2023年3月の終わりになってGoogleが「Bard」を公開しました。Bardは、まずPixel Superfansで公開され、いまでは希望者にウェイティングリストが公開されています。

私たちが深いところまで調べたので、Googleの最新の野心的なプロジェクトについて意見をいくつか書いてみます。まずは第一印象から。

Google Bardとは何か?

Bardは、自然に書かれたテキストからテキストを作成するように設計された生成型AIです。Bard内部に使用されているのはGoogle独自の言語モデルLaMDA(Language Model for Dialogue Applications:対話アプリケーション用の言語モデル)です。

この言語モデルは、GoogleのTransformer、つまり2017年8月に始めて公表されたニューラルネットワークアーキテクチャーをベースに構築されています。公表当時は興味深いものとして受け止められました。

開発に何年もかかったモデルですが、今となってみれば、すべての道はBardに通じていたように思われます。

Bardの機能は次のようなものです。まず、ウェブブラウザを起動し、Bardのホームページにアクセスします(現在、このAIチャットボットにアプリはありません)。次に、やってもらいたいことをできるだけ自然にBardに聞いてみましょう。

たとえば、プロトンとエレクトロンが恋に落ちるという短い詩を書いてもらうことと、太陽の大きさなどを聞いてみました。


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数学の解答が知りたいときも、小説の次の章の構想を練るときも、Googleは人間に尋ねるのと同じくらい自然に解決策が見つけられることを狙いとしています。

突き詰めるなら、Bardは、どんな質問にもその場ですぐに答えてくれる天才級の頭脳がポケットに入っているようなものです。これが、私たちが知る「検索」に取って代わる可能性があるように聞こえるなら、まさにそういったものでしょう。

Bardのどんなところに感動するのか

旅行の計画を立てたり、新しい夕食のレシピを見つけるためにBing AIを利用したことがある方は、クリエイティブで正確ではあるけれども遅いことに気づいているのではないでしょうか。

これこそChatGPTのような他の生成型テキストAIプラットフォームでも問題になっていて、AIが質問にリアルタイムで答えている間、一行一行をじっと見ていなければならないようなものです。

即時の答えを求めるとなると、忍耐が絶対必要です。

Bing AIやChatGPTのような競合AIがマラソンランナーだとすれば、Bardはスプリンターです。Bardに質問をすると、数秒で答えが返ってくるだけでなく、さらに2つの回答が返ってきます。ツールは以下のようになっています。


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即座に回答が欲しいとき、たとえば、夜のパブでの議論に決着をつけたいときなど、Bardは理想的です。しかし、スピードは速いのですが、Bardは100%正確ではないことに注意が必要です。

上にあるように、太陽系で最も居住可能な惑星と最も居住不可能な惑星という質問に対して、Bardが出した草案の一つは、太陽系の惑星自体ではなく、惑星を取り囲んでいる居住可能な衛星に関するものでした。これでBardの欠点が分かるでしょう。

Google Bardに足りないもの

実験段階であっても、Bardは使いやすく、てきぱきと動きます。しかし、100%正確な結果を生成して、その結果を証明するとなると、Bardは時々調子が狂うようです。

Bardに事実に基づく質問をすると、答えの出典が表示されることがあります。また、「Googleで検索してください」と勧めるボタンが表示されることもあります。これが、BardとBing AIのような生成型AIチャットボットを比較した場合、Bing AIが圧勝となる部分です。

最初にBardにした質問をBing AIにもしてみましたが、Bing AIの回答はBardの最良の原稿と同等の回答が得られただけでなく、その結果を確認するために使える4つの情報源を教えてくれました。


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Bardに技術的すぎること(医学に関する質問など)を聞くと、Bardは「私はただの言語モデルです」といったかわいい回答をくれることが多いです。しかし、Bardに素人のように話しかけると、通常は共有してくれないような情報を漏らしてくれることがあります。

たとえば、Bardに犬のグレーハウンドの関節炎の症状について聞いてみました。Bardは症状の完全なリストは出してくれませんでしたが、グレーハウンドが疲労で運動しなくなる理由のリストを出してくれました。

Bardが万人向けの生成型AIアシスタントになるには、あらゆる種類のプロンプト、特に技術的なプロンプトに対応できるようになる必要があります。

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Bardの機能は良くて生成は速いけど、ただそれだけ

Bardを起動してご両親に渡せば、1分足らずで使い方が分かるでしょう。それは素晴らしいことですが、Bing AIの使い方も同じくらいに簡単です。

Google Bardは速いかもしれませんが、生成型AIチャットボットがこの成長市場で競争するためには速さ以上のものが必要です。

Google AIチャット「Bard」に期待大!「未来の検索像」はきっとこう変わる #TrendBuzz | ライフハッカー・ジャパン

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Source: Google

Original Article: Our First Impressions of Bard: Google’s Generative AI by MakeUseOf