ビル・ゲイツは、自由な時間は多くないものの、普段は週に2~3回のペースでなるべく頻繁に瞑想するようにしているとブログに書いています。
瞑想には生理学的にも脳にも利点があることは、何度も研究により実証されています。
ビル・ゲイツの瞑想に対する考え方は大きく変わりました。20代のころは「瞑想は転生に何か関係があるスピリチュアル系のことだと思っていたので、やってみようとは思わなかった」と書いています。
しかし、現在は次のように語っています。
今の私は、瞑想は心のエクササイズだと思っています。ちょうどスポーツをする時に筋肉を鍛えるのと同じようなものであります。
私にとって、瞑想は信仰や神秘主義とは無関係です。
1日のうちの数分を割き、頭の中にある思考に注意を払う方法を学び、そうした思考から少し距離を置くことでしかありません。
ビル・ゲイツは、普段は1回10分間程度の瞑想をしていて、たまには妻のMelindaさんも参加すると書いています。
「私には蓮華座を組むのは到底無理なので、快適な椅子を使用しています」とのこと。
たった10分間でも効果はあるのか?
でも、1回10分間の瞑想をするだけでそこまで違いが出るのでしょうか?
ビル・ゲイツは「もちろん違いが出ます」と言います。
Headspaceという瞑想アプリの共同創設者であり、アプリの声も担当しているAndy Puddicombeさんも同様の意見です。
元仏教の僧侶で、サーカスの道化師もしたことがあるPuddicombeさんは(「本当のことです。冗談は言っていません」とビル・ゲイツは書いています)、10分間なら誰でも何とかできるはずなので、その10分間でできる瞑想を普及させるためにHeadspaceを創設しました。
ビル・ゲイツは、Headspaceと出会う前に、瞑想に関する本を数冊読んだと書いています。
彼は、瞑想のコンセプトに興味を引かれはしましたが、本で推奨されていることは実践できませんでした。時間とエネルギーが足りなかったからです。
Headspaceのおかげですんなり瞑想をはじめられました。
Andyさんの滑らかなイギリス英語を聞きながら、1日にたった10分間彼により添えばいいだけです。
Andyさんは本格的な瞑想家が持つ情熱を取り入れながらアプローチしやすいスタイルをつくり、私に瞑想をはじめさせて習慣化させてくれました。うれしい限りです。
ビル・ゲイツは、最近(2020年当時)自身の夏の読書リストを発表しました。
Puddicombeさんの著書「The Headspace Guide to Meditation and Mindfulness」はトップ5には入っていませんでしたが、「そのほかの読む価値のある本」のリストの最初にありました。
1日5分間でも瞑想すると人生が変わる
Puddicombeさんのほかにも短時間の瞑想をすすめる人たちがいます。
数年前、私は瞑想のクラスを受講しましたが、大変豊富な知識を持つインストラクターが、毎日5分間瞑想するほうが、ごくたまに長時間するよりも効果があると話していました。
私はそのアドバイスに留意して、毎日ではないものの平日はなるべく瞑想するようにしています(5分間ではなく頑張って7分間しています)。
たしかにビル・ゲイツが気づいたように、ほんの数分瞑想するだけで集中力がアップして余計なことに気を取られず、その日すべきことに驚くほど専念できます。
私は瞑想ガイドの録音を聞くより、マントラを使って静かに瞑想をすることが多いです。
しかし、どちらのやり方も同じぐらい効果があり、同じくらい多くの利点をもたらします。
録音されたガイダンスを聞きながら瞑想をしても、自分の内なる声だけを聞きながら瞑想しても、瞑想に費やした数分は、生産性を向上させるだけでなく幸福感をもたらしてくれるでしょう。
──2020年7月1日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
訳: 春野ユリ/Source: GatesNotes(1, 2), Headspace
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