせる
公然と同僚に恥をかかせる人は特に嫌われます。
もっともダメなのは、他人から見て過剰反応で一方的とみなされる行動です。ウォールストリートジャーナルは、「うっとうしくて風変わりな同僚を全員向けのメールで非難する」人は例外なく嫌われると指摘しています。もう一つの例として挙げられているのは、「不潔と見られている同僚」に会社の休日パーティーでせっけんを渡すような人です。
同僚の悪い冗談に対して、一方的なコメントをするのほうがより嫌なこととみなされ、悪い冗談を言った人のほうが忘れられることが多い、とウォールストリートジャーナルは指摘しています。
2. 他人の要求を無視する
メールで依頼したのに返信がなかったという経験はありますか。この行動はありふれているけれども厄介だと思います。
別に、実のある返信がすぐに返ってくるとは期待していません。でも、受信者がメッセージを見たという確認と、返信をもらえるおよその時間を期待するのは正当なことだと思います。
建設的な返信がないと組織は停滞しますが、この場合、解決は比較的簡単です。
3. フィードバックを求めたくせに受け入れない
3つ目は、フィードバックを求めたくせに受け入れることができない人。
これは、特にフィードバックを行なった人にとって迷惑です。感情的・知的エネルギーの無駄になってしまうのですから。そのうえ、嫌な人はネガティブな行動を続けます。
フィードバックの受け手は、フィードバックを行なった人に対して行動で示すことで、フィードバックを聞いたことをみんなに明示しなければなりません。受け手は「否定的フィードバックに対して、純粋に、意欲的に行動を変える」べきである、とウォールストリートジャーナルでは述べています。
ととえば、同僚がもっと定期的に仕事の期限を守るように要求したら、「期限を守るために作業フローを微調整しました。これでうまくいくと良いのですが」というように言ってフィードバックを受け入れましょう。
こうすることで、もっと悪いタイプの嫌な人、すなわち偽善者になるのを避けることができます。
Source: The Wall Street Journal
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