フタの隙間がウマさの秘訣

ビールを美味しく飲む決め手は「泡」の比率だといわれています。見た目の美しさだけでなく、酸化防止や炭酸ガスが抜けないよう、7:3の黄金比率でフタをするのが良いというのが通説ですよね。

サーバーで注ぐ場合は、レバーを手前に倒すとビール、奥に倒すと泡が出ます。ですが缶ビールだと調節が難しいところ。最初に高い位置からドバドバーっと泡立てながら入れ、あとから静かにビールを注ぐ人もいるでしょう。

デザインと科学の力で泡をつくる

その工程をもっと簡単にしたのが、デザイン事務所のnendo。「foam-can」にはプルタブが2つあり、2ステップで7:3が出来上がります

1と印字されたプルタブでフタを半分開ければ液体のビールが、2のプルタブで全開にすれば泡が出るよう計算されています。

泡が発生する原因は、開封したときの缶内圧力の急激な低下と、注ぐときの缶と液体の間で生じる摩擦という科学的な見地から、フタが開く隙間を調節したのでした。

Image: nendo
Image: nendo

すべての缶ビールに搭載してほしい

さすがTokyo2020大会の聖火台もデザインしたnendo。シンプルで美しく実用的です。今後この缶は市場で見られるようになるでしょうか? 泡にこだわるビール通なら、早く試してみたくなりますね。

執筆:岡本玄介

Source: YouTube, nendo (1, 2) via YANKO DESIGN, dezeen

ギズモード・ジャパンより転載(2023.05.14)