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会社から「お金をかけずに集客できる方法を考えてほしい」といわれたものの、なにから手をつけたらいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。無料のSNSなどを活用するにしても、「なにを」「どのように」「どこに着地するべく」実施すべきなのかなど、不明点は少なくないはず。
でも、なぜそうなってしまうのでしょうか? この問いに対し、『お金をかけない集客図鑑』(吉澤健仁 著、白夜書房)の著者は次のように述べています。
その理由は、さまざまな方法を吟味し、自社にあった手法を選定できていないことにあります。その前提となるのは、集客の方法論に関する知識です。
あるいは、「こうやるといいよ」などと聞いたり学んだりしても、その方法を適切に実施できなかったり、結局やらないで放置してしまったりなど、一歩を踏み出せていない現状もあるでしょう。(「はじめに」より)
つまり、そういった悩みを抱えている方のために、お金をかけずに実践できる100種の集客方法を紹介した本書があるのです。どれもすぐに実践できるものばかりなので、お金をかけない集客のための“最初の一歩”を踏み出すのに最適。
ちなみに著者は、新卒で資生堂に入社して化粧品の販売業務に従事したのち、ウェブサイトの企画・制作・プロモーションを行うエスト株式会社を創業したという人物。つまりここで明らかにされているメソッドは、自身が試行錯誤をくり返した末に身につけたものであるわけです。
ところで著者は「集客の4ステップ」として、以下の4つを挙げています。
① 商品・サービスを磨く
② 見せ方を変える
③ 集客する
④ リピーターをつくる
(「はじめに」より)
ただ告知をして顧客を集めればいいというわけではなく、これらの4ステップを踏まえ、着実に商品・サービスを販売する流れを構築することが重要だというのです。そこできょうは最初の段階である「商品・サービスを磨く」に焦点を当て、2つの要点を抜き出してみたいと思います。
ネーミングの力を活用する
無数に存在する商品やサービスのなかからお客様に選んでもらうためには、記憶に残りやすいネーミングはとても重要。
どれだけ商品やサービスの質がよかったとしても、ネーミングのために選んでもらえないという場合があるからです。したがって、ネーミングが持つ力を理解し、うまく活用する必要があるのです。
だとすれば「売れるネーミング」の特徴を知りたいところですが、それはいったいどのようなものなのでしょうか?
商品やサービスの名前を聞いただけで、どんな商品・サービスなのかパッとわかれば、選んでもらえる可能性が高くなります。そして、お客様の記憶に残ればリピーターの獲得にも大きな力を発揮するのです。(24ページより)
その一例としてここでは、ネピアのティッシュ「鼻セレブ」のことが引き合いに出されています。「濃厚な潤い感」と「なめらかな肌触り」を特徴とするこのティッシュは、発売当初は「ネピア モイスチャーティッシュ」という名称でした。ところが「保湿ティッシュ」が「ウェットティッシュ」のイメージと混同してしまい、「濡れていない」と問い合わせを受けることもあったというのです。
そこで、「鼻に使う、高級なティッシュ」というコンセプトがすぐに伝わるネーミングにしようと試行錯誤し、「鼻セレブ」というネーミングにリニューアル。インパクトを投げかける「鼻」という漢字と、高級感を表す「セレブ」ということばとの組み合わせがユニークなイメージへと結びついたわけです。
事実、「鼻セレブ」という新名称になった同商品は、「ネピア モイスチャーティッシュ」だったときとくらべて売上が10倍以上になったのだとか。この事実からは、パワーのあるネーミングには下記の4つの特徴があることがわかると著者は指摘しています。
・親しみやすい:なじみのある言葉の組み合わせ、音の響きがよい
・覚えやすい:一度聞いただけで覚えられる、発音しやすい
・商品と整合性がある:商品・サービスの特徴をすぐにイメージできる
・ユニークな語感がある:一度聞いたら忘れられない響きがある
(24ページより)
これはネーミングの力を活かすために忘れるべきではないポイントだといえそうです。(25ページより)
独自のポジショニングを考える
ポジショニングとは、自社の商品・サービス、企業ととしての地位を築くにあたり、自社の特徴を強調したり、ターゲット顧客に対して適切なイメージを訴求したりすること。
当然ながら、いちばん強力なポジショニングは、独自の立場を確立すること。競合他社が追いつけないような唯一無二のポジションを獲得し、独自のイメージを訴求できれば、それが圧倒的な強みとなるわけです。
「独自の立場を築く」というのは、つまり、なぜお客様は「他社の商品やサービスではなく、自社を選ぶべきなのか」という明白な理由を提案するということです。
独自のイメージが浸透すると、「〇〇といえば△△(自社、商品やサービス)」と覚えてもらえるようになり、こちらから売り込まなくても新規顧客が自然と流入したり、リピート顧客が増えることにつながります。(29ページより)
たとえばいい例がスターバックス。スターバックスは、自宅や職場に次ぐ「サードプレイス」として、くつろぐための居場所としてのポジショニングも打ち出し、イメージの浸透に成功したわけです。
スターバックスの場合、メインターゲットは「主要都市で平均以上の収入を得ているオフィスワーカー」です。そこに、その土地ならではのニーズを加味して出店しています。
そのようなメインターゲットに対し、コンセプトであるサードプレイスとしての居心地のよさや空間としての価値、さらには都会的でオシャレな雰囲気をきちんと打ち出すことで、既存の喫茶店とは異なる地位を築いているのです。(30ページより)
このように独自のポジショニングを熟考することも、集客の欠かせないポイントだということです。(28ページより)
お金をかけない集客についての具体的な方法論だけでなく、マーケティングの基礎知識も網羅された一冊。そのためマーケティングや集客の担当者だけではなく、すべてのビジネスパーソンに役立つはずです。
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Source: 白夜書房