Googleの対話型AI「Bard」が、日本でも利用できるようになりました。

以前からChatGPTの対抗馬として注目されていましたが、その実力とは?

実際に使い、使い勝手や先行するChatGPT、Bing AIとの違いを解説します。

ウェイティングリストに登録すれば利用可能

Bardを利用するにはまず、公式サイトからウェイティングリストへの登録が必要です。登録後間もなくメールが届いて利用可能になります。

対応している言語は現状では英語のみ。日本語で使いたい場合は、Google翻訳などを使って入力文を作成し、回答が生成されたら再度それを翻訳する必要があります。

実際に解答の精度を確かめてみた

まず、「AIが高度化する時代に、人間が身につけるべき能力を10個挙げてください」と質問し、結果をGoogle翻訳で日本語にしてみました。

「クリティカルシンキングと問題解決能力」「創造性と革新」などの回答に加えて、それぞれの能力を身につけるべき理由が記載され、内容にも説得力があります。

翻訳ツールを使えば意味のとれる内容であれば、ひとまず問題なく使うことができそうです。

回答のバリエーションを生成できる

おもしろいのが、回答のバリエーションが生成される点です。回答の右上に表示されている「View other drafts」をクリックすると、現在表示されている以外の2パターンの候補を見られます。

ここでは、「誘われたパーティーに参加できないことを伝えるメールの文面」を、条件を箇条書きで挙げて生成しています。

メールの場合、同じ内容を伝えるにも言い回しなどで印象が変わるので、バリエーションがあるのはありがたいですね。日本語に対応するようになれば役立ちそうです。

最新の情報にも対応可能

ChatGPTは最近の話題については回答できないことが弱点でした。BardはGoogle検索の結果を回答に反映するため、新しい情報にもしっかり対応しています。

「2023年のWBCの優勝国は?」と質問すると、ちゃんと日本が優勝したと答えてくれました。根拠となるWebページとして、Wikipediaのリンクも表示されています。

同じく検索結果を反映できるBing AIの場合も、引用元を提示しながら正しい答えを示してくれます。

Bing AIのほうが回答があっさりしていますが、下に「どのようにして優勝しましたか?」などの質問候補が表示されていることを考えると、「詳しく知りたい場合は追加で質問する」という使い方を想定しているのかもしれません。

ChatGPTの場合は、もうすっかりおなじみになった「最新情報は回答できない」旨を伝える回答が返ってきます。

正しくない答えが返ってくることも

ただし、すべての質問に正しく答えられるわけではありません。Bardに「宮沢賢治の『注文の多い料理店』のあらすじを教えて」と質問したところ、実際のストーリーとはだいぶ異なる内容が返ってきました。初版の年も正しくありません。

ChatGPTの場合も、聞いたことのない登場人物の名前が出てくる結果に。日本文学に関することは、現状のAIにとって難易度が高めの質問なのかもしれません。

Bing AIの場合は、会話スタイルに「厳密に」を選ぶことで正しく答えることができました。

検索キーワードの候補も提案

回答結果に不満がある場合や、間違っている可能性がありそうだと感じた場合は、末尾に表示される「Google it」(ググって)ボタンから、関連するキーワードをGoogle検索することもできます。

「Google it」を押すと、質問文を元に検索キーワードの候補が表示され、検索ワードを考える手間なくすぐに調べることが可能です。

ちなみに、過去に入力した質問文は「Bard Activity」から見られます。ただし履歴として残るのは質問のみで、ChatGPTのように回答までセットで保存されるわけではないようです。

そのため、後で使いたいものは、出力された時点でメモアプリなどにコピー&ペーストしておく必要があります。

日本語対応すれば新しい選択肢になるかも

先行するChatGPTやBing AIで、日本語でそのままやりとりできる状況に慣れてしまっていることもあり、日本語未対応のBardは少々不便に感じるというのが正直なところです。

ただし、公式FAQには「Bardができるだけ多くの言語を話せるように取り組んでいます」との記載があり、いずれは日本語で利用できるようになることも期待できそうです。

Bardが日本語化されれば、「普段使っているブラウザはChromeだけど、Bing AIに質問するときだけEdgeを立ち上げていた」というユーザーがBardに移行する動きも生まれるかもしれません。

オンライン会議ツールにZoomやGoogle MeetやMicrosoft Teamsがあるように、今後は対話型AIも複数のツールから自分の用途や環境に一番合うものを選んで使うようになっていくのではないでしょうか。

4月21日にはBardがコーディングを支援できるようになったことも発表され、用途も広がっていきそうです。検索王者・Googleが、先行サービスとどう競っていくのか要注目です。

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Source: Bard