成功する組織の土台となるものはチームワークと協力です。
スティーブ・ジョブズはこのことを知っていて、技術的なイノベーションだけでなく、人材のクオリティーでも知られる会社をつくることを心がけました。
ジョブズはチームワークについて次のようなことを述べています。
チームワークとは他の人を信頼すること
他人の行動を管理することは、マイクロマネジメントの最たるもの。リーダーとして、部下が仕事をやり遂げると信じる必要があります。
効果を生み出すためには、信頼はチームワークに欠かせない要素です。
チームのメンバーがお互いを信頼していれば、成果のために協力し、率直にコミュニケーションをとり、一緒にリスクをとることができるようになります。
また、信頼は対立を減らして、チームの団結力を高めます。信頼し合えるチームになるかどうかはトップしだいなのです。
ある研究では、信頼は、チームのパフォーマンスと密接な関係があることが示されています。メタ分析を行った48の研究によると、信頼はチームの有効性と生産性に正の相関関係があることがわかりました。
信頼は、チームメンバーがお互いに依存し、協力を必要とするような複雑な仕事において特に重要になります。
このような状況では、お互いを信頼しているチームメンバーは、情報やリソースを共有しやすくなるため、より良いパフォーマンスにつながるのです。
優れたチームは優れた議論をする
対立は気持ちの良いものではありませんが、チームワークを効果的にするためには、自然で重要な要素でもあります。
チームメンバーが異なる視点や考えを持つことで、意思決定やクリエティビティの改善につながることがあるからです。
しかし、士気の低下、生産性の低下、離職といったネガティブな結果を防ぐために、対立が良い影響をもたらす必要があります。
研究によると、課題に集中し、尊重し合うことで対立が有益になることが分かっています。
仕事にフォーカスした対立は、仕事に関連した問題についての意見の相違を意味し、関係にフォーカスした対立は、個人的な攻撃や批判を意味します。
仕事にフォーカスした対立は、より良い意思決定、クリエティビティや業績の向上につながる可能性があります。
一方、人間関係にフォーカスした対立は、信頼の低下、仕事に対する満足度の低下、離職率の上昇につながる可能性があります。
チームはアクティブリスニング、妥協、協力などの戦略を使って、対立をより有益なものにすることができるのです。
さらに、リーダーは、尊重すべき意見の相違を示し、行動に対する明確な期待を示すといいでしょう。
ネガティブな対立を解決するスキルのトレーニングを提供することによって、効果的な対立を促すカルチャーを作ることができます。
上下関係ではなく、アイデアで動かす
ジョブズは、「最高のアイデアは勝たなければならない。そうでなければ、良い人材は残らない」と述べています。
多くの組織では、下層の社員からのアイデアの流れがヒエラルキーによって遮られ、クリエティビティとイノベーションを妨げています。
リーダーがアイデアよりも上下関係を優先させると、有能な社員は自分の意見が重要ではなく、過小評価されていると感じ、やる気をなくして去ってしまうリスクがあります。
フラットな組織構造によって、従業員同士がコミュニケーションや協力をしやすくなり、クリエティビティとイノベーションを促進することが研究により明らかになっています。
フラットな組織構造では、従業員の自主性や意思決定力が高まり、モチベーションや仕事への満足度が向上します。
上下関係よりもアイデアを重視するカルチャーを促進するために、リーダーはオープンなコミュニケーションを奨励し、フィードバックの機会を設け、革新的なアイデアに対して評価を与えるべきなのです。
Source:APA psycnet, JSTOR
Originally published by Inc. [原文]
Copyright © 2023 Mansueto Ventures LLC.