私たちは、家の外観をよくするためだけの草花を植え、手入れしています。
そして、それにかなりの時間とお金、労力を費やしています。これってもったいなくないですか?
ここ最近、こうしたいままでのやり方に代わる、新しいスタイルの造園が注目を集めています。「フードスケーピング」です。
そのコンセプトは単純明快。見た目の美しさ以外には何の役にも立たない草花の代わりに、食用植物を育てようです。野菜や食用花、果物、ナッツ、ハーブなどを使って、美しいだけではない、実用的でエコな庭を造るのです。
フードスケーピングのいいところ
フードスケーピングには、従来のランドスケーピングにはない、いいところがたくさんあります。
- 食べられる。フードスケーピングのいちばんのポイントは、これです。フードスケーピングを通して、あなたや家族が食べて楽しめる新鮮なオーガニックフードが手に入ります。
- お金の節約になる。自分の手で食べものを育てれば、何でもスーパーで買わなくてもよくなります。年に、少なくとも数百ドルは節約できるのはないでしょうか。
- 水の節約になる。芝生などの手入れには、とんでもない量の水が必要になります。その点、フードスケーピングなら、使う水の量を大幅に減らせます。
- エコにつながる。ほかの点でも、環境に与える影響を減らせます。車で買い出しに行く回数も減りますし、購入する食品のパッケージから出るごみも減ります。
普通の造園で植える草花に比べると、野菜などは見た目の美しさに欠けるのでは?
そう思っている人は多いでしょう。けれども、ランドスケーピングに必要な、見た目も美しい「食べられる庭」を造るのは、実際にはそんなに難しくありません。
フードスケーピングのはじめ方
フードスケーピングの最も重要な点のひとつは、フードスケーピングは「100か0のどちらか」の選択を迫るコンセプトではない、ということです。
すでにランドスケーピングに時間やお金を使っている人や、望みどおりの結果になるのか不安な人は、まずはフードスケーピングを「小さく」はじめてみましょう。
1. お気に入りの食用植物からはじめましょう
ランドスケーピングをもっと実用的に。これがフードスケーピングのいちばん大切なポイントです。
なので、自分で食べないものを育てても意味がありません。いつも食べている、あなたにとって定番の野菜からはじめましょう。
2. デザインのコンセプトは変えなくても大丈夫
食用植物や野菜だからとって、見た目が悪いとはかぎりません。美しさという目標を達成するために必要なら、食べられる植物と食べられない植物を混ぜてもOKです。
それでも、フードスケーピングが財布と環境にもたらすメリットはそれなりに得られますし、もし気が変わったら、あとから植物用の面積を広げてもいいでしょう。
3. 忘れてはならないのは、食用植物のほとんどが一年草
一年を通じて庭を植物で覆うには、多年草もいくらか混ぜたほうがいいかもしれません。いずれにせよ、フードスケーピングで育てる植物の中心は、一年草になります。
なので、いったん取り組んだら、そのままずっと続けなければいけないわけではありません。出来に満足できなかったり、育てる植物を間違えたと思ったら、来年は何か別のものを植えましょう。
4. 実用性の観点からフードスケーピングを考える
メロンやトマトなどのつる植物は、柵を使って育てると、見た目も美しい垣根の役目を果たしてくれます。アーティチョークは、育つとかなり背が高くなりますし、そのきれいな花は差し色にもってこいです。
イチゴは、ちょうどいいグラウンドカバーがほしいときにうってつけの選択肢のひとつと言えるでしょう。
その他の注意点
最後に、フードスケーピングの世界に飛び込む前に、あなたがせっかく育てた作物を、無料のビュッフェと勘違いする動物からどうやって守るかについても考えておきましょう。
手荒なまねをしなくても、動物を寄せつけないようにする方法はたくさんあります。ミントやニンニクを植えるのも効果的ですし(これらのにおいを、多くの動物は嫌がります)、音や、見えない柵を使うのも効果的です。
Source: bob vila, Foodscaping Utah, Garden Culture