人は、さまざまな原因で機嫌が悪くなりますが、その背景に共通するのがストレス反応です。
ストレス反応とは、危機と直面した時の備えとして、欠かせないもの。けれどもその一方で、そうした状態がいつまでも消えないでいると、(公私の責任を果たすのに重要な)認知機能まで影響を受けることになります。
また、不機嫌でいると、いとも簡単に負のスパイラルに陥ってしまうのです。
しかし、ストレス反応や不機嫌に巻き込まれたままでいる必要はありません。実際には、それらと協力しあうことは可能です。というわけで今回は、不機嫌なスタートで1日をはじめなくてもいいようにするためにできる、6つのことをご紹介します。
「生理機能」を整える
神経系とホルモンは、どちらもストレス反応に関係しています。この神経系とホルモンに良い影響を与えるためにできることは、いろいろあるのです。
たとえば、「ブレーキ」の役割を果たす副交感神経系は、さまざまな方法で活性化可能。
ブレスワーク(「4-7-8」や「ゆっくり吸って長く吐く」などの呼吸法)や、EFTタッピング(顔や体にあるツボを指で刺激するリラックス法)、自然の中に身を置くことなど…これらにはどれも自然に心を落ち着かせる効果があります。
瞑想やスケッチ、音楽を聴くといった、刺激の少ない活動にも、乱れた神経系をリセットする効果がありますよ。
また、運動や性的な行為、ペットや人との抱擁といったものでも、(ストレスを和らげて気分をよくする効果がある)セロトニンやオキシトシン、エンドルフィンの分泌量を増やすことが可能だといいます。
環境を変える
気分の悪さにつながる環境に無理に居続けるのはやめて、自分の居場所を物理的に変えましょう。
たとえば、オフィスの共用スペースへ移動したり、家の別の部屋へ行ったり、屋外に行ったりすることで、脳が気分のリセットに気づきやすくなります。
問題を見極める
心の状態をこまめに確認するよう習慣化しましょう。こうすることで、不機嫌のせいで身体や行動に現れる症状に、いち早く気づけるようになります。
その際には、自分に正直になって、あなたを苛立たせている原因を明確にしましょう。そのほうが、問題を解決したり、自分の状況を受け入れたりといったことが簡単になるからです。
現実的な期待を設定する
人の気分は、その人が抱く期待が叶えられるかどうかに大きく左右されます。まずは、1日の流れを現実的に見通すことからはじめましょう。
期待通りに事が運ばず、がっかりさせられた時はどうすればいいのでしょう?
『The Happiness Advantage』の著者であるShawn Achor氏は、すでに成し遂げられた進歩に目を向けることをすすめています。達成可能な短期の目標を立てるとともに、達成できたことも書き留めておきましょう。
簡単にできることに集中して取り組む
洗った服の山を片づける、いらないメールを削除するといった、一番簡単にできることをクリアしましょう。
うまくいっていない日でも、達成感やコントロール感を高めることは、軌道の修正に役立ちます。どんなに小さなことでも、具体的な行動をとれば、脳に勝利のシグナルを送ることができるのです。
ただし、やることを減らして、簡単なタスクもあと回しにしたほうがいい場合もあります。
つまり、休んだり、あるいは、いちばん重要なToDoに集中するための時間をつくることを優先させる時です。そういう時は、人に任せたり、手伝ってもらったりしてもいいでしょう。
休んで元気を回復する
最後は、「やることを減らして、しっかり休む」です。これが軌道修正につながるケースもあります。
「長ったらしいToDoリストが目の前にあるのに、そんなこと、できるわけがない」そう思えてしまうかもしれませんが、意図的に扁桃体(へんとうたい:感情の処理や心痛の伝達に関係する脳の部位)をリセットしましょう。
そうしないと、自分の首を絞め続けることになります。
扁桃体のリセットには、単なる休息だけでなく、活気を取り戻すことも必要です。努力して休憩を取り、元気を回復してくれる楽しい活動に参加しましょう。
Source: Greater Good Magazine, Harvard Health Publishing, healthline, Harvard Business Review, mind body green