手揉みしながらこびへつらう、いわゆる太鼓持ち。「ヨイショする」って、あまりいいイメージがありませんよね。
しかし、見方と方法を変えれば「相手の気持ちをよくし、好意を勝ちとるための技術」になると綴られているのは『ヨイショの技術 大人の人間関係をつくる方法』(草思社)。
相手も気持ちがよくなり、こちらも好意を勝ちとれるメリット付き。テクニックと割り切れば、むしろ楽しみながら「ヨイショ」できるようになるかもしれません。
ヨイショは、相手のどこを突くのが効果的?
そもそも「ヨイショ」とは何でしょう。
ヨイショは、次の3つの要素がそろったときに、もっとも効果的だといわれているとか。
1)ほめる
2)へりくだる
3)好意・思いやりを示す
これを専門家の間では「ヨイショの基本3要素」と呼んでいます。
(『ヨイショの技術 大人の人間関係をつくる方法』20〜21ページ)
なるほど、なんとなくわかります。でも、どこをヨイショすればいいのかがピンときません。取引先に「目鼻立ちの整った美しいお顔ですね」とほめたところで「???」となってしまいます。
ヨイショをするときは、「服装のセンスがいい」「仕事に熱心である」など、できるだけ的確で具体的な事柄を対象にするようにしましょう。専門家の間では、こうしたヨイショのネタを「Y(ヨイショ)スポット」と呼んでいます。
(『ヨイショの技術 大人の人間関係をつくる方法』22〜23ページ)
先ほどから出てくる「専門家」が誰なのかはさておき、「Y(ヨイショ)スポット」は以下の3種類に分けられるそうです。
1. 相手の自覚しているプラスの要素
本書で例に出されているのは、股下90センチの人の「脚の長さ」、東大出身者の「学歴」、社長の「肩書き」、政治家の「権力」、かわいい子の「かわいさ」といった、あきらかに自分でも自慢に思っている要素。
初心者は、まずは部長に「さすが部長ですね」というところからはじめるといいそうです。肩書きのない人へも、「さすが◯◯さんですね」と名前をつけるのも良いかもしれません。
2. 相手が自覚していないプラスの要素
相手が自分で気づいていないプラスの要素も「Y(ヨイショ)スポット」になりえます。
何気ない所作や話を「品がありますよね」「いい話ですね」とヨイショすることで、相手は自覚していないことをプラスにとらえてもらい、うれしくなるはずです。
3. 相手の自覚しているマイナスの要素
相手が気にしているマイナスの要素を、あえてヨイショする方法。難易度は高いですが、「成功すれば効果は絶大」とのこと。失敗やコンプレックスを突いてプラスに転じさせる方法、磨いてみたいですね。