眠れない時に時計を見ることほど残酷なものはありません。
「少なくとも7時間は眠れる」と思ってベッドに横になっても、1時間後にまだ目が覚めていたら、残り時間は6時間になってしまいます。6時間の睡眠では十分とは言えません。
それでもまだ眠りに落ちるほど疲れていないなら、残り時間は6時間未満になり、結局ベッドに横たわりながら「これじゃ、どんなひどい状態で朝を迎えるんだろう」と鬱々と考えてしまいます。
そんな眠れぬ夜を過ごした経験がある人は少なくないでしょう。
眠れないことが心配で眠れない
睡眠科学者たちは、眠れないことが心配で眠れないという事象を以前から認識しており、必ずしも睡眠障害の原因とは言えませんが、悪化させる可能性はあります。
たとえば、何か些細なことで眠れなくなってしまったとします。すると、夜中に時計を気にしてストレスを感じ、睡眠不足になり、翌日に疲れが取れていないというサイクルに陥ってしまいます。
そして、また同じような眠れない夜が繰り返される気がして、眠ることが怖くなってしまいまうのです
いつの間にか睡眠を助けるために薬を飲んでいることがありますが、これはこれで健康リスクがあります。毎晩ベナドリル(アレルギー性疾患治療薬。軽度の不眠にも有効)を服用するのは、身体に良くありません。
最近の研究では、時計を見つめる「時間監視行動」が、本来なら必要ないはずの薬を服用させる原因になっている可能性があることがわかっています。