キャッシュレス決済の利用率が高まっています。経済産業省の調べによれば2022年度の決済金額の36.0%がキャッシュレス決済になったとのこと(※経済産業省『2022年のキャッシュレス決済比率を算出しました』より)5年前(2017年)が21.3%だったのに比べれば7割も伸びたことになります。

私自身、1カ月に現金を使うのは1万円以下です。先日も着払い(ほかの選択肢がなく)で現金が5000円必要になり、あわてておろしにいったくらいです。

ICカード系の電子マネー、QRコード決済、あるいはクレジットカードで支払いはじめると、小銭を出し入れするめんどくささにはもう戻りたくありません。

しかし、「銀行などからお金をおろしてキャッシュレス決済のためにチャージする」というプロセスを残している人もまだまだいます。

あなたの給料が直接「○○Pay」にチャージされれば、その手間もなくなります。そして、実はそういう変化がはじまろうとしています。

「給料、PayPay払いでもいいよ」と言われたら、どうするか?

2023年4月から「賃金のデジタル払い」が認められ、「○○Pay(QRコード決済)」に給与を振り込むことができるようになりました。現在、手を挙げた資金移動業者の申請・審査が行なわれている段階にあり、まもなくサービスがスタートするとみられています(※執筆時点では指定を受けた資金移動業者のリストは公開されていません)。

近い将来、会社から「給料、○○Payで受け取れるけどどうする?」と聞かれたらどうすればいいでしょうか。

デジタル払い給与の基本ルールをチェック

まずデジタル払いをした場合の基本的な仕組みを確認しておきます。対象となるのは「○○Pay」です(資金移動業者のみが今回の対象となるため)。

【デジタル払い給与の基本ルール】

  1. 強制はされない
  2. 支払い金額は同じ(減らされたりしない)
  3. 現金に振り替えることもできる
  4. 決済方法は指定されることがある
  5. 破たん時の対策済み

1. 強制はされない

希望する社員の選択肢であって、全員が全額デジタル払いをしなければならない、というわけではありません。

2. 金額は同じ

デジタル払い給与の場合に、手数料を110円引かれるというようなことはありません(銀行振込でも、指定した銀行によって社員が手数料を負担することはないのと同じ)。

3. 現金に振り替えることもできる

現金が必要なときも心配はいりません。こういうときは、QRコード決済からATMでの出金により現金への振り替えを行なうことが必ず認められています(月1回は手数料無料が義務づけ)。

4. 決済方法は指定される可能性がある

対応している決済方法が仮に10種類あったとしても、「わが社が対応しているのは○○Payと△△Payだけです」ということはありえます。

5. 破たん時の補償

資金移動業者は未使用残高の100%を供託し確保しておくことが義務づけられていますし、破たん時の速やかな補償体制を整えておくことが義務づけられています。

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