破損したExcelファイルの復元には、腹立たしさを感じます。
大切なデータが消えてしまったら、ファイルの作成に注いだ努力が水の泡になったらどうしよう…、そう思うと気が気ではありません。
破損したExcelファイルを復元する方法はいろいろあります。ですが、そのやり方が必ずしもうまくいくとはかぎりません。一般的なユーザーの知識ではとても無理な場合もあります。
となると、いちばんいいのは、Excelブックを破損させるような使い方を避けることです。
というわけで今回は、Excelブックが破損する主な原因と、それを避けるためのヒントを紹介します。
1. パソコンの突然のシャットダウン
オーバーヒートやハードウェアの不具合、突然の電源異常により、パソコンが何の前触れもなくシャットダウンすることがあります。
シャットダウンが起きたときにExcelブックを開いていると、そのせいで破損が起きるおそれがあるのです。
通常なら、作業中のExcelブックのデータは、パソコンがアップデートしそれをハードディスクに保存してくれます。
予期しない電源の遮断によって、このファイル保存のプロセスが妨げられると、これがExcelファイルの破損を招くおそれがあります。
これを防ぐには?
突然のシャットダウンによる破損を防ぐためにも、作業していないときには、Excelファイルを開いたままにしておかないようにしましょう。
こまめにデータを保存して、作業が終わったらすぐにExcelのタブを閉じる習慣を身につけましょう。
突然の停電がよく起きる地域に住んでいる人は、予期しないパソコンのシャットダウンを防ぐためにも、無停電電源装置(UPS)の購入を検討してみてください。
2. ハードディスクの破損

ノートパソコンを落下させてしまって、一部のファイルが開けなくなった(あるいは見つからなくなった)経験はありませんか?
落下の衝撃でハードディスクの一部が損傷すると、そこに保存されているファイル(Excelなど)が破損したり、消去されたりすることがあります。
損傷したハードディスクにファイルを保存しようとしても、保存されなかったり、データが欠けた状態で保存されたりして、場合によっては、これがファイルの破損へとつながります。
これを防ぐには?
落下させてしまったあと、ハードディスクの不具合を示すサインに注意しましょう。そしてもし異常があれば、交換してください。
ハードディスクの不具合には、物理的な衝撃のほかにも、ソフトウェアの問題や電力サージ、オーバーヒートといった、さまざまな原因があります。
これらの中にはどうすることもできないものもあります。
ですが、なるべくハードディスクの不具合が起きないようにするためにも、ノートパソコンの扱いには注意を。そしてハードウェアの状態に目を光らせましょう。
3. ファイルのサイズ

ファイルの容量が大きくなるほど、破損も起きやすくなります。
たくさんの数式やリンクが詰め込まれていることが多いからです。こうした多くの数式やリンクの中に、間違った数式や壊れたリンクがいくつか含まれていると、ファイル全体が破損するかもしれません。
また、ファイルが大きくなるとExcelにかかる負担も大きくなるので、目に見えてスピードが落ち、場合によっては反応しなくなることもあります。
大容量ファイルの読み込みと保存には時間がかかります。読み込み中や保存中に中断が起きれば、それがExcelファイルの破損につながることがあります。
これを防ぐには?
不必要な数式やリンクをExcelファイルに追加するのを避けて、容量をなるべく最小限に抑えるのがいちばんです。
ですが、これが難しければ、大きなファイルを分割して、読み込みや保存、管理がしやすい小さなファイルに小分けするようにしましょう。
4. バグ

ほかのソフトウェアと同じように、Excelも完璧ではありません。
アップデートが常に行われ、バグ(ソフトウェアの不備)などの脆弱性を取り除く新たなパッチが追加されてはいますが、必ずしもすべての問題が解決されるとはかぎりません。
そしてこのバグが、ファイルが正しく保存されるのを妨げたり、一部の機能を誤解したりすれば、それがファイルの破損につながります。
これを防ぐには?
ソフトウェアのバグによりファイルを破損させないようにするには、Excelのプログラムを常に最新の状態にしておくのがいちばんです。
また、マクロやサードパーティのアドインは検査が甘く、ファイル破損の原因になる脆弱性を含んでいるおそれがあるため、それらを使うのはやめておいたほうがいいでしょう。
5. ネットワークサーバーとデータ同期の問題
ネットワークサーバーに保存されたExcelファイルは、破損のリスクが高くなります。
ネット速度が遅かったり、接続に問題があったりすると、そのせいでデータの完全な保存が妨げられるかもしれません。
また、ファイルに変更を加えている最中に接続が切れる可能性もあります。その変更が保存されなかったせいで、データ欠落によってファイルが破損する場合があるのです。
さらに、複数のユーザーが同じExcelファイルにアクセスして変更を加えようとすると、データ上書きやデータ同期に問題が生じ、ファイルの破損につながることもあります。
これを防ぐには?
変更を加える前には、接続が安定しているかどうかを必ず確認しましょう。
こうした問題を避けるためにも、変更を加える前に、Excelファイルをパソコンに保存しておきましょう。
6. マルウェアとコンピュータウイルス
ウイルスやマルウェアが、Excelファイルのデータを変えたり、上書きしたり、削除したりして、破損の原因になることがあります。
もしパソコンが感染すれば、すべてのファイル(もちろん、Excelブックも)がリスクにさらされます。
これを防ぐには?
パソコンを感染させないためのいちばんの方法は、ソース不明のソフトウェアをインストールしないこと、よくわからないサーバーにパソコンを接続しないことです。
また、ウイルス対策ソフトをパソコンにインストールしておきましょう。損傷の原因となったり、ファイルを破損させたりする、悪意のあるプログラムを検出して削除してくれますよ。
Excelファイルのバックアップ
Excelブックの破損を引き起こす原因はさまざまです。
必ずしも、それを防げるわけではありません。だからこそ、どんな場合でもExcelの重要なファイルやブックをバックアップして、重要なデータを失わないようにすることです。
ですが、もし重要なExcelブックが破損しても、あきらめないでください。
いろいろな方法を使えば、破損したExcelブック(少なくとも、そのデータ)を復元することができます。
Original Article: 6 Common Causes of Excel Workbook Corruption (And How to Prevent Them) by MakeUseOf