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クラシック音楽は近づきがたいーー。そんなふうに感じていらっしゃる方もいらっしゃるのではないでしょうか? そこで『名曲の裏側: クラシック音楽家のヤバすぎる人生』(渋谷ゆう子 著、ポプラ新書)の著者は、周囲の人に“クラシック音楽の困りごと”を尋ねてみたのだそうです。そこで判明したのが、以下の5点。
1 どの曲も同じに聞こえる
2 曲が長すぎる
3 外国語の歌詞がわからない
4 曲名の数字や言葉が意味不明
5 新曲が出ない
(「はじめにーークラシック音楽を堅苦しく感じさせる5つの理由」より)
たしかにそうかもしれません。しかしその一方、大人になると「クラシックを聴いてみたいな」というタイミングがどこかで訪れたりもします。ただ、やはりハードルが高いのも事実。そこで、本書の出番となるわけです。
この本では、まずは作曲家に焦点を当てて、人となりを知ってみてはというアプローチでクラシック音楽をご紹介しています。
それもかなりゴシップ満載、下世話な話ばかりを集めてみました。恋愛騒動や不倫沙汰など、およそ他のクラシック音楽入門では扱わない分野を、ワタクシ不肖渋谷が女性目線でフォーカスしております。作曲家の皆様、本当にすみません。(「はじめにーークラシック音楽を堅苦しく感じさせる5つの理由」より)
個人的には、あえて“女性目線で”としている点にもおもしろさを感じました。そんな本書のなかから、きょうは「名曲はフラれ続けたからこそ生まれた!? 生涯独身、恋愛不遇のベートーヴェン」をピックアップしてみたいと思います。
情熱に満ちた破天荒な人生
音楽史上もっとも有名な作曲家といえば、音楽室に飾られていた気難しい表情の肖像画も印象的だったルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン。「第5(交響曲第5番)」と聞けば🎵ジャジャジャジャーンというメロディが頭に流れるかもしれませんし、「第9(交響曲第9番)」は日本の年末に欠かせない風物詩にもなっています。
しかしプライベートに目を向けてみれば、難聴に悩まされたことで有名な彼は、愛する女性にことごとくフラれ続けた人物でもあったのでした。
そもそも、1770年にドイツのボンで生まれたベートーヴェンの人生には、そのスタート時点で不穏な空気が漂っていました。歌手でアルコール依存症の父親のせいで生活は困窮し、そんな父親から才能と収入をあてにされていたのです。しかし、それは音楽的才能があったことの証明でもあるはず。
また大きな情熱と行動力の持ち主でもあり、16歳のときには、当代きっての大作曲家であるモーツァルトに会うため、ドイツからオーストリアのウィーンまで行ったりしています。そしてハイドンにも才能を認められたこともあって、1792年にはウィーンに移住し、作曲家への道を開いていきます。
そんなベートーヴェン、このウィーンでは第5番「運命」や「第九」をはじめとしたオーケストラ楽曲やピアノソナタなど数多くの素晴らしい作品を残した。気難しく変わり者で気分屋の性格が災いし揉め事も多発。
ウィーンでの引っ越しは70回以上にも及び、半年に一回は引っ越ししている計算になる。
度重なる移転の理由は、ハチャメチャな生活にあった。引っ越す、引っ越さない、行くところがないなどと騒ぎ、友人や近隣を巻き込んでの騒動に発展したりもする。
当時ピアノや大量の楽譜と一緒の引越しは大変なことだった。(16ページより)
そんななかで作曲を続けるも、20代後半のころにはすでに難聴の気配があり、40代のころにはまったく聞こえなくなってしまうことに。
さらには大量の飲酒のせいで体じゅうが病でむしばまれ、交響曲第10番を完成できないまま、1827年に56歳でなくなったのでした。(14ページより)