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『GO OUT 飛び出す人だけが成功する時代』(坪田 一男 著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、本書の目的を次のように記しています。
現在のあなたの慣れ親しんだ世界(コンフォートゾーン)からゴーアウト(外に向かって出て行くこと)すると、思いもよらない「何か(イノベーション=新結合)が生まれる。その結果、自分のキャリアが広がっていく。そしてそれが、これからの不確実で変化の激しい社会を生き抜くための唯一の方法である。このことを、本書を通じてみなさんにお伝えしたい。(「はじめに」より)
このように述べる著者はまた、「日本人の多くはリスクを恐れ、あるいは失敗を恐れ、自らのコンフォートゾーン(快適な空間)から出ることを嫌がる」と指摘してもいます。しかし実際のところ、日本人はその起源から考えて“ゴーアウトした人たちの集団”なのだそう。
3万年前に大陸から日本列島に渡ったホモ・サピエンスは、それまで住んでいた場所から出て、新たな土地に移住しました。
そこに至るまでの旅で、命が途絶えるリスクもありました。たどり着いたとしても、慣れ親しんだ土地とはすべての面で異なるため、生存するリスクさえ生じます。(「はじめに」より)
それでも外に出て、新たな歴史を私たちの祖先はつくってきたわけです。そして、そこから枝分かれして現在に至る日本人にも、間違いなくそのDNAは組み込まれているはずだというのです。
だからこそ、ゴーアウトする目的と効果、その方法さえきちんと学べば、ゴーアウトすることはさほど難しくないはず。著者は、そう考えているわけです。
きょうは3章「思い込みの外に飛び出す」のなかから、「仕事も遊びで、遊びも仕事というスタンス」という考え方をクローズアップしてみたいと思います。
仕事と遊びは、はたして別物?
仕事と遊びを両立する。
ワークとライフをバランスさせる。
一見、素晴らしいことを言っているようですが、これも多くの人がとらわれている常識です。仕事と遊びは、はたして別物なのでしょうか。(129ページより)
こう問いかける著者は、「自分が人生でやりたいこと」と「やりたくないこと」で分けているのだそうです。まず、もともとやりたいこととして選択したのが眼科医としての仕事。スキーやヨットなどの趣味や遊びも、もちろんやりたいこと。
また、新たに眼に関するイノベーションを実現するために起業し、会社を経営してもいるといいます。そうしたことも含め、すべて、やりたいことをやっているというのです。しかし、これらについて、「お金が入ってくるものは仕事、入ってこないものは遊び」と考えるべきなのでしょうか?
このことについて著者は、自身の趣味である読書にあてはめて考えています。
年間200冊の本を読むことは、私がやりたいことです。さまざまなジャンルの本を読みますが、仕事に関連するものもあれば、遊びに関連するものもあります。そう言い切ったところで、仕事に関連するものが遊びになり、遊びに関連するものが仕事につながることもあります。(130ページより)
そのため、「やりたいことが遊びで、やりたくないことが仕事、やりたいことではお金を稼げず、やりたくないことでお金を稼ぐ」という分け方は無意味だと考えているというのです。当然のことながら、やりたくないことでお金が入ってくることもあれば、お金が出ていくこともあるからです。(129ページより)
人生はお金で換算できない
そもそも、人生はすべてお金で換算できるわけではありません。大事なのは、好きなことをやることです。必ずしも仕事と遊びを完全に分ける必要はないと思います。(130ページより)
一般論として、企業に勤めるビジネスパーソンは、基本的に午前9時から午後5時までの時間で区切られて働いているもの。定時を超えれば1時間ごとに残業が計上され、定時までの時給(基本給を定時の時間で除したもの)より割り増しされた時給が支払われます。
だとすれば、すなわちそのような働き方をしていると、仕事と遊びを分けるという常識が形成されても不思議ではないでしょう。よいか悪いかではなく、「仕組みとして確立されているのだから仕方がない」と考えることもできるわけです。
しかし、もしもその概念を受け入れてしまったら、日中は我慢してお金を稼ぐ仕事の時間で、アフター5や休日がお金を使う遊びの時間ということになってしまいます。私は、その思い込みを覆したいのです。(131ページより)
むしろ仕事も遊びであり、遊びも仕事。仕事でお金を稼ぐこともできれば、遊びでもお金を稼ぐことができる。そんなふうに、「入り乱れている」状態こそが本当のあり方だということ。(130ページより)
遊びが自分のキャパシティを広げる
「自分は時間を売っている」「遊びと仕事は違う」「仕事の時間はこれをやる」「遊びの時間はこれをやる」というような杓子定規なロジックのなかだけで動いていると、深化も頭打ちになってしまって当然。
著者はそれを、専門のなかだけで閉じていたら、新たな発想との結合が起こらないからだと考えているそうです。
だからこそ、「仕事は仕事、遊びは遊びと切り分けるのではなく、遊びを探索と考え、遊びが自分のキャパシティを広げることにつながる」と考えてみるべきではないかと提案しているのです。
新しい世界をのぞいてみる。
これまで会ったことのない人に会いに行く。
今まで見たことのない映画や演劇を見てみる。
こういう行動を遊びととらえることから始めてみてはいかがでしょうか。この行動こそが、ゴーアウトにほかならないのです。(134ページより)
たしかにそれだけでも、新たな発見がありそうです。(132ページより)
いまあるコンフォートゾーンからゴーアウトしてみれば、新たな地平で豊かな果実を手に入れることができるかもしれません。著者も、ひとりでも多くの方がそうなることを望んでいるわけです。
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