新しいトレーニングをはじめた日の翌日に筋肉痛になるのはよくあることです。
たとえば、スクワットをした翌日、階段を降りる時に思わずうずくまりたくなるような痛みを感じることがありますね。
しかし、RBE(Repeated Bout Effect:2回目の筋肉痛が1回目と比べ、症状が抑制される現象)として知られている現象のおかげで、2日目以降はこの種の筋肉痛が発生する可能性は低くなります。
本質的に、筋肉痛を誘発するトレーニングは、さらなる痛みが長く続かないように身体に何らかの保護をしてくれるのです(時間の経過とともに弱まっていきますが、調査によると、ある程度の保護は何カ月も続くこともあります)。
友人と一緒にジムに行き、その友人がいつもやっているトレーニングをしたことがあるなら、この効果を体験したことがあるのではないでしょうか?
自分は1週間ほど筋肉痛がするかもしれませんが、友人はいつも同じトレーニングをしているので、ほとんど痛みを感じません。
このことは、新しいエクササイズをはじめたばかりのうちは強い筋肉痛を感じても、数週間続けていると徐々に軽くなっていく理由も説明しています。
エクササイズの効果がなくなったのかと疑う人もいますが、筋肉痛を感じなくても筋肉を増強できていることもあれば、その逆もあるのです。
RBEを効果的に活用するには?
新しいエクササイズのプログラムをはじめる時や、新しいタイプのトレーニングを久しぶりにする時は、初日に全力投球しないようにしましょう。
中程度の強度のトレーニングでもRBEが発生することがあり、上述した保護が有効になると、2日目はもっとハードに行なうことができます。
初日に頑張りすぎて筋肉痛で辛くなっても、予定どおりジムに通うのが最善策です。
必要なら、余分に休息日を取っても構いませんが、筋肉痛がなくなるまで待つ必要はありません。段階を乗り越えれば、痛みは治まります。
では、しばらくトレーニングを続けても痛みが続く場合はなぜでしょうか?
その場合は、一貫して同じ動きをしていない可能性があります。毎週スクワット、ベンチ、デッドリフトをすると、この3種のトレーニングの痛みから保護されるのです。
一方、変化が好きで、毎日別のYouTube動画や別のCrossFitクラスの運動をしていると、特定のエクササイズに慣れる機会を身体に与えることはできません。
(十分な睡眠と食事も、筋肉痛の解消に役立ちます。筋肉痛があり、常にダイエットをしていて、就寝時間が不規則な場合は生活習慣を見直してみましょう)。
フィットネスの多くの問題と同様に、筋肉痛をなくしたいなら、一貫して同じ運動を継続することが重要。
初めてトレーニングをした日の翌日にベッドに横になっているのは気が引けると思いますが、「ジムに戻らなくちゃ」と思ったら、それが正解です。効果の程はお約束します。
──2021年3月7日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
訳: 春野ユリ