長時間労働が評価される風潮は珍しくありません。睡眠不足がもてはやされる職場(プレッシャーの多い職場では特に)も少なくないでしょう。

ところが、睡眠不足は、あなた自身や従業員にも、さらには収益にも悪影響を及ぼすのです。

それなのに良質の睡眠をとることはますます難しくなってきました。デバイスから発するブルーライトは私たちの体内時計に影響を及ぼし、また、リモートワークが増えたことで、働く人々の睡眠習慣がますます崩れることに

職場で睡眠の話題を持ち出すことは稀で、むしろタブーとも言えます。しかし、効率と生産性が強く求められる現代だからこそ、睡眠は職場でもっと重視されるべきなのです。

まず、激動に満ちて困難な時代に組織を率いていく能力は、良質な睡眠と切っても切れない関連性があることを理解しましょう。

リーダーがやる気を与えられるかは睡眠で決まる

よいリーダーはチームにやる気を与えます

でもリーダーが睡眠不足だと、ポジティブな感情(喜びや感動など)を表すことができないばかりでなく、カリスマ性に欠けるとみられがち

睡眠不足に陥ると、疲れすぎてチームにやる気を起こさせることができないリーダー疲労でやる気を出せない従業員、という悪循環に。

こんな事態は、なんとしても避けたいもの。

睡眠が創造性をよびさます

有能なリーダー、とりわけ複雑なマクロ環境におかれたリーダーが本領を発揮するには、創造性が欠かせません。

IBMの研究によると、偉大なリーダーは、創造性を重視することで、無駄な妥協を排除、現状維持を打破するそうです。その結果、競争において群を抜く可能性が高い、と。

リーダーとしての創造的な思考や問題解決能力は十分な睡眠によって向上することがわかっています。直感に反するようですが、覚醒時よりも睡眠時のほうが人は創造的であるという研究結果も。

あなたと従業員のチームプレーを向上させる

目まぐるしく変化していくビジネスの環境において経営幹部を支援するシンクタンク、アサナ社のワーク・イノベーション・ラボの最新の研究によると、現代の組織でもっともカギとなるチームプレーは睡眠に左右されるそうです。

パフォーマンス生理学者であり科学者でもあるグレッグ・ウェルズ博士コーラス・スリープ共同研究で、参加者の睡眠の質があがるにつれ、チームプレーの割合が毎日55パーセントも向上したことが判明しました。

職場でのチームプレーには、高い感情的知性(Emotional Intelligence=EQ)が必要ですが、睡眠が不足していると、このEQが発揮できないことが証明されています

EQのレベルが高いと、あなたも従業員も、よく協力してコミュニケーションをとり、お互いを刺激し合って共同の作業を遂行することが多くなります。

よく眠ったあとは、チームプレーへの関わり方が変わったと、参加者(リーダーも含め)は感想を述べていました。よく眠れた次の日は、チームプレーへのアプローチを吟味し、無駄に声掛けすることなく、意識してコラボ過多を避けるようになった、とも。

睡眠プログラムを導入してみては?

睡眠の重要性を理解し、社のウェルネス・プログラムに睡眠を取り入れることで、リーダーであるあなた自身と従業員を一歩成功に近づけては?

近年、仕事とプライベートの境がこれまで以上に曖昧になってきましたが、どちらにも影響を及ぼすものの1つが睡眠です。

企業の日常の慣習にも睡眠を取り入れるべきでしょう。従業員が各自の睡眠に合わせて最適な勤務時間を決められるよう、週のうち何日かフレックスタイムを取り入れるのも効果的です。従来は、勤務時間に睡眠を合わせるのが当然でしたから。

よりよい睡眠の妨げになっていた大きな要因のひとつ、それは従業員がちゃんと働いているのかという不安からくる「生産性パラノイア」とも言うべき上司の被害妄想です。 作業の一部始終を監視されていると感じた従業員は、当然徹夜仕事をする確率が高くなります。

リーダーの努めは、アウトプットではなく、結果を評価すること。それができれば、従業員は、パソコン作業ではなく睡眠を優先できるようになるでしょう。

よく眠り、よりよいリーダーに

睡眠は、個人的なことと位置づけられがちです。

しかし、やる気を起こさせ、クリエイティブに、よりよいチームプレーを、と睡眠がリーダーのパフォーマンスに与える影響は多大

睡眠を優先することで遅れをとるということはありません。そうではなく、強力で、人並外れたリーダーに生まれ変わるのです。

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Source: Harvard University, The Wall Street Journal, Harvard Business Review(1, 2), APA PsycNet, IBM Global Business Services, PNAS, asana(1, 2), Dr.Greg Wells, Science Direct

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