macOS用のGoogle Chromeに対する圧倒的な人気は、デフォルトでないブラウザーとしてはなかなかの功績ですし、うなずけることではあります。
初期のころには、Chromeは軽やかで速いという評判でした。「SafariやFirefoxよりも良い」と言われたものです。そのときはそうだったかもしれませんが、しかし今ではもう違います。
実際のところ、SafariはMac用のChromeを追撃しています。エネルギー効率が良く、プライバシー保護に優れており、Appleのエコシステムとシームレスに連携しているためです。
ここに、Google ChromeをMacで使用するのを避けるべきあらゆる理由があります。
1. ChromeはSafariよりも電力消費が多い

MacBookでは、メニューバーのバッテリーアイコンをクリックして、どのアプリがかなりのエネルギーを使っているかを確認することができます。
Chromeを起動している場合は、この画像のように表示されます。
Chromeは、RAMを占領してラップトップのバッテリーを消耗させる点で評判が悪いのです。この問題は、Macハードウェア上で効率的に機能するように最適化されているSafariとChromeを比較した場合には、特に顕著になります。
Googleはこの問題に取り組んでおり、かなりの進歩を遂げました。
私たちが行なったいくつかのテストでは、ChromeはSafariよりも性能は良いのですが、大抵の場合、Safariを使った方がMacの性能は向上します。
私たちの話を額面通りに受け取る必要はありません。
Macでアクティビティモニターを開き、CPU、メモリ、またはエネルギーのセクションにアクセスしてみてください。
Chromeでいくつかタブを開き、同じタブを別のブラウザーで開いてみると、同じジョブに対してChromeの方が多くのエネルギーを消費することがほとんどです。
2. Chromeの動作は独特である

Safariと違って、Chromeの多くの機能のルーツは、macOSではなくChromeOSにあります。
このため、Macでのエクスペリエンスは理想的ではありません。Chromeの動作がその他のmacOSのAppとは違うからです。
例えば、ほとんどのMacアプリはCommand + Qを押せばすぐに閉じますが、Chromeはデフォルトで数秒間押し続ける必要があります(Chromeをメニューバーでクリックし、「終了する前に警告メッセージを表示する」を無効にすれば、解消できますが)。
同様に、ほとんどのMacアプリには独自の環境設定ウィンドウがありますが、Chromeではタブ中のウェブサイトを使用しています。
また、ChromeはSafariと比べて、新しいmacOS機能に追いつくペースが遅いです。
たとえば、macOSのMojaveは、2018年9月にダークモードを導入しましたが、Safariはこれをはじめからサポートしていました。しかし、Chromeのほうは2019年3月までこの機能に追いついていませんでした。Safariに半年遅れたのです。
古い通知システムもひどいものでした。Chromeでは独自の通知設定を使っていましたが、Macの通知センターに統合されていませんでした。ありがたいことに、これは変わりましたが、非常に長い間、悩みの種だったのです。
やっと慣れたところで、まったく別のワークフローとユーザーインターフェースを、ユーザーが覚えなければならないのが、理想的ではないのは明らかです。
Safariでは、macOSと同じボタンや記号を使うので、よりシームレスなエクスペリエンスを得られます。
3. Chromeの拡張機能には代償がともなう

Chrome対Safariは僅差の決戦ですが、拡張機能に関してはChromeのほうが明らかに勝っています。
Chromeにはとても優れたライブラリがありますし、Chromeは人気のブラウザーであるため、ほとんどの拡張機能がChromeを念頭に設計されています。しかし、そうであったとしても、大きな拡張ライブラリには代償がともなうのです。
拡張機能のためにプライバシーの問題が発生することがあります。多くの拡張機能が閲覧に対する広範なアクセスを必要とするからです。
Safariにはそれほど多くの拡張機能はありませんが、Google Chromeの場合よりも綿密な試験を経て提供されているので安心です。
たとえ多くなくとも、Safariには素晴らしい拡張機能がたくさんあります。提供されている拡張機能は必要な主要機能をカバーするものです。
4. GoogleはApple以上にあなたを見張っている

GoogleとAppleの利害は重複しているように見えるかもしれませんが、両社の構造は異なっています。
Googleの主な収益源は広告ですが、ユーザーであるあなたは、実際には顧客ではなく商品。Googleは、あなたについての情報を何らかの形で獲得し、販売することで初めて利益を得るのです。
ある程度はGoogleの設定を微調整してプライバシーを保護することができるのですが、データ取得を基礎にしてビジネスモデルが構築されている会社では完全に安心とはいえません。
これが少しオーウェリアン風に聞こえるなら、macOSにChromeを搭載するのはおそらくあなたのためにはなりません。
一方、Googleとは対照的に、Appleのビジネスモデルは主として自身のハードウェアを販売することを基本にしています。
Appleのソフトウェアはほとんどが無料ですが、専らAppleの顧客向けであり、Appleのハードウェアが顧客にとって魅力的になった場合にだけ価値を発揮するのです。
Appleには、自社のほかの製品といっしょに使って良好に機能するブラウザーの提供に直接的なインセンティブがあるのです。
この誠意を示すものとして、Appleは定期的にプライバシー保護の方策をSafariに導入しています。
Intelligent Tracking Prevention 2(ITP 2)は、High Sierraに導入されたSafari機能のアップデートであり、クロスサイトトラッキングを防止するものです。これによりウェブサイトがウェブ上であなたを追いかけにくくなります。
また、Intelligent Tracking Prevention 2(ITP 2)はフィンガープリントを作成させないようにし、ウェブサイトが将来あなたを識別しないようにします。
また、プライバシーレポートをSafariのツールバーから見ることができます。
プライバシーレポートには、あなたをもっとも追跡しようとしているAppや、使用しているトラッカーが表示されます。
さらにiCloud+に加入していれば、AppleのPrivate Relay VPNの恩恵を受けられるのですが、これはSafariを使っている場合に限ります。
5. macOS High Sierra以下はChromeのサポートなし
Chromeのシステム要件は、macOS High Sierraか、それ以前のバージョンを起動するあらゆるMacを切り捨てています。
もちろん、Macを無料でアップデートすることはできるのですが、さまざまな理由でアップデートをしたくない、あるいはアップデートできない人が多くいます。これには、最新バージョンのmacOSをサポートしていない古いコンピューターを使用している人が含まれます。
一方、SafariはどのバージョンのmacOSでも使用できます。オペレーティングシステムに内蔵されているからです。
確かに、すべての最新機能を利用できるわけではないかもしれませんが、Appleは数年間にわたってセキュリティーアップデートの提供を継続しているので、オペレーティングシステムやコンピューターが古いかどうかにかかわらず、ブラウザーの基本的な機能をすべて入手できます。
6. Safariは本当に優れている

長い間、この点に対する大方の反応は、「確かにそうだけど、Chromeより良いブラウザーはない」というものでした。 しかし、最近のバージョンのSafariはChromeと比べて高速でスムーズです。
冗談抜きに、このブラウザーをしばらく試したことがないとすれば、何を見逃しているのかも分からないと言えるでしょう。
慣れるまでは大変ですが、決して後戻りすることはありません。重要なSafariのヒントとコツをいくつか試して習得してください。
Safariは、JetstreamのブラウザースピードテストでChromeをしのいでおり、ウェブサイト翻訳、タブグループや検索バーから直接の天気予報など、これまでChromeユーザーにしかできなかった多くの機能を提供するようになりました。
7. Safariのリーダーモードがすごい

記事を読もうとして、広告が邪魔で読めなかったことはありませんか?
Safariのリーダーモードなら、変な形式の奇妙なフォントや、以前に閲覧したものを見せようとする広告のスプラッシュページを素通りして、純粋にスリムなテキストを表示します。
画像、映像やリンクは、すべて読みやすいフォーマットで表示されます。フォントサイズや背景色を調整し、さらにはオフラインで読む記事をダウンロードすることもできます。
Googleも類似の実験的機能を提供していますが、広告をかわすことはGoogleの利益に反するので、少なくとも当面はChromeに完全装備の機能がリリースされることはないでしょう。
ただしサードパーティーによる拡張機能はありますので、それを使って同じ効果を得ることはできます。
8. SafariはAppleのエコシステムへの統合性が高い
全部ひっくるめてAppleのプラットフォームを利用しているのであれば、Safariは一層良い選択肢です。
すべての小さな要素が、より良く統合されています。たとえば、パスワードをAppleのシステム全体にまたがるツールで管理したり、iCloudを使って同期することができます。ブックマークも同様です。
iPhoneかiPadを使っているのであれば、Handoff機能により、携帯デバイスのSafari上でサイトにたどり着いたら、Macを取り出してすぐに同じサイトに行くことができます。
また、iPhoneでFace IDやTouch IDを使ってApple Payでの購入を認証したり、別のサイトにログインする際にテキストのワンタイムパスコードをiPhoneに自動入力することもできます。
これらはマイナーな付加機能に見えるかもしれませんが、一緒になれば強力なエクスペリエンスになり、さまざまなデバイスを使うのがますます楽しくなります。
別のブラウザーを常に試す
Chrome対Safariの論争には、確かにMacブラウザーの重鎮2つの戦いですが、考えるべきほかの選択肢もあります。
どちらのブラウザーも気に入らなければ、ほかのブラウザーを探して試してみましょう。結局のところ、選択肢はたくさんあるのです。
Image: MakeUseOf
Original Article: Safari vs. Chrome for Mac: 9 Reasons You Shouldn’t Use Chrome by MakeUseOf