「インターネットはインクで書かれる」と言われた時代がありました。ネット上で行なったことは、永遠にネット上に残り続けるという意味です。
しかし昨今、それがどれほど間違っているかは、はっきりしています。ウェブの世界はリンク切ればかり、消えたYouTube動画は戻らず、Googleも過去を捨て続けるつもりのようです。
同社は「非アクティブ」であると判断されたGoogleアカウントを削除すると発表しました。
なぜGoogleは古いアカウントを削除するのか?
Googleは16日、非アクティブなGoogle アカウントに関するポリシーを変更すると発表しました。
アカウントが2年以上使用されていない、あるいはログインされていない場合、そのアカウントやデータを削除する可能性があるということです。Google Workspace(Gmail、Docs、Drive、Meet、Calendar)やGoogleフォトなどのコンテンツもその対象となります。
Googleはこの決定を「セキュリティに基づいて行なった」と述べています。
同社によると、2年以上アクセスされていないアカウントは、漏洩したパスワードが使われていたり、2要素認証が設定されていなかったり、セキュリティ設定が不十分であることが多く、侵害されている可能性が高いそうです。
この考えには一部妥当性もありますが(Googleによると、放置されたアカウントは2要素認証が設定されている割合が10倍低いそう)、それでもこのポリシーは極端に思えます。
筆者も使っていないアカウントがありますが、とくに侵害はされていないと思っています。でもこの新しいポリシーが発行されたら、これらのアカウントを失うことになるでしょう。
すべてのGoogleアカウントが削除対象ではない
ここで、いくつかの重要な留意点があります。まず、この新しいポリシーは16日時点で公式に発表されましたが、実際にGoogleがアカウントの削除を開始するのは、早くても12月に入ってからとのこと。
また、同社は、削除する前にユーザーに複数回の警告を与えるとしています。(アカウントを使用していないなら、警告を見逃してしまうかもしれませんが)
そして、このポリシー変更は個人のGoogleアカウントにのみ適用。学校や仕事関係のアカウントは安全であり、数年間触れていなくても削除されることはありません。
さらに、2年以上ログインしていないアカウントでも、アクティブなサブスクリプションがある場合は安全です。そのアカウントは、たとえほかのことに使っていなくても、アクティブとみなされます。
最後に、このポリシー変更は、YouTubeの動画を持つアカウントには適用されません(よかった!)。Googleは当初の発表では、このポリシー変更の一環としてYouTubeのコンテンツを削除すると言っていましたが、反発があったため、YouTubeの動画を持つアカウントを削除計画から外すことにしました。
そうでなければ大変なことになるでしょう。YouTubeには、非アクティブなアカウントに紐づく動画が大量に存在すると思われます。
Googleが非アクティブなアカウントを削除することを決めたからといって、動画まで消えてしまうのは完全な損失です。筆者は新しいポリシーに賛成ではありませんが、少なくともこの救済措置には感謝しています。
古いGoogleアカウントを救う方法
幸いなことに、アクティブでない Googleアカウントを削除から救うのは簡単です。ログインして何らかの操作をしてください。それだけです。
Googleは、アカウントを削除リストから外すためにできる操作のリストを提供しています。
たとえば、メールの送受信、Googleドライブの起動、YouTube動画の視聴、Playストアアプリのダウンロード、Google検索、「Sign in with Google」で別のアカウントにログインする、などが挙げられています。
とはいえこれからは、パスワードを紛失した場合に備えて、アカウントに回復用のメールアドレスを設定しておくほうがよさそうです。また、設定した回復用メールアドレスのアカウントをアクティブな状態に保つことも重要です。
筆者はかつて、回復用のアカウントを失くしてしまい、Googleから送られる本人確認用の認証コードを受け取れなくなって、Googleアカウントを失ったことがあります。
Source: Mashable, Google The Keyword