認知再構成」という言葉を聞いたことがありますか?

耳慣れないかもしれませんね。認知再構成は、思考を修正して、より前向きなものに変え、生産性を向上させる方法です。

セラピーを受けて行なうことが多いのですが、普段から意識しておくと、そのメリットを享受することができますよ。

認知再構成とは?

米心理学会(APA)は、認知再構成の定義を「何らかの原因があって精神的な苦痛を覚えているときや、悩んでいるときに、自分の思考を注意深く吟味するスキル」としています。

ストレスを感じてマイナス思考のときは、認知が歪んでいるということであり、全般的なウェルビーイングと生産性にマイナスになります。

その結果、やるべきことがどんどん溜まり、否定的な感情がさらに強くなる悪循環です。

気持ちが落ち込んでいて部屋の掃除ができない、不安感に圧倒されて買い物に行けない、ストレスが溜まりすぎて仕事に支障をきたしているなど、どのような状況でもかまいません。

否定的な感情に正面から向き合い、それを再構成すれば、つらい状態を乗り越えて、安らかな気持ちで、やるべきことを片づけられるようになります。気分もよくなる可能性があります。

認知再構成に向けた5つのステップ

米心理学会は、認知再構成のやり方について次のように説明しています。

1. 書き出す

精神的に苦痛を覚える状況について書き出します。やるべきこと(部屋を掃除する、宿題をする、誰かと話をする、など)でも、過去の出来事でもかまいません。説明は1文で十分です。

2. 感情を突き止める

書き出したことについて、精神的苦痛がもっとも大きかった感情をつきとめます。感情がいくつも湧いたのであれば、もっとも強烈だったものをひとつ選んでください。

そうすれば、恐怖なのか、不安なのか、悲しみ、憂鬱、罪悪感、恥ずかしさ、怒りなのか、分類しやすくなるでしょう。

このもっとも強烈な感情をつねに念頭に置きながら、ステップを最後まで進めます。

次のページ>>
つづいて、「根本的な原因を見つける」ステップは?
12