Excelの「SWITCH関数」は、1つの値に対して複数の評価を実行し、一致する条件に対応する結果を返してくれる関数です。1つの値を取り上げ、与えられた複数の評価値とそれとを照らし合わせ、その中で最初に一致する値に対応する結果を返します。

この記事では、ExcelのSWITCH関数の使い方を理解し、ほかの関数と組み合わせて、より複雑な計算をする方法を学んでいきましょう。

今日のワークハック:ExcelでSWITCH関数を使いこなす

SWITCH関数とは

SWITCH関数は、スプレッドシートにおいて、評価する条件がいくつもある時によく使われます。「IF関数」よりも効率良く計算できてわかりやすいため、IF関数の代わりとして用いられることが多い関数です。

すべての条件を評価するためには、IF関数などの条件関数を入れ子(ネスト)にして使いますが、その代わりにSWITCH関数を使えば、これ1つで一度にすべての評価を実行できます。

SWITCH関数の基本構文は、次のとおりです。

=SWITCH(式,値1,結果1,[値2,結果2],…[既定値])

それぞれの引数は、以下のような意味を表します。

  • 」:「値1」「値2」に対して比較の基準となる値。
  • 値1」と「値2」:「式」と比較する値。
  • 結果1」と「結果2」:用いた条件が一致したときに得られる結果。
  • 既定値」:「式」がいずれの「値」とも一致しない場合に返される値。既定値の引数を指定していないと、SWITCH関数は「#N/A」というエラーを返す。

ここまでご説明した構文について、例を見てみましょう。

=SWITCH(A1, "3", "flower", "2", "leaf", "unknown")

この例では、「A1」の値が「3」なら「flower(花)」、「2」なら「leaf(葉)」と表示されます。値がいずれの条件とも一致しない場合は、「unknown(不明)」と返ってきます。

SWITCH関数は、入れ子にしたIF関数を、簡潔でより効率的な形にしたものと考えればいいでしょう。

ExcelでのSWITCH関数の使い方

ExcelでのSWITCH関数の使い方について、例を見てみましょう。

スプレッドシートには10人の生徒の情報が入っています。

各生徒には記号(AまたはB)が割り当てられており、その記号に従って、生徒を2つのグループ(「Orators(発表者)」と「Researchers(調査係)」)に分けることにしましょう。どちらの記号も割り振られていない生徒は、「Pending(未定)」と表示させます。

この場合のSWITCH関数の式は次のとおりです。

=SWITCH(B2,A,"Orators",B,"Researchers","Pending")

SWITCH関数の事例1
Image: MakeUseOf

もう1つ、別の例も見てみましょう。

社員10人の仕事の成果に対する評価を、経営陣と共有するとします。社員にはそれぞれ、「1」「2」「3」の評価のいずれかが付いています。「1」の社員は「Excellent(優れている)」、「2」は「Satisfactory(良い)」、「3」は「Poor(悪い)」という評価です。

この場合のSWITCH関数の式は以下のようになります。

=SWITCH(B2, 1, "Excellent", 2, "Satisfactory", 3, "Poor")

SWITCH関数の事例2
Image: MakeUseOf

SWITCH関数を、ほかのExcel関数と組み合わせて使うには

SWITCH関数とほかのExcelの関数とを組み合わせれば、関数の機能を最大限に利用できます。たとえば、IF関数に入れ子にしたり、その逆にしたりして効率を上げ、より複雑な式をつくることができるのです。

先ほど取り上げた2つ目の「従業員評価」の例で言うと、SWITCH関数をIF関数の中に入れ子にして、セルの値が「3」より大きいかどうかを調べ、「3」より大きい時は「Out of Range(範囲外)」と返すような式がつくれます。

その場合の式は次のとおりです。

=IF(A1>3, "Out of Range", SWITCH(A1, 1, "Excellent", 2, "Satisfactory", 3, "Poor"))

SWITCH関数の事例3
Image: MakeUseOf

これ以外にも、SWITCH関数と一緒に使えるExcel関数がいくつかあるのでご紹介しましょう。

SUM関数

SUM関数とSWITCH関数を一緒に使うと、特定の条件に対応する値の合計を出すことが可能に。

たとえば、まずはSWITCH関数を使って、ある条件に基づいて合計を出す「値」を特定し、それからSUM関数を用いて合計を計算します。ExcelでのSUM関数の機能については、過去記事で詳しく取り上げていますので、参考にしてください。

INDEX関数とMATCH関数

これらの関数を使えば、特定の条件に合ったデータを抽出することができます。たとえば、SWITCH関数を使って目的の「値」を特定し、それからINDEX関数とMATCH関数を使って求める値を抽出するのです。VLOOKUP関数を用いても同じ値を抽出できます。

SWITCH関数とほかのExcel関数を組み合わせれば、もっと機能的な式をつくって、データ分析やデータ処理の効率を上げることができるでしょう。

SWITCH関数を使って複雑な計算を効率化

ExcelのSWITCH関数は、複雑な計算をラクにしてくれる、使い勝手の良い有能なツールです。その機能を十分理解すれば、スプレッドシートを最適化して、データをもっと効率的に分析できるようになるでしょう。

日頃からExcelでデータを管理している人は、今からでも試してみる価値がありそうです。

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Original Article: How to Use the SWITCH Function in Excel by MakeUseOf