何かを学び習得するには、一度に1つずつ学習するのが最善の方法だと思うかもしれません。
しかし、実はもっと良い方法があります。
1つのことを少しずつ学習するのはやめて、複数のことを相互に関連づけながら現実の世界ではどのように作用するか学ぶほうが効率的です。
一度に複数のテーマを学習することで、テーマ間の関連付けを行い、より多くの情報を保持できるようにしましょう。
これは「同時並行学習」と呼ばれる優れた学習戦略です。
同時並行学習とは?
同時並行学習とは、複数のトピックを同時に勉強することで、より多くのことを学び、トピック間の関連性を確認し、最終的にすべてを習得するプロセスです。
一度に1つの科目だけ勉強する「ブロック学習」とは対極的な同時並行学習は、概念同士を関連づけるので情報を分類したり、問題解決に取り組んだりしやすく、総合的に脳を鍛えられる点で優れています。
2012年にEducational Psychology Review誌に掲載された研究によると、同時並行学習をすると学生は類似する概念を区別しやすくなります(論文のタイトルは文字通り「同時並行学習は類似する概念の区別を助ける(Interleaving Helps Students Distinguish Among Similar Concepts)」です)。
逆に、ブロック学習では、生徒が各ブロックの類似した概念を混同する危険性が高いことが研究でわかっています。
同時並行学習、つまり、ある概念を学習した直後に別の概念を学習した学生は、最終試験でより高い得点を獲得できました。
具体的にどうすれば?
2015年のScientific American誌の記事では、同時並行学習の仕方を次のようにまとめています。
スキルAを学び、次にスキルBを学び、それらを組み合わせてAAABBBCCCというパターンにするのではなく、関連するスキルを同時に学ぶことで、ABCABCABCというパターンを形成できるようにする。
そのためには、マインドフルに勉強することです。
アリゾナ大学学務課によると、勉強しなければならない複数のテーマを選び、少しは関連性があるようにグループ分けをします。
たとえば、今学期、私は研究方法論のクラスと疫学のクラスがありました。それぞれの科目を単独で勉強すると、どちらの概念も実世界でどのように応用されるのか把握できなくて大変でしたが、両方の科目を一緒に勉強するようになると、一方の授業で得た情報がもう一方の授業でどのように生かされるかわかり、全体的に成績が良くなりました。
ほかにも、生物と化学を勉強しなければならない場合、フラッシュカードやその他の学習教材を組み合わせて、同時に両方の科目の内容を確認するようにします。
また、カリフォルニア大学サンディエゴ校の心理学科によると、科目ごとに勉強時間を確保し、科目を切り替えながら勉強してもいいようです。
ポモドーロ・メソッドを使って、トピックAに25分、休憩を挟んでトピックBに25分、また休憩してトピックAに戻るという方法を試してみましょう。
そうすることで、必要なときに必要な情報が出てきやすくなり、最終試験の後も重要な概念が記憶に定着しやすくなります。
Source:Educational Psychology Review, Scientific American, Academic Affairs, DEPARTMENT OF PSYCHOLOGY