人が集まれない? コロナ時代のオフィスのありかたとは?
「グッドカンパニー研究」当シリーズでは、多様な働き方を考えるカンファレンス 「Tokyo Work Design Week」 を主催し、現代における様々な「働き方」を探求、「ヒューマンファースト研究所(※)」の外部アドバイザーでもある横石 崇さんが、時代をリードする企業のオフィスを訪問取材。
オフィスのありかたから垣間見える企業の理念やコミュニケーションに関する考え方、その企業らしい新しい働き方を探究し、「グッドカンパニーとは何か」を探ります。
いま世界中でオフィスのありかたが見直されています。次の一手のために必要なことは何なのか? 企業にとってのGOODを追求することでそのヒントが見えてきます。(横石 崇)
急成長するスキマバイトサービス「タイミー」のオフィスへ
第9回は、2023年2月に汐留シティセンター35階へ移転したばかりのタイミーのオフィスへ。代表取締役の小川 嶺さんは、現在26歳。立教大学3年生のときにスキマバイトサービス「Timee(タイミー)」をリリースし、事業の急成長とともにオフィスの引っ越しを重ねてきました。

約890坪、以前のオフィスのおよそ2.5倍に増床した新オフィスは、“タイミーカラー”のイエローをアクセントにした明るい雰囲気と、仕切りのないフラットな空間が印象的。
タイミーのビジョン「一人ひとりの時間を豊かに」と、「『働く』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」というミッションを全社員が共有できる場にするべく、様々な工夫が凝らされています。

オフィス内の機能は、「コミュニケーション円滑化」「個人集中・生産性向上」「オフタイム・リラックス」の3つに分けてデザインされていました。
そんなオフィスから見えてきた新しい働き方とは?
小川代表と、新オフィスのコンセプトメイクを担当した木村真依さんに聞きました。
グッドカンパニー研究 Vol.9
【調査するオフィス】
株式会社タイミー/東京都港区汐留
【話を聞いた人】
小川 嶺さん/株式会社タイミー 代表取締役
木村 真依さん/BX(Brand Experience)部 部長
「働く」を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる

横石 崇(以下、横石):いやびっくりしました、こんなに素敵なオフィスだとは。小川さんのイメージも、2年前に渋谷で活動されていた頃とはまた違って、オーラがすごい(笑)。
小川 嶺さん(以下、小川):本当におかげさまで。初めてお会いしたときは、たぶん僕が24歳くらいで、オフィスも1/10くらいの大きさでしたよね。
横石:まさに急拡大、急加速していったタイミー社だと思うのですが、改めて事業内容についてお聞かせください。
小川:タイミーは「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするスキマバイトサービスです。
ワーカーさん(働き手)は、アプリから好きな仕事を選ぶだけで、履歴書・面接なしですぐに働けて、勤務後すぐにお金を受け取ることができます。
事業者は、来て欲しい時間や求めるスキルを設定するだけで、条件にあった働き手が自動的にマッチングします。2018年8月にサービスをリリースして5年弱が経ちましたが、現在は利用者(ワーカー)数が累計450万人になり、約11万拠点で活用していただいています。
事業者さんとしては、人手不足に悩んでいる飲食店や小売業、物流業、最近ではインバウンドの復活もありホテル業の方のご利用が多いです。ワーカーさんは学生、主婦、フリーター、副業可能な会社員など様々な方がいます。
横石:会社のミッションとして「『働く』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」を掲げていらっしゃいますね。インフラというキーワードも特徴的です。
小川:はい。自分たちとしては、タイミーによって派遣でも求人でもない、全く新しいカテゴリーをつくることができたと思っていて。タイミーというサービスを通じて、「働く」にまつわる社会課題を解決したい。「働き方」を時代に合わせてアップデートしていくことで、潜在労働力の喚起や、それに伴う人手不足の解消などが実現できると考えています。
様々な事情から「スキマ時間に働きたい」という方が、仕事を通して自分の可能性に気づけたり、「次はこんな仕事に挑戦してみよう」とワクワクしたり。
タイミーを通じていろいろなチャレンジや成長があり、コミュニティが生まれることで、人生の可能性が広がっていくのかなと。タイミーが「働く」インフラとして進化することで、そういった価値を社会に提供していきたいんです。