生産性向上のテクニックには、ちょっとしたおもしろい名前がついていることがよくあります。
Pomodoro technique(ポモドーロ・テクニック)、Eat the frog (イート ザ フロッグ)、そして今回は「テンプテーション・バンドリング」です。
Ness Labsによると、テンプテーション・バンドリングでは、即座に満足感を得られることとやりたくないことを組み合わせます。
最適な事例は、ランニングマシンに乗るまでは好きな番組を見ないようにすることですが、そのほかにもこのアイデアを効果的に使う方法がたくさんあります。
親友と電話でおしゃべりするのは好きだけど掃除が嫌い、という人は、片付けをしなければならない時に電話しましょう。
読書は好きだけど犬の散歩が嫌い、という人は、散歩中にオーディオブックを聴きましょう。
音楽を聴くのは好きで勉強が嫌いという人は…、もうどうすればいいかわかりますね。
そのほかにもたくさんある生産性向上テクニックと同様に、この手法も科学に裏打ちされています。
2014年、研究者たちは、すぐに満足感を得られるが罪悪感のある行動と、将来的には利益につながるが気がすすまない行動を組み合わせたら、どのような影響があるかを調べました。
すると、組み合わせて経験する人のほうがジムでトレーニングをしている可能性が高いということを発見し、この新しい用語を作り出したのです。
「テンプテーション・バンドリング」の方法
Ness Labsのやり方では、紙を用意して「したいこと」と「やるべきこと」の2列を作ります。
各列から1つずつ選んだことを同時に行なうか、「やるべきこと」1つの直後に「したいこと」を1つできるように、自分のテンプテーション・バンドリングを組み立てると良いでしょう。
留意点は2つだけ。まず、同時に行う場合は、即座に満足感を得られることが、長期的に利益を生むあることを何らかの形で帳消しにしてはいけない、ということです。
たとえば、音楽を聴きたいけれど勉強も「しなければならない」という場合、じっくり聴き入りたい新しいアルバムを選ぶのはやめましょう。勉強の邪魔になってしまいます。
ランニングマシンに乗ってスマホゲームをするのもやめましょう。手の動きで気が散ってしまい、運動の効果も安全性も損なわれます。
2つ目に、継続しなければならないということです。
この方法のもととなった調査研究では、アクティビティを組み合わせても、時間が経つにつれてジムへの参加率が下がってしまう人がいる、ということもわかりました。
自分に合った組み合わせを見つけて、それを継続することが必要です。
お気に入りのポッドキャストを聴くだけで、それとセットになった「やるべきこと」をしない日が続いていてはいけません。
最大の効果を得るためには、組み合わせを継続し、自分をごまかさないようにすることです。