私は何年間も午前5時にジムで筋トレやトレーニングをしていましたが、結局睡眠不足になったのでトレーニングの時間を夜に変えてみました。
すると急に筋力がついて動きも速くなった気がしました。
トレーニングを朝と夜のどちらにするかで、効果に違いはあるのでしょうか?
どうやらタイミング自体はあまり関係ないようです。ただ、その人のスケジュールや目標に適しているタイミングかどうかは重要です。
1つの要因が、ほかの要因にすぐに影響を及ぼす可能性があるからです。睡眠不足になると、パフォーマンスや食事など、さまざまなことに影響が及ぶ可能性があります。
夜にパフォーマンスが向上する傾向がある

パフォーマンスの面から言えば、水泳に代表される持久力を要するスポーツのアスリートは、午前中より午後や夜にベストな結果を出す傾向があります。
理学療法士のBlack Dircksenさんによれば、朝は深部体温が低く、スポーツによっては、それがパフォーマンスに影響を与えることがあるとのこと。
NCAAディビジョン1の10名のバスケットボール選手を対象とした2017年の調査でも(被験者が指定された時間内にジャンプする能力を測定しました)、夜のほうがパフォーマンスが向上することがわかっています。
筋力トレーニングのパフォーマンスを明確に追跡している研究は多くありませんが、フィンランドで2つの研究が行なわれています。
どちらの研究も若い男性のグループが被験者で、調査期間は、それぞれ10週間(非常に短い期間です)と6カ月でした。結果として、どちらの研究でも夕方に筋トレした人たちのほうが筋肉量が増えたことがわかっています。
しかし、情報サイトViceにも書かれているように、これはその人自身のスケジュールと適応力によります。
仕事のあとにトレーニングする元気が出ないなら、無理に夜にトレーニングする必要はありません。
夜の運動は睡眠より食事のタイミングに影響を及ぼす
最近、これに関連する23本の研究を分析したスイスの研究者チームは、身体活動は睡眠障害の原因にはならないとしています。
ただし、HIIT(高強度インターバルトレーニング)のような激しいトレーニングを夜遅く行ない、その後1時間未満で就寝する場合は別です。
「被験者は就寝前の1時間で十分に回復することができませんでした」とScience Dailyは書いています。
被験者の心拍数は安静時よりも、毎分20拍以上多くなりました。
では、逆に睡眠不足は運動能力に影響を与えるでしょうか?
過去記事でも書いたように、睡眠不足だと動作が緩慢になることがあります。
また、最近の研究で、筋力も損なわれる可能性があることがわかりました。恒常的に睡眠不足の人は、1日仕事をしたあとでジムに行くと、朝一番にジムで運動するより疲れを感じるかもしれません。
そういう人は、朝トレーニングをする方がエネルギーを速攻で高める効果が得られるでしょう。
夜にトレーニングしてから食事をする習慣の人たちもいますが、2015年の調査で夜遅く食事をすると睡眠の質に悪影響を及ぼす可能性があることがわかりました。
夜遅い時間に食事をしたせいで良く眠れないと、次のトレーニングに差し障りが出るという悪循環に陥ってしまうかもしれません。
私の場合は、トレーニングのあとに重い食事をとるとよく眠れない傾向があるので、なるべく食事の量を制限しています(場合によっては全然食べないこともあります)。
自分に合ったタイミングでトレーニングする

科学の話は少し脇に置いておくとしましょう。
Dircksenさんは、仕事を長時間したあとにトレーニングの時間を捻出することもモチベーションを持つこともできない場合には、夜にトレーニングするのは難しいかもしれないと述べています。
朝トレーニングする時は、夜以上にウォームアップが大切です。午前中は循環器の機能が本調子ではなく、心拍数と血圧の数値が一日のうちで一番低くなるとDircksenさんは説明しています。
軽い有酸素運動ぐらいならたいして問題にはなりませんが、大がかりなトレーニングをするなら、最大の効果を得るために必ず適切にウォームアップしてください。
重要なのは、朝昼晩のいつトレーニングするかではなくて一貫性があることだとDircksenさんは言います。
朝だろうが夜だろうが、トレーニングをもっとも高い頻度でできるタイミングが、その人にとってベストなタイミングです。
要するに、その人次第ということです。朝、昼、夜のいつトレーニングをしてもそれなりの利点があります。
トレーニングは、いつするかは重要でなく、やる気があって自分のスケジュールに合う時に行なえばいいだけです。
午前6時に起きられない人は、仕事のあとにジムに行きましょう。でも、早起きするタイプなら、そろそろトレーニングの時間を朝に切り替えてみてはいかがでしょう。
――2019年6月23日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
Source: Vice, HIIT, Science Daily, Runners Connect, The Journal of Strength and Conditioning research, Science Direct, JCSM