外貨預金やFXに興味がある方、リスクを減らして外国為替取引を行ないたい方に、外貨預金とFXを比較しながら、それぞれの活用方法についてご紹介します。

最後まで読めば、自身の目的に合った、よりメリットの多い外国為替取引が行なえるでしょう。

外貨預金と比べてFXはリスクが高いイメージがあるかもしれませんが、外貨預金とFX、どちらも外国為替取引には違いありません。

外貨預金とFXを比較しながら、その活用方法についてご紹介します。

目次

  1. 外貨預金とFXの違いは?
  2. 外貨普通預金とFXのサービス比較
  3. まとめ

外貨預金とFXの違いは?

まずは、外貨預金とFXの特徴をおさらいしましょう。

それぞれに共通しているのは、外国為替取引なので、為替変動による利益が狙えるという点、外貨の種類により日本円より高い金利が得られる、といった点です。

外貨預金は1通貨単位からはじめられる

外貨預金とは日本円を外貨に交換して預金することで、メガバンクやネット銀行、地方銀行などで取引できます。

外貨普通預金、外貨定期預金(1カ月~1年程度)などがあり、1ドル、1ユーロなど1通貨単位という少額から購入できる点がメリット。金利は取引満了時や毎月末など、決められたタイミングで受け取ることができます。

「預金」と名がついているため円預金に近いイメージがあるかもしれませんが、為替レートによっては元本割れの可能性もあります。

また、預金保険制度の対象外であるため、万一金融機関が破綻した場合でも、外貨預金については保護されないというデメリットがあります。

FXは自己資金以上の取引ができる

FXは、Foreign Exchangeの略で外国為替証拠金取引のことを言います。主に証券会社やFX会社で取引できますが、一部にはFXのサービスを提供している銀行もあります。

FXの最大の特徴は、投資する自己資金以上の大きな金額の取引ができること。

これは、レバレッジという仕組みで実現できます。レバレッジとは「テコの原理」のことで、FXでは自己資金の最大25倍もの金額を取引することができます

こうした取引は「証拠金取引」と呼ばれ、自己資金は「証拠金」としてFX会社などに預けられます。

しかし注意しなければならないのは、利益だけでなく損失が出る場合も25倍になってしまうということです。これがFXがハイリスク・ハイリターンだと言われる理由です。

またもう一つの特徴として、外貨預金の取引は「買い」からしかはじめることができませんが、FXでは「買い」からも「売り」からもはじめることができる、という点があります

FXでレバレッジ1倍=外貨預金と同じリスク

FXはレバレッジを大きくするとハイリスク・ハイリターンになりますが、レバレッジを「1倍」にすることで、外貨預金と変わらないリスクで外国為替取引をすることができます。

一般的に、外貨預金よりもFXのほうが金利が高く、取引コストが安いので、同じリスクでもFXのほうが効率よく運用できることになります。

外貨普通預金とFXのサービス比較

続けて、具体的なコストやサービス内容を比較してみます。

外貨預金は低コストでサービスが充実している「住信SBIネット銀行」の外貨普通預金を、FXは同じSBIグループで1通貨単位から取引できるFX専門会社「SBI FXトレード」を比較対象としました。


FX(SBI FXトレード)

外貨普通預金(住信SBIネット銀行)

レバレッジ

1〜25倍

なし

取引コスト

(1米ドルあたり・往復)

<スプレッド>

0.18銭

※1~1,000,000通貨の場合

<為替手数料>

12銭(6銭×2)

※積立の場合は6銭(3銭×2)

1万ドル取引した場合のコスト

18円

1,200円

※積立の場合は800円

スワップポイント

/金利(1万米ドル)

月間5,224円(税込)

※2022年12月実績

金利年0.5%(税引前)

月間542円(税引前)

※1米ドル=130円として計算

取引単位(米ドル)

1米ドル単位

※1,000米ドルや1万米ドル単位のサービスが多い

1米ドル単位

為替レート

24時間リアルタイム

24時間リアルタイム

取引

買いからも売りからも可能

買いからのみ

PC取引ツール

×

スマホ取引アプリ



※一部サービスのみ

積立



※一部サービスのみ

外貨のままでの利用

×

※外貨での受け取り(現受け)はできない場合が多い



※一部サービスのみ

資産の安全性

資産はすべて信託保全される

預金保険制度の対象外

取引コスト(為替手数料・スプレッド)はFXのほうが低い

取引コストは、外貨預金では「為替手数料」、FXでは「スプレッド」と呼ばれていますが、通常FXのほうが有利です。

1米ドルあたりの取引コスト(往復)は、住信SBIネット銀行では12銭、SBI FXトレードでは0.18銭となり、1万米ドルでは1,182円の差となります。

なお、外貨預金で提示されている為替手数料は片道の取引手数料(仲値と買いレート・売りレートの差額)なのに対して、FXで提示されているスプレッドは往復の取引手数料(買いレートと売りレートの差額)です。

金利(スワップポイント)もFXが有利

金利(FXではスワップポイントと呼ばれる)は、FXが外貨普通預金を大きく上回ります。1万米ドルあたり、住信SBIネット銀行では月500円程度なのに対してSBI FXトレードでは5,000円超と大きな差になっています(いずれも税込)。

また、金利の受取方にも違いがあり、外貨普通預金は毎月受け取る仕組みですが、FXは毎日受け取ることができます。

しかし、FXで「売り」からはじめた場合はスワップポイントを支払うことになるので注意が必要です。

取引単位は一般的に外貨預金のほうが少額

外貨預金では通常1米ドルから取引でき、500円から積立可能なサービスも珍しくありませんが、一般的なFXでは取引単位が1,000米ドルや1万米ドル単位などと大きい場合が多く、デメリットのひとつと言えます。

その点、SBI FXトレードは1米ドルから取引可能です。

現状では、FXを1米ドル(通貨単位)から取引できるのはSBI FXトレード、松井証券のMATSUI FXなどごく一部に限られますが、今後この流れが広がっていけばもっとFXが取引しやすくなるでしょう。

資産の安全性ではFX

前述にあるように、外貨預金は円預金と違って預金保険制度の対象外です。メガバンクやネット銀行が破綻するリスクは高くないと考えられますが、その信用リスクはゼロではありません。

一方、FXの場合、預けた資金は信託保全されており全額保護されます。

信託保全とは、FX専門会社などに預けた資金が信託銀行などに別途保管されるという制度で、万が一入金したFX専門会社が破綻しても、預けた資金は全額戻ってくるので安心です。

外貨のままでの利用なら外貨預金

外貨のまま利用するというニーズはあまり多くないかもしれませんが、住信SBIネット銀行やソニー銀行なら外貨預金を外貨のまま送金したり、海外で外貨のままデビットカードで利用したり引き出したりすることができます。

FXでは外貨のまま受け取ることは「現受け」と呼ばれますが、現受けできないサービスが多くなっているので、海外旅行などで外貨のまま利用することが多い方は、外貨預金のほうが便利でしょう。

外貨預金とFX、どちらがいい?

FXはリスクが高いイメージから敬遠されがちな金融商品ですが、コストや金利、安全性などの面からみると、外貨預金よりもメリットがあります

一般的には、数万円以内など少額からはじめたい場合や積立したい場合は外貨預金が、ある程度まとまった資金ではじめるなら低コストのFX(レバレッジ1倍)がよいと言われます。

SBI FXトレードならそれらのいいとこ取りで、1通貨単位から取引できるため少額でもはじめやすく、コスト面でのメリットもありますレバレッジをかけすぎなければもっとも有利な外国為替取引ができるでしょう。

なお、SBI FXトレードでは「積立FX」というサービスがありますが、スプレッドが通常とは異なるので注意が必要です。1米ドル(往復)あたり通常0.18銭のところ、積立では2.5銭(買付時0銭、売却時2.5銭)となります。

まとめ

FXはレバレッジをかけられる点が特徴ですが、「レバレッジ1倍」にすれば外貨預金と同じリスクで外貨預金よりも低コスト・高金利での取引ができます。

外貨預金を始める際は「レバレッジ1倍のFX」も選択肢に入れて検討してみましょう。

FXのサービスをチェック

SBI FXトレードや松井証券のMATSUI FXは1米ドル単位から取引できます。取引コストやスワップポイント(金利)の面でメリットがあるFXについて詳しくチェックしてみましょう。

SBI FXトレード松井証券 MATSUI FX

外国為替取引についてはこちらの情報も参考にしてください

>>経済指標って何?重要指標や見方をチェックしよう

>>外貨積立のネット銀行・メガバンク比較 おすすめの銀行は?

各社Webサイトへのリンク

>>住信SBIネット銀行/外貨預金

>>SBI FXトレード

2023年1月19日現在の各サイトの情報をもとにまとめています。最新の情報は各サイトでご確認ください。

*本記事は、Fin/d(ファインド)より提供のコンテンツを加筆変更して掲載しています