ウォーレン・バフェットは、特に投資の選択では間違ったことがほとんどありません。多くの人が知っている通り、オマハの賢人は世代を越えた知恵を持つ思慮深い人でもあります。
そして、その知恵はいつも正鵠を射たものです。キャリアや事業において失敗ではなく成功を確保したいのなら、バフェットが数年前に語った以下の重大な教訓を心に留めましょう。
基本的には、私くらいの年齢になったら、人生の成功を本当の意味で評価するのは、あなたが好意を得たいと思っている人のうち、何人が実際にあなたに好意を持っているかです。
バフェットの成功の尺度
この奥深い考えの一端は、バフェットの伝記であるアリス・シュローダー著『スノーボール:ウォーレン・バフェット伝』に捉えられていました。
それに付け加えて、あなたたと同じくらい長く生きていて、あなたのことを良く思っている人が、周りに1人もいないとしたら、「銀行口座の残高に関係なく」と続けて「あなたの人生は最悪だ」とバフェットは言ったといいます。
バフェットにとって、旅路が終わった時点で充実していたと思える人生とは、お金や物質的所有物にはほとんど関係がなく、むしろ人間関係の質や良い影響を与えた人と関係があるのです。
バフェットの成功の尺度は公平であり、誰でも到達可能なもの。しかし、疑問に思う人もいるでしょう。「本当の意味で名誉を得られるように、この好意の原理を実現する最良の方法や、好意で報いてくれる人とはどんなものだろう」と。
別の言い方をすれば、あなたが引退する時に敬愛され、みんなが賞賛を惜しまないほどになるにはどうすべきか、ということです。
無私無欲になる
まず、見返りは求めず、行動では無私無欲になること。
はじめに相手に好意を持つと、同僚を励まして奮起させる場合でも、若い従業員を指導する場合でも、コミュニティに還元する場合でも、好意は尊敬心、信頼、忠誠心や献身を通して完全に返ってくるものです。
好奇心を持つ
好奇心を持てば、相手に影響を与え、引き付けることができます。好奇心は、他人の声に耳を傾けていると出てくるもの。相手について知ろうとすると関心が生じるからです。
じっくりと耳を傾ける時に重要なのは、次に何と言おうか考えることではなく、自由な質問をしながら親密な結びつきを築くことができるように信念、見識や考えについて多くの情報を引き出し、関心を示すことです。
研究によれば、好奇心の強い人は人間関係が良好であることが知られています。相手は好奇心を示す人に惹かれやすく、社会的に親近感を覚えます。これは誰にでも生来的に備わっていて、良好な人間関係の原動力となります。
相手のためになる
誰しも1つの普遍的な黄金律を知っています。それは「自分がしてほしいことをほかの人にも施す」です。
しかし、「あなたが好意を得たいと思っている人が実際にあなたに好意を持っている」可能性を高めるためには、黄金律を白金律に格上げしましょう。白金率は、黄金律をまったく新たな好意のレベルに引き上げるものです。
つまり「他人がしてほしいことを施す」こと。
黄金律と同様にすばらしいものですが、白金律にも限界があります。相手も状況もすべて異なっているからです。しかし、白金律を採用すると、相手が望んでいることを行なっていると確信を持つことができ、より良い結果を確保できます。
白金律のもう1つの利点は、共感を活発にすることです。これこそ、過小評価されやすいリーダーシップの力。自分自身の観点ではなく、むしろ他者の観点から状況を想像するのです。
もっと多くの人が無私無欲を実践し、好奇心を持ち、白金律を生かせば、物事はその方向に動いて行きます。そうすれば1人の人の幸福度が増すだけでなく、この地球の最裕福者の1人が提唱した成功の尺度に人々を近づけることになるでしょう。
試せばきっと納得しますよ。
Source: Amazon, Greater Good Magazine
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