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企業活動において重要な意味を持つ「ブランディング」に関連し、『単価を上げても選ばれ続ける ひとり社長ブランディング』(小澤 歩 著、日本実業出版社)の著者はこう述べています。
近年はブランディングという言葉が一般的になりました。でも、まだまだ大きな企業が行っているイメージだと思います。しかし、ブランディングは、企業だけのものではありません。「ひとり社長」といわれる、1人で会社や事業を行っている人にこそ必要なものなのです。(「はじめに」より)
2002年に広告デザイン会社のひとり社長として起業した人物。しかし、すぐに価格競争に巻き込まれ、毎回のように値切られる状況になってしまうことに。お客様との上下関係もできてしまい、ますます強く出られないという悪循環に陥ってしまったのだそう。そこで、ブランディングを実践することにしたというのです。
当時のブランディングは、企業など規模が大きなところが行う戦略という認識でしたが、戦略づくりのプロセスの中にあるエッセンスは取り入れられました。それらを組み合わせていくことで、ひとり社長でもブランディングを行うことができたのです。(「はじめに」より)
もともとの商品・サービスであるデザインを売るのではなく、「よい結果を提供しよう」と意識や行動を変え、戦略を立てて行動に移していった結果、最終的にはデザインの単価を10倍以上にすることができたのだとか。
現在はブランディングのコンサルタントとして、起業家や中小企業経営者のサポートをしているのだといいます。つまり、そうした経験を軸とした本書は、ひとり社長に特化した内容になっているわけです。
きょうは第1章「ひとり社長ブランディングで何が変わるのか」のなかから、ひとり社長ブランディングに関する3つの考え方を抜き出してみたいと思います。
ビジネスの価値が「見える」ようになる
ブランディングは曖昧に捉えられることが多いと著者は指摘しています。たしかに「ブランディング」と検索してみれば、会社のロゴをつくることだったり、ウェブサイトをリニューアルすることだったりと、さまざまな解釈があることがわかります。
もちろんそれらもブランディングの一部ではあるのでしょうが、あくまで手段のひとつに過ぎないわけです。
ひとり社長のブランディングは、モノやサービスの価格が高くても選ばれるために行います。そのために自分の価値を高めて競合との違いを打ち出すわけです。
ということは、ブランディングはあなたのビジネスや経営そのものといえます。そこでまずは、自分がこれからどうなりたいか? 最終的に世の中にどんな貢献をしたいか、という理念をはっきりさせることからスタートします。(16ページより)
たとえば、「小さな企業を元気にして日本を活性化したい」「世の中を健康で笑顔にしたい」といったようなこと。そうした思いが自身の価値の基となり、その結果、ひとり社長として共感されるようになるのです。
そうした思いを軸として、「どこの市場で、どこのエリアで、どんな属性で、どのようなお客様にどのような価値を提供するのか」を決めていくということ。そして、それらをお客様に届けることこそ、ひとり社長のブランディング。(16ページより)
価値を高めて相手に差別化してもらう
大きく分けてブランディングの目的とは、「自分の価値を高めること」と「競合と差別化すること」の2つ。価値を高めることで価格を上げることが可能になり、差別化することで選ばれやすくなるわけです。
ただし、価値を高めることや差別化は、自分ではなくお客様が判断すること。お客様から「あの人(商品・サービス)は、自分にとって必要(価値がある)」と思ってもらえれば、結果的に価値が高まることになります。そして「あの人は他(競合)とくらべてここが違う」と認識されたとき、差別化が成立するのです。
逆にいえば、自分で「これが価値です」「ここで差別化しています」と強調しても、相手はそう感じてくれなければ意味はないということ。もちろん、差別化の方法も多岐にわたります。なお著者によれば、ひとり社長は些細なことでも差別化ができるのだそうです。
1人なので、すぐに連絡がつくというのも、大手企業にはできないことで、忙しいお客様にとっては差別化になります。お客様が何を求めているか? その求めに自分は応えられて、他ができないことは何か? と考えてみましょう。(「はじめに」より)
ポイントは、「アピールすることを絞り込む」こと。たとえば「ブライダル専門のエステ」というようにターゲットで絞り込んだり、「建設業専門の行政書士」というように業種で絞っても差別化することができるわけです。(22ページより)
お客様の「マインド・シェア」を取る
大きなビジネスでは市場のシェアを取ることが重要ですが、規模の小さなひとり社長の場合は、そのようなことを考える必要はなし。なぜなら、ひとり社長ブランディングで目指すべきは、お客様の心のなかでの自分の存在をいかに大きくするかという「マインド・シェア」の獲得だから。
マインド・シェアとは「〜といえば、○○」の「〜といえば」と考えた時に、確実に「あなた」だと思われることです。
革新的なパソコンといえばアップル、お洒落な空間でゆっくり過ごせるコーヒーショップといえばスターバックスというように、ある人の心の中で、その存在が大きくなっている状態になることです。(26ページより)
だとすれば、ひとり社長はどのような「〜といえば」を目指せばよいのでしょうか?
「経営コンサルタント」といえば、○○さん、「コーチング」いえば○○さん、「Webデザイン」といえば○○さん、というようなカテゴリーでは大きくて広すぎます。このようなマインド・シェアを取るにはその業界の第一人者にならなければなりません。
ひとり社長のマインド・シェアは小さなところで1番を取るようにします。(26ページより)
「人材育成に優れていて、社員と一緒になって会社のために働いてくれる経営コンサルタントといえば○○さん」「経営者が迷った時に決断の背中を押してくれるコーチといえば、○○さん」というように、“絞った状態”で認識されることが重要だということ。つまり、特定のニーズを持つ人に「〜で役に立ってくれる人」という思われ方をすることが大切であるわけです。(26ページより)
実践しやすいようにとの思いから、あえて難しいことばは使わず、さらには図解もふんだんに盛り込んで、直感的な内容になっているところも魅力。自分にできそうなところから始め、継続してみれば、大きな成果を生み出せるかもしれません。
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Source: 日本実業出版社