AIの開発競争で、Googleはあまりにも長い間ほかから後れをとってきました。

ChatGPTが2022年11月にリリースされ、そのわずか数カ月後には、MicrosoftがChatGPTと競合するBing AIを展開して追随しました。

GoogleによるBard AIはChatGPTの代替ツールとなりますが、Googleが人工知能とイノベーションの定評に巨額の投資をしているにもかかわらず、まだ世間の注目を集めるに至っていません。

幸い、Googleは5月10日(現地時間)の年次開発者会議「Google I/O 2023」でBard AIを超高性能化する可能性を秘めた数々の新機能を発表しました。

その中からもっともワクワクする新機能を選んでご紹介します。

1. 180以上の国や地域で利用可能に

これは新機能というわけではありませんが、GoogleがBardを利用するためのウェイトリストを廃止し、すべての人にチャットボットを開放したことは喜ばしい限りです。

VPNを使ってBardのWebサイトをこっそりのぞいていた人も、堂々とBardを使えるようになりました。Bardは現在、180以上の国や地域で利用可能です。

2. ダークモード

Image: MakeUseOf
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うれしい新機能の1つがダークモードです。

GoogleはついにBard AIユーザーのリクエストに耳を傾け、BardのWebサイトにダークモード機能を追加しました。

ダークモードをオンにするには、BardのWebインターフェイスの左下にある「ダークモードを使用」をオンにします。

モバイルブラウザからBardにアクセスしている場合は、Webサイトの右上にあるメニューアイコンをタップして、左下にある「ダークモードを使用」というボタンを表示する必要があります。

3. Google製品やサードパーティのプラグインと連携

これはチャットボット自体が発表されて以来、もっとも重要なBard AIの発表の1つです。

正直なところ、Bard AIは競合する他社のAIほど優れてはいません。

過去記事で、ChatGPT vs. Bing AI vs. Bard AIについて論じましたが、Bardはぱっとしませんでした。Bardには多くの欠点がありますが、それはまた別の機会に。

しかし、幸いにもこうした欠点の大部分は、BardをサードパーティのサービスやほかのGoogle製品と連携させれば解消できるのです。

希望の光が見えました。それは、Bard AIがGoogleマップやGoogleスプレッドシート、そしてサードパーティーの開発者が幅広く提供する魅力的なサービスと統合される未来です。

そうなると状況が画期的に変わる可能性があります。もちろん、Googleが我々の期待を裏切らなければの話ですが。

4. 画像プロンプト

Image: MakeUseOf
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OpenAIは、待望のGPT-4のリリースで、画像プロンプトを約束しました。

残念ながら2023年5月10日現在、ChatGPT plusのユーザーでさえこの機能を試すことができずに指をくわえて待っている状態です。

でも、おあずけをくらってきた皆さんももう大丈夫。Bard AIに画像プロンプトが登場します。

この機能は、Googleレンズにより提供される予定です。GoogleレンズはGoogleが数年前から開発している技術です。

つまり、これまではテキストのみのプロンプトでしたが、これからはテキストと一緒に画像もプロンプトとしてアップロードできるようになります。

たとえば、犬の写真をアップロードして、その犬の犬種をBardにたずねることができます。この機能の詳細はまだ謎ですが、うまくいけば魅力的な利用シーンが誕生するかもしれません

5. Adobe Fireflyによる画像生成

Midjourneyの無料プランで画像を生成できなくなっても(というより有料プランを強要されても)、まだ希望はあります。

Bard AIはもうじき、Adobe Fireflyの提供するBard AIインターフェースから画像を生成することができるようになります。

「Adobe Fireflyって何?」という人は、こちらでAdobe Fireflyの簡単な説明とAdobe Fireflyを使って何ができるかチェックしてみてください。

Bard AIがAbode Fireflyとどの程度密に統合されるか正確にはわかりませんが、Google I/Oでのデモでは、ワクワクさせるものをのぞき見ることができました。

6. 生成されたコンテンツをエクスポートするツール

Image: MakeUseOf
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ChatGPTやBing AIに代表されるほとんどのAIチャットボットに欠けているのは、生成したコンテンツを書式を保ったままエクスポートする方法です。

たとえばChatGPTで表を生成した場合、その表のスタイルを維持しながらワープロにコピーするのは困難です。

Googleは、Bard AIで生成したコンテンツを、GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントといったワークスペース・ツールの一部と互換性を持たせることでこれを解決しています。

つまり、Bardで表形式のデータを生成した場合、それをGoogleスプレッドシートにエクスポートし、家族や友人、同僚を招待して共同作業を行なうことができます。

7. コード生成の改善

Image: MakeUseOf
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Bard AIはリリース当初、コードを書くことができませんでした。

コーディングが、AIチャットボットの出現時の強力なアピールポイントの1つであったことを考えると、これは残念な欠点でした。

ChatGPTのようなBard AIのライバルは、最初からユーザーのコード作成を支援してきました

Googleは現在、Bardのコーディング能力を大幅に向上させており、Google I/O 2023のイベントでは、貴重なプレゼンテーションの時間の多くをコーディングについて費やしたほどです。

Bard AIは、今や複数のプログラミング言語でコードを生成できるようになりました。

また、コードスニペットやデバッグコードについて説明したり、時にはコードの起源を指し示して、あなたの質問に答えるために使われたオリジナルのコードベースをつくった人の功績を称えることもできます。

GoogleのAIの終着点は「Gemini」

Bard AIは現在、PaLM 2(大型言語モデルPaLMの最新版))で動作。Google I/O 2023で発表された機能のほとんどを提供するために、さまざまなGoogle製品およびサービスに依存しています。

一方、GoogleのCEOであるSundar Pichai氏は、「Gemini」について簡単に説明しました。Geminiは将来のBard AIを強化するために現在一から開発されている新しい大規模言語モデルです。

Sundar Pichai氏によると、GeminiはマルチモーダルLLMになるとのこと。

GoogleがBard AIのエコシステム内で、Adobe FireflyなどのサードパーティのサービスやGoogle レンズなどの自社製品を使用していたのが、Geminiに置き換えられる可能性が高いとか。

Geminiに関する情報はまだ限られていますが、GoogleはBard AIのためにまったく異なるLLMの構築に投資している点は注目に値しそうです。

ジェネレーティブAIの時代の競争から目が離せません。

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Source:YouTube

Original Article: 7 Exciting Bard AI Features Announced at Google I/O 2023 by MakeUseOf