会社や自宅で働いている場合、仕事の成果物の多くはおそらくデジタルデータでしょう。そして、日々行なっている繰り返しの作業や、時間を取られる作業に付随することが多いのではないでしょうか。

がんばるよりも、賢く働け」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、ここでまさに「DRY原則」の出番!

「DRY」は「Don't Repeat Yourself」の略で、時間管理と生産性を向上させる具体的な方法を表したものです。

「DRY原則」の活用方法

「DRY原則」とは、そもそも1999年発行の本『The Pragmatic Programmer』で言及されたもので、プログラマーが効率的にコードを書くために使っていた原則

同じワークフローを何度も手動で繰り返すのではなく、そのプロセスを自動化して時間を節約するというのが大前提です。

一見、当然だと思うかもしれませんが、毎日繰り返している作業はたくさんあります。

たとえば、毎日たくさんのメールを受け取ったり、書いたりしていますよね。送信するメールはすべて、細かな違いはあっても基本的には同じような構成で書き直したもので、これにかなりの時間を使っています。

「DRY原則」では、職場での行動すべてを一つひとつ書き出さなければなりません。この要件を満たすには、以下のカテゴリーに該当するタスクも含めることができます。

  • クライアントからのメールなど、予定外のこと
  • 年次報告や査定など、月毎、年毎の仕事
  • 毎日やること、日課

このリストを作成したら、「DRY原則」が活用できる仕事やタスクを把握できます。繰り返す頻度、かかる時間、やりたくない度などを考えながら、それも書き出しましょう。

上位のものは「DRY原則」の対象となり、できる限り自動化することができます。

中にはまったく自動化できないものもありますが、その場合も何かしら無駄をなくして効率化することは可能でしょう。

メールのテンプレートを作成する

アウトプットを自動化するにあたって、もっとも簡単でベストな方法の1つが、テンプレートを作成することです。

先ほども書いたように、例えばメールをクライアントに送る、月次報告書を作成するなど、日々行なっている行動のほとんどが特定の同じ構造。テンプレートが一式あると、繰り返す作業を驚くほど減らせます。

メールを自動化する2つの方法

省略タブに文章を保存することが可能な「TextExpander」のようなアプリを使うこともできれば、次回メールを書く時に略語を入力するだけで、自動的に文章を生成するようにすることもできます。

同じように、「Slack」やほかのメッセージサービスでこの方法を使うことも可能ですね。

もしくは、アプリ内でメールを自動化することもできます。「Outlook 365」では、以下の手順に従うだけです。

  1. 保存したい文章を選択する。
  2. 挿入」タブで、「クイックパーツ」をクリックする。
  3. クイックパーツギャラリーに保存」をクリックする。
  4. 名前を付けて、「OK」をクリックする。
  5. 保存した文章を使いたいときは、「挿入 > クイックパーツ」を選択し、使いたい文章を選ぶ。
Screenshot: ライフハッカー・ジャパン編集部 via Gmail
Screenshot: ライフハッカー・ジャパン編集部 via Gmail

「Gmail」の場合は、「テンプレート」が有効になっているかを確認する必要があります。「設定 > 詳細 > テンプレート」から、「有効にする」をクリックし、以下の手順にしたがいましょう。

  1. メール内で保存したい文章を選択する。
  2. メール内の縦に3つ並んだ点をクリックし、「テンプレート > 下書きをテンプレートとして保存」をクリックする。
  3. テンプレートを使う時は、メール内の縦に3つ並んだ点をクリックし、「テンプレート」で使いたいものを選ぶ。

仕事のテンプレートを作成する

Screenshot: ライフハッカー・ジャパン編集部 via Google ドキュメント
Screenshot: ライフハッカー・ジャパン編集部 via Google ドキュメント

メールと同じように、報告書、表計算シート、プロジェクトなど、どんな仕事の制作物でも実際にテンプレートを作成することはできます。目的は、各作業の繰り返しをできるだけ少なくすることなので、テンプレートがあれば簡単に対処が可能です。

MicrosoftやGoogleの場合は、テンプレートの選択肢が大量にあったり、もしくは自分で作成できます。最初にテンプレートを設定するのに時間がかかるかもしれませんが、長い目で見ればそれ以上に時間が節約できます。

同じく、プレゼンのスライドショーをよく作成する人は、必要に応じて編集できる標準的なテンプレートを作成しましょう。

すべてのテンプレートをきちんと特定の場所に保存すれば、必要なときに取り出すことができます。時間の節約になっていないものを見つけた場合は、以前の自分の仕事や制作物から文章を使いましょう。

ルーティン作業を自動化する

Image: MakeUseOf
Image: MakeUseOf

作業には、驚くほど繰り返すものが多いです。スケジュールに予定を入れる、ToDoリストを作成する、メモを書き留める、ファイルを保存するなど、ほかにもたくさんあります。

ほんの数分しかかからないことかもしれませんし、すぐに終わることかもしれませんが、仕事に対する意識や集中力は途切れます。

アメリカ発のタスク自動化ツール「Zapier」(日本語未対応)は、一番よく使うアプリ間でのコミュニケーションや、作業を完了させるためにデータを送ったりでき、複数の仕事の流れを効率良くできる素晴らしいアプリです。

たとえば、「Gmail」と「Googleドライブ」を使っている場合、メールの添付ファイルを自動的に「Googleドライブ」に保存するワークフローを設定することができます。言わば、中間作業をなくすのです。

無料アカウントを作成して、以下の手順にしたがうだけです。

  1. Dashboard」から、「Create Zap」をクリックする。
  2. 「Zapier」を使いたい状況が発生しているアプリを検索する(例:Gmail)。
  3. Trigger Event」を選ぶ(例:メールを受信する)。
  4. アプリに接続する。
  5. データを送りたいアプリを選ぶ(例:Googleドライブ)。
  6. 結果を選ぶ(例:ファイルを保存する)。

「Zap」の設定をしたら、そのプロセスが完全に自動化されます。

「DRY原則」でできること

上記のプロセスすべてがバックグラウンドで行なわれると、繰り返し作業を手動でやる必要がなくなり、あなたがこれまで使っていた時間が空きます。

すべての生産性向上ツールの中でも、「DRY原則」が一番効率的に時間を管理できます。

これからは、自分の仕事や成果物のために、今ある時間を最大限使うことができ、一番大事なことに1日の時間をさらに割けることに気づくでしょう。

「DRY原則」を応用できることは、必ず何かありますので、自分の仕事量や内容を見て、自動化できることを探してみてください。

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2022月2月16日の記事を編集のうえ、再掲載しています。

訳:的野裕子

Source: Amazon.co.jp, Zapier, TextExpander

Original Article: How to Improve Time Management With the DRY Principle by MakeUseOf